<ストーリー>
世界で最も愛されている歌手、ウタ。
素性を隠したまま発信するその歌声は”別次元”と評されていた。
そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。
色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、
そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきた
ルフィ率いる麦わらの一味、
ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、
今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。
物語は、彼女が”シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出すー。
「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。
ウタの過去を知る謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。
音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは12年前のフーシャ村へと遡る。
池田:シャンクスと出会い、助かりましたし、うれしかったです。シャンクスはエリートじゃなく、たたき上げなんだろうと、最初にそう感じたんです。僕は、エリートの役が多くてね。
『ONE PIECE』のお話をいただいた時、”赤髪のシャンクス”というので、また赤か……と実は思っていたんですよ。エリートっぽいのかな?と思ったけど、全然違って、これは面白いな!となったんです。シャンクスは、血が通っているといいますか、温かみがあるじゃないですか。それまでは、冷たい役が多かったですし。個人的に、エリート役にちょっと飽きていた時期だったんです(笑)。
池田:実際に演じてみると、結構大変だったんですよ(笑)。やったことがないような役ですし、手探りでやらせていただきました。でも、楽しかったですよ。これは面白いな!と思ったら、すぐに(本編に)出なくなっちゃってね。思い出した頃に出てくる。ルフィには、思い出してくれよ!と思っているんですよ。
池田:大変ですよ。だってキャストの皆さんがすごいじゃないですか。その上をいかないといけないので大変なんですよ。最近のシャンクスは、ちょっと格好よくなりすぎじゃない(笑)。昔はもうちょっと素朴でしたよね。初めて登場した時、宴だ!としょっちゅう飲んでるな……と思っていたんですよ。僕も酒が好きだから、キャスティングされたのかな?と(笑)。もちろん今のシャンクスも好きですよ。
池田:「(シャンクスが)今度の映画に出るみたい」という話は聞いたのですが、回想シーンにちょっと出てくるのかな?と思っていたんです。ちょっと出てきて、あばよ!といなくなる感じで、今回も楽ができるなと思っていたんです(笑)。なので、超特報映像でラストにシャンクスの顔が出ていて、慌てました。「ひょっとして……」と聞いたら「ひょっとします」という話だったんです。
ーー『ONE PIECE FILM RED』の企画が立ち上がった経緯についても教えてください。
高野:2019年に尾田さんと打ち合わせをしたときに次回の映画をどうするかという持ち上がりました(※原文ママ)。音楽映画やりたいよね、となって、私がジャンプで『ROCK THE JUMP』という音楽記事を担当していたこともあり、尾田さんから音楽まわりのプロデュース役を任命されました。
尾田さんは音楽が大好きなので、『音楽映画は生半可な覚悟ではできないよ、ちゃんとできる?』と、ハッパをかけていただきました(笑)
ーー今作はキャスティングの豪華さもポイントですよね。
高野:まず、歌姫のウタは声に特徴がある人が良いよね、という話になり、尾田さんと相談してAdoさんにお声かけしました。二つ返事でOKをいただきました
ーー楽曲制作陣のラインナップも負けじと豪華です。
高野:谷口監督がストーリーの骨子を作っていくなかで、尾田さんがウタの半生もまとめていきました。その結果、『こういうイメージの7曲を作ろう』と。
AdoさんはこれまでボカロPの楽曲を歌うことが多かったですが、メジャーシーンで活躍する方の歌も聴いてみたいと、今回のキャスティングとなりました。『ONE PIECE』を好きな方ばかりで、デモ音源を聴いただけで『素晴らしい!』となるくらい『ONE PIECE』を理解していて。そこに苦労はありませんでしたね