土方:おいそこのあんた、ちょっと止まれ
ゾロ:あ?
土方:あ??
土方&ゾロ:あァ????
土方:なんっかあんたの声、すっげー聞き覚えがあるような…
ゾロ:そりゃこっちのセリフだ。んで、用件は?
土方:用件っつーほどでもねえが、あんた、この辺じゃ見かけねぇ顔だよな。ここで何してる?
ゾロ:ジャンプ展に行く……途中だ
土方:ああ?ジャンプ展つったら…やってんの六本木だろ
ゾロ:知ってる
土方:知ってるなら、なんでこの辺ぶらついてたんだ
ゾロ:わかんねぇ、気づいたらここにいた
土方:ああ、迷子か
ゾロ:…………
土方:まぁいい。案内してやらんこともねぇ
ゾロ:すまねぇ、恩に着る。あんた、さっきから何舐めてんだ?
土方:マヨネーズだよ。知らねぇのか
ゾロ:ああ、マヨネーズか。…ん?マヨネーズぅ!?
土方:欲しいのか?一本やってもいいが
ゾロ:いらねェよ!!何本持ち歩いてんだアンタ!
土方:今日は3本だ。最低それぐらい必要だろ
ゾロ:不必要だろどう考えても今は!!…はぁ、それより酒が飲みてェな…
土方:やめとけ、また迷子になる…ン?って、もう居なくなってるうう!?
ゾロ:ん?…ここどこだ?…チッ、あのマヨネーズどこ行きやがった?
(前略)97年には尾田栄一郎『ONE PIECE』、島袋光年『世紀末リーダー伝たけし!』が始まるなど、このころ岸本先生と同世代の作家の手による人気作が集中して連載を開始している。
「尾田さんは同い年で、しまぶー(島袋)さんは1つ下。『キン肉マン』とか『DRAGON BALL』とか『北斗の拳』とかが載っている”おもしろいジャンプ”を読んで育った世代が『俺もやりたい!』と思って描き始めたんだと思います。そういう血気盛んな若者が集まっていた(笑)」
尾田先生とは、超人気作を手掛ける者同士、何かと比較されることが多かった。
「取材を受けたりすると『尾田さんはライバルですよね?』ってよく言われていましたね。でも僕が『そうです』と言って、向こうは全く意識してなかったら恥ずかしいじゃないですか(笑)。僕がナルトで尾田さんがサスケみたいに、僕のほうは、尾田さんをライバルだと思ってはいました」
もちろん、岸本先生だけがそう思っていたはずはない。2014年、『NARUTO』の連載が終了した際には、ジャンプの巻末で尾田先生が岸本先生に「タメで友でライバル。15年一緒に連載した心強さに感謝!!」とコメントを寄せ、2人の絆の強さを示した。
「やっぱり、嬉しかったです。『ONE PIECE』に追いつきたい、倒したいっていう勢いでやっていたから『NARUTO』はあそこまで行ったんだと思う。『ONE PIECE』がいなかったらここまで来ていないです、絶対。すごく……わかるんですよ。尾田さんの苦しみも、喜びもわかるし、ジャンプで1位を獲るということがどういうことなのかも、わかります。だから『NARUTO』の連載が終わって、尾田さんがまた1人で走っていくのを見ると……それはすごくつらいというか……大変なんだろうなということがわかっちゃうんです。たまにみんなで集まると、『連載終わると楽しいよ。朝外を見て、天気いいなと思ったら、パッと子供と散歩にも行けるんだよ』とかつい言っちゃうんですけど、それを聞いた尾田さんがズーンって落ち込んで(笑)。でも『もっと言ってくれ!』って言うんですよ。『その時が来るのを楽しみに走り続けるから』って。それを聞いた時に、やっぱりすごいな、よくこんな人と一緒に走ってたなって思いました。尾田さんも連載が終わったら、今度は一緒に人生を楽しむ、みたいなことができたらいいなと思います。まあ僕の理想としては、ジャンプにはずっと『ONE PIECE』が載っていてほしいんですけど(笑)」(後略)
(「JUMP Hero's Legendary Evolution!!」週刊少年ジャンプ2018年30号掲載より抜粋)