欧米諸国の中で最も日本文化を愛しており、漫画文化が成熟している
ヲタク大国フランス。毎年夏に開催されている日本のサブカルチャー、J-POPや伝統文化をテーマにしたイベント「Japan Expo(ジャパン・エキスポ)」には、20万人以上もの人が来場します。会場を見ればワンピースのコスプレイヤーがそこかしこに。ここ数年では長らくトップだった「NARUTO」を抜いてワンピースがコミックス売上げ1位になりました。フランスだけがどうしてここまでヲタク文化が成長したのか?フランスのヲタク史がよく分かる記事があったのでご紹介します。
フランス人は日本文化が大好き!? “「日本のゲームが海外に通用しない」なんてウソだ!”リポート【CEDEC 2013】
●フランスの子どもたちは日本のアニメや特撮で育った!
2013年8月21日~23日、パシフィコ横浜にて開催されている、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2013”。初日に開催されたセッション“「日本のゲームが海外に通用しない」なんてウソだ!~大人気の日本コンテンツの実態~※なんと日本語セッション!”のリポートをお届けする。(
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講演を行うのは、フロラン・ゴルジュ氏とアン・フェレロ氏。フロラン氏はフランスで日本のゲーム文化や研究し、書籍を編集しているライター。アン氏はフランスの、キッズやオタク向けテレビチャンネルNolife(ノライフ)で番組を制作しており、またフリーランスで翻訳も手がけているという。
セッションでは、フランスでどのように日本文化が広がっていったのかが、くわしく解説された。確かに、最近テレビなどで“日本のコンテンツはフランスで大人気”と紹介される機会も多い。「
それは事実だけれど、昔から人気があったわけではなく、90年代から飛躍的に人気が上昇した」とフロラン氏は歴史を語ってくれた。
そもそも、
90年代からいきなり日本ブームがわき起こったわけではなく、フランス人はもっと古くから日本文化に興味を示していたという。その古くは19世紀のジャポニズムにまでさかのぼり、日本の浮世絵を海外の画家たちが見て衝撃を受け、自分たちの美術作品に組み込んできた。だがその後、日本文化はあまり海外では注目されない時期が続いた。たとえば、フロラン氏の両親世代では、日本と言えばホンダ、トヨタ、ソニーというブランドまたは経済というイメージで、日本にはいい文化があることや、観光も楽しめると言うことはまったく知られていなかった。
この理由について、フロラン氏は「日本政府が戦後は経済に注力し、日本の美しさや文化を海外に向けてアピールしてこなかったからではないか?」と持論を語る。