――約100点の原画、主人公ルフィと仲間たちの等身大フィギュアなど、盛りだくさんですね。
「フィギュアは、原型師の方たちが『徹底的に原作通りに再現したい』とすごい意気込みだった。僕のキャラクターは体格が変わっているのが多いけど、立体でイメージしているので再現しようと思えばできる。原型を見せてもらい、いろんな角度から撮った写真でもチェックし、何度も修整をお願いして素晴らしいものが出来上がった」
「原画をたっぷり展示してしっかり見せる、というのがこの展覧会の出発点。僕が客なら『これをあの先生がペンを動かして描いたんだぁ』と作者の息づかいが感じられるところがうれしいんだけど、自分の原画はいっつも見ているものなので『これ、そんなに見たいかなぁ?』なんて……いや、見たいんですよね」
――原画が動く二つの大型シアターもあります。
「シアターは、自分の原画がそのまま動くというちょっと体験したことのない映像で、僕でも『おおっ!』と感動するくらいだから、涙もろい人はハンカチを用意してきてね」
――展示用に特大イラストを描きおろしたとか。
「机に載らないんで、テーブル出して中腰で描いてたら筋肉痛になった。ふだんしないような細かな色の塗り込みができて、楽しかったです」
■チョッパーは現代社会の誰のことか
「海へ出ろよ! お前の悩みなどいかに小せェことかよくわかる」
「本当に?」
1月末、柴島(くにじま)高校(大阪市東淀川区)であった2、3年合同の「世界の人権」の授業。やぶ医者のヒルルクと、ワンピースの主人公の一味でトナカイのチョッパーのやりとりが教室のスクリーンに映し出された。
生まれつき鼻が青いチョッパーはトナカイの仲間たちからいじめを受けていた。「ヒトヒトの実」という不思議な実を食べ「トナカイ人間」になるが、今度は人間から化け物扱いされ、銃撃される。その時、ヒルルクに助けられ、はぐれもの同士、心を通わすようになる。
「チョッパーはずっと孤独だったけど、ヒルルクという友達ができて、少しずつ自分を受け入れられるようになったんだ」。前川昭敏教諭(46)の話を生徒らは真剣な表情で聞いた。
前川教諭がワンピースを授業で初めて使ったのは2010年12月。ワンピースのアニメを長男と見ていた前川教諭は「生徒に差別や仲間の大切さを考えさせる教材になる」と感じた。それまで南アフリカのアパルトヘイトやアメリカの公民権運動を学んできた生徒らは「ワンピースにこんな見方が」と驚き、それぞれに思いをめぐらせた。
3年の重満(しげみつ)麻利さん(18)は「一度でも人からのけ者にされると、誰も信用できなくなり、恨むことしかできなくなる。でも、ヒルルクのような寄り添ってくれる人がいると、立ち直れるきっかけをつかめる」。3年の小坂幸知子さん(17)は「迫害を受けた人はその気持ちをずっと覚えている。その傷は他人には見えないし、分からないから難しい」。
チョッパーは現代社会の誰のことか――。前川教諭が生徒らに感想文を書かせると、「人種差別を受けた黒人」「路上生活を余儀なくされたホームレス」「障害者」「いじめを受けた人」などの記述がある中、「チョッパーは自分」と書いた男子生徒がいた。・・・(続く)。
(朝日新聞デジタル)
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人種差別についてはブログで同じこと何度も言ってる気がしますが、デンの言葉がとにかく印象的でした。
トム(※コンゴウフグの魚人)とデン(※オオカミウオの人魚)が兄弟なのに似ていないことに戸惑うフランキー・・・というシーンで、
デン 「ハハハ”人間”らしい考え方だ。地上に住む種族達は家族で姿が似ることが多いもんな。魚人は少し違うんだ。魚人は魚人の、人魚は人魚の古~い記憶を遺伝子に宿している。タコの人魚の親からサメの人魚が生まれたら、それはその親の古~~い先祖の誰かがサメの人魚だったという事さ」
(※魚人と人魚の間に生まれる子どもは魚人と人魚どちらかになる)
デン 「魚人島では誰がどんな子を産もうと何ら不思議じゃないんだよ。だから君ら人間が姿形の違う者達を区別したがる気持ちが本来・・・僕らには理解できないんだ」
奇形についても、ワンピ読者はかなり耐性がついてきたのではないでしょうか。これで黒ひげの体がどんな”異形”(伏線→ティーチの身体が「異形」)であっても大丈夫ですねw
『ONE PIECE』第63巻、人種差別のアナロジーで物語に深み
「ワンピース 海賊無双」は、週刊少年ジャンプ(集英社)で連載開始以来、幅広い世代から人気を得ている「ワンピース」をテーマに、バンダイナムコゲームスのゲーム制作ノウハウを注ぎ込み、コーエーテクモゲームスの開発チーム「ω-Force」が手がける「無双」シリーズのコラボレーション作品として制作が続けられてきた。「無双」シリーズの特長である簡単な操作で一騎当千のアクションを楽しめる爽快感はそのままに、主人公ルフィをはじめとした「ワンピース」の個性あふれるキャラクターたちが、海賊や海軍を相手に大暴れする。
発売直前となったヤマダ電機LABI1池袋モバイルドリーム館6F ソニー専門フロアでの体験会は、発売直前という事もありバンダイナムコゲームスの中島光司プロデューサーと株式会社コーエーテクモゲームスの鯉沼久史プロデューサーによるトークショーが実施され、多くの来場者が詰めかけた。
中島氏と鯉沼氏は「ワンピース 海賊無双」の企画スタート時を振り返り、「忘れもしない2月18日の飲み会で何かやりましょうと話してから2年半。アッという間でしたが、いまは早く遊んで欲しい気持ちです」と切り出した。1月28日からスタートした各地での体験会だが、この日が最後。発売を直前に控え、エースや白ひげなどで遊ぶことができる最新のROMがこの会場のためだけに用意された。
中島氏は「ワンピース 海賊無双」について「『ワンピース』のゲームだけど『無双』シリーズの気持ちよさを大切にしたかった」と制作にあたって「ワンピース」と「無双」シリーズの対等な関係の上でのコラボである点を強調。
一方で、鯉沼氏は制作に当たっての苦労話を披露。「ワンピース」と言えば国民的な作品としてファンも多く、また長く続く作品だけに、それぞれのファンの心にそれぞれの「ワンピース」があると言ってもいいだろう。ファンの心にはそれぞれ好きなシーンがあるだけに、収録して欲しいシーンやエピソードにもばらつきがある。
今回は数多くリリースされている「ワンピース」のゲームの中で、初めて原作をなぞった作品になっているのだが、当初、中島氏に「マリンフォードのあたりまで入れて欲しい」と言われた上で「あれもこれも入れて欲しい」といろいろ注文を受けたのだという。しかし聞いた瞬間に収録シーンのあまりの多さに、「全部じゃないか! 無理です!!」と即答したという。それでもある程度の要望を収録し「(みんなが)期待しているシーンを体験できる」ところまで頑張って様々な感動のエピソードを詰め込んだ。
さらにビジュアル面でも数々の苦労があったのだという。目指したところは「マンガでもなくアニメでもないゲームならではの表現」だという。原作者・尾田栄一郎氏の力強い表現を出す一方で、グラフィックスの濃淡や線などのこだわりの表現を実現するために新たにシェーダーを作り上げ、トゥーンシェーダーやセルシェーダーとはひと味違う独特のグラフィックス表現を作り上げた。このグラフィックスについては中島氏も「いろいろなゲームを見てきたが、正直ビックリした」と振り返った。
さらに「無双」シリーズのキモはアクション。「ワンピース」の各キャラクターの特徴的な動きを再現するのにまた一苦労だったのだという。特に難しかったのがルフィだとか。目や鼻や口などが動きの中でパーツの向きが少し違っただけで、ルフィに見えなくなってしまうのだという。そして腕が伸びたりといったリグ制御の部分などを、開発のスタート時から技術部門と頻繁に話し合うことで1つ1つ解決していった。両プロデューサーによれば、「『ワンピース 海賊無双』ならではの技術がたくさん入っている」のだという。
このほかにも、敵キャラクターが原作以上に多数出現するといった話に「『無双』シリーズの良さとして倒して気持ちいいと言うことから、かなり増やしました」とコメントするなど話題は尽きなかったが、時間の都合から最新のROMによるデモプレイ、そして急遽用意されたじゃんけん大会が行なわれた。
最後に鯉沼氏は「いよいよ発売となります。長く作ってきましたが、『ワンピース』を好きな人に向けて作ってきたので、手にとって遊んで欲しい」とアピール。中島氏は「想いの詰まった作品。僕たちはマンガでもできない、アニメでもできないゲームでしかできない作品にしたかった。ルフィになって『ワンピース』を体験できるのは『ワンピース 海賊無双』だけ」と熱く語り、イベントを締めくくった。
(GAME Watch)