この本を(立ち)読んだのは、徹夜明けの日曜日のお昼。しかも、3週間前・・・という「うろ覚え」にも程がある記憶ですが、
軽~く感想でもしたためておこうかと思います。
時間がなくて他の更新を優先していたらこんなことに(汗
■ ルフィの仲間力 『ONE PIECE』流、周りの人を味方に変える方法
出版社:アスコム
発売日:2011.9.20
著者は
関西大学社会学部教授の
安田雪さん。
人や組織とのつながり方を考察する「社会ネットワーク分析」が専門で、NHK「クローズアップ現代」(
2011年2月9日放送)ではワンピースを研究している社会学者と紹介されていました。
【TVレポート】 ワンピースの社会学!?
■ 安田雪
関西大学社会学部教授。1963年東京生まれ。京都在住。
国際基督教大学教養学部卒業。コロンビア大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。
東京大学大学院経済学研究科・ものづくり経営研究センターなどを経て現職。
放送ではワンピースのヒットの秘訣はルフィを取り囲む仲間達の”ゆるぎない絆”だと語っていた安田さん。本書はワンピースに描かれた知恵、主に
ルフィが周りの人間を味方にすることをお手本に、その方法を学び取り、現実の世界で応用しようというものです。
今まで読んだ”この手”の本の中では、読んでいて突っ込みどころは少なく、楽に読むことが出来ました。
しかし、だからと言って面白いというわけではなく、ワンピースから人生の教訓を学ぶという同様のコンセプトの
『高校球児が仲間のことで悩んだときは「ワンピース」を読みなさい』に比べると読み物として読めるだけ100倍マシというだけです。
原作のとあるシーンを持ち出してそのシチュエーションを説明し、
その状況でのキャラクターの言動を提示してから、
現実社会のシチュエーションに当てはめ、そこで
取るべき行動を漫画になぞらえる。
この手法・・・┐(-。ー;)┌ホントにもう、
飽き飽きですわ。
文章の半分は必然と原作の内容を活字で読むことになり、読むのがめんどくさいです。そして、後に持ってくる「こういう行動をとっている→現実ではこうする」という結論。はいはいw乙wって感じです・。・
「ワンピース」を持ち出さずに、説得力のある文章を書きなさいと。。
しかも、その上鬱陶しいのは、”この手”の本に共通して言えることで、「ONE PIECE」の読者を明らかにターゲットにしながら、建て前で「ONE PIECE」を読んだことのない読者への必要もない配慮があることです。その分、基本的な説明が多くページ数のかさ増しになっています。
「ONE PIECE」を読んだことがなく本書を買った方が、もし仮にいるなら言いたい。
まず、原作を読め。
そして、本書を読んで何かを感じた方に言いたい。
漫画を読んで、感じろ。
しかし、私も何も感じなかったわけではありません。
余談で書かれていた卒業式のエピソード。メリー号の別れのセリフ「もっとみんなを遠くまで運んであげたかった」になぞらえて、「
もっとみんなを伸ばしてあげたかった」と先生の立場で感じる話には、うるっときてしまいました。
最近(ここ10数年)は涙腺がガパガパということもありますが、しかし、うるっときたのは卒業式のエピソードに感動したのではなく、きっとメリー号のシーンが思い出されてしまったことが原因として大きいです。涙腺ガパガパになっているのもきっとワンピのせいですし、本読んでないで漫画を読むべし。間違いない。
例えば、本来存在しないはずの「ルフィの心理描写」を巧みに書き出した『ルフィは本当は計画的な人間だった!?』みたいな、原作と別物として楽しめそうな意外性の高い本は出ないのでしょうか。編集者が力不足過ぎです。
何度も読みたくなる面白味はありません。だから、本書の類は立ち読みで十分なのさ(゚∀゚ )
<おまけ特典>
本書には、本書を読んだ人だけへのプレゼントとして
著者のONE PIECE研究をまとめた著者作成のPDFファイル(おそらくPower pointで作成)が用意されています。配布ページのURLが本にとじ込められていまして、
立ち読みも読んだことに入りますよね?wってことでダウンロードしてみました。「
クローズアップ現代」でチラッと映っていた相関図のようなものが多数載っています。ページ数38。
この図は
登場キャラ166人の”つながり”を一纏めにしたものです。ご苦労なことです(笑)。
キャラの位置とキャラ同士の”つながり”(実線=仲間もしくは点線=敵)でその全体の社会を表現し、視覚的に理解するのがこの手法のようです(適当)。
社会ネットワーク分析ェ・・・。
『高校球児が仲間のことで悩んだときは「ワンピース」を読みなさい』 【俺の元監督がこんなにワンピ脳なわけがない】
『「ワンピース世代」の反乱、「ガンダム世代」の憂鬱』が○○すぎてヤバい!