規制のかかったアメリカ版『ONE PIECE』をアメリカ人に見てもらった
アメリカの特徴を表する言葉に、「自由の国アメリカ」というものがある。しかしそのイメージとは裏腹に、アメリカ国内には様々な規制・検閲があり、多くの人が不満を抱いている。そして日本とも関わりがある規制のなかで、有名なものがアニメに対する規制である。
アメリカでは子どもへの影響を考えて、アニメのなかで暴力シーンや性表現などを放送しないようにしている。その結果、アニメを日本からアメリカに輸出する場合、多くの修正を受けることになるのだ。
しかし修正を加える際、原作において重要なシーンまで大幅に変えられることが多々あり、一部の日本アニメファンたちはこの処置に対して憤怒している。それでは、「この規制に関する彼らの生の声を聞いてみよう」ということで今回、10月13~16日に開催された『ニューヨーク・コミック・コン』(New York Comic Con)で日本のアニメファンたちにインタジュー取材をしてきた。
彼らに原作の日本版『ONE PIECE』と修正されたアメリカ版『ONE PIECE』を見てもらったところ、全員がアメリカの規制のかかった『ONE PIECE』に不満をもらした。以下がその彼らの声である。
マイケルさん(男19歳、上の写真の男性)
「子供向けとはいえ、彼らはワンピースのいい部分をたくさん消し去っています。例えば、サンジのタバコをアメに変えていたり。確かに子どもにとって悪いものもありますが、やはり意味のない修正がありました。彼らはワンピースがワンピースたる大切な部分、そして日本の文化を消し去り、アメリカの文化をねじ込んでいます。やはり、日本版『ONE PIECE』の方が圧倒的にいいですね」
メアリーさん(女17歳)
「アメリカは全てのものを検閲する気なんでしょう。全然大丈夫なはずの『人に剣を向けるシーン』さえ編集していますし。規制している人たちは、子ども達には良くないと考えているのでしょう。でも日本で大丈夫なら、ここアメリカでも大丈夫なはずです」
アメリカ国民さえも不満を持つアメリカのアニメ規制。みなさんはこういったアニメに関する取締りについて賛成だろうか? 反対だろうか? ぜひこの機会に考えて頂きたい。
(ロケットニュース24)
元記事にリンクが貼られているため、おそらくこちら↓の比較動画を日本アニメファンのアメリカ人に見てもらったようです。
同様の比較動画
<放送コードによる改悪例>
・喫煙シーンの排除
→タバコの修正および削除、サンジのタバコがチュッパチャップスに変更ェ!?
・飲酒シーンの排除
→酒を水やジュースに変更
・武器の修正および削除
→人に剣や銃を向けるシーンで剣と銃の修正および削除、銃を水鉄砲に変更ェ・・・
・流血、暴力シーンの排除
→流血の修正削除、子どもを殴るシーンの修正、残虐シーンの排除・・・斬れてない!刺さってない!撃たれてない!
・刺青の削除
→エース、Mr.1他、被害者多数!?・・・※ナミはセーフ
・お色気シーンの排除
→胸の谷間削除、入浴シーンの修正(着衣)およびカット・・・ナミの”幸せパンチ”カット!(涙)
・お下品シーンの排除
→野郎のお尻もダメ!口を大きく開けるのも下品なのでダメ!
・アメリカンナイズ
→日本文化をアメリカ文化に改変・・・リカのおにぎりがクッキーに変更ェ・・・
わざわざ手間の掛かることを!
百歩譲って、酒
(※水は腐るので航海には酒を積むのがワンピの世界観的に常識)や煙草(
※「火のないところに煙は立たず」→スモーカーぇ・・・)の修正、お色気シーン等の修正はよしとして、
銃の修正と
流血の削除はストーリーの根幹をへし折る最悪な改変です。
動画がアラバスタ編のシーンが多かったのでアラバスタ編について語りますが、10万人の反乱軍が
水鉄砲もって立ち上がり、それに国王軍が
水鉄砲持って迎え撃つって、そのどこが国の危機なの?それどんなコント?
そもそも、ダンスパウダーによってあめが奪われ、渇いた国民が反乱を決起したのに、水はどこから調達したのさ?それ飲めよ!w
いや、ストーリー的に武器を用意したのはバロックワークスになるので、水鉄砲を用意したのはクロコダイルになります。能力の弱点である水を恐れていたクロコダイルが大量の水鉄砲を用意するとは、鰐はドMだったという新説が生まれてしまいますね。
全く馬鹿馬鹿しいです。
アラバスタ編のクロコダイル戦では、ロギア系スナスナの実の弱点をつく
流血が勝負の決め手になりました。しかし、そのシーンで愚かしいことに流血は削除されています。「汗」で勝ったというのですか?全く馬鹿げていますね。
そもそも子供に悪影響があるからといって規制を設けているとのことですが、それが
銃の所持を認めている国がやることでしょうか。
じゃあまず、戦争をやめようか!(#^ω^)ビキビキ
あとは、女性歌手にはコートを1枚着用するように法で規制すればいいさ。
規制による削除やカットを受けて、
伏線とストーリーの破綻は間違いないわけですが、子供なら分からないとでも製作側は思っているのでしょうかね。子供向けの教養アニメがやりたいなら、「ONE PIECE」を使うなよと。
しかも、最後の項目に挙げた「
アメリカンナイズ」については、検閲・規制は関係のなく、必要のない改変です。ただ改変したいだけのエゴなんじゃないかと思ってしまいます。アニメの内容を蔑ろにして、そんなに規制に準じて改変したいというのなら、そんなんじゃダメダメですね。
もっと徹底的にやらないと。
まず、麦わらの一味は海賊、つまり
犯罪者です。
犯罪者が主人公なんてもっての外、粛清しなければなりません。主人公はコビーに変更です。
少年が海軍に入り成長していく物語に改変し、改変「ONE PIECE」を国家事業のキャンペーンとして、海軍を憧れの職業にし、若者の入軍を促します。
バスターコールは核弾頭に変更だー!ヒャッハー!!!
北米版の現在の配給会社は
Funimationという会社です。
本当に馬鹿(Funny)げていますね。
ただし、巧く締めるためにFunimationを挙げましたが、サンジの煙草を飴にしてしまうようなアホな改変をしていたのは、この界隈では悪名高い
4kidsという会社が犯人です(※画像の右下に「4KIDS TV」のロゴがあるものは確実にそれ)。
こちら↓は元記事のインタビュー動画。
最後にインタビューを受けた男性はあまりのクレイジーさに悪寒が走っています(笑)
日本アニメのファンなのにインタビューを受けた人は皆、北米版アニメ「ONE PIECE」は初見のようですが、それもそのはず。こういう人たちはファンサブ(funsub)をYouTubeで見ているからです。
※ファンサブとは
日本のアニメ(音声そのまま)にファンが字幕をつけたもの。英語に出来ないものや日本文化特有の単語は無理に訳さずそのままアルファベット表記し、補足説明を添える。主題曲は歌詞を英訳すると同時に、日本語をそのままアルファベット表記にして添えるのが主流。その点、日本文化を無理矢理アメリカナイズする公式配給と異なる。海外の日本アニメファンは当然、改変がない原作に忠実なファンサブを好んで視聴しする。ファンサブの方が配給(違法アップロード)が早いという理由もある。中には、ファンサブで日本語を勉強し、本当に喋れるようになるファンも少なくない。マジで。ちなみに海外の日本アニメファンは日本文化を堪能できるアニメを好む傾向にある(例:池袋を舞台にした「デュラララ!!」、忍者の「ナルト」)。
ファンサブは「いいもの」と誤解されては困るので、一応断っておきますが、もちろんファイル共有ソフトや動画サイトにアップロードする時点で違法行為です。ファンサブ活動は日本のアニメーション会社の苦しい経営状況に更なる追い討ちを与えている原因の一つであり、作画の安定を求める日本のアニメファンにとっては、忌み嫌うべきはずのものです。
追記)
今回引用記事で紹介された改悪はアメリカで放送された初期のもので、現在の配給はノーカット編集、翻訳もオリジナルに忠実な内容のものとなっています。
詳しくは以下のコメント欄を参照↓
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