民主化騒乱に揺れる「アラブ最貧国」
イエメンの首都サヌア。その一角で日本アニメのCDを販売する「
アラブ・アニメーションズ」が営業している。オサマ・ハティーブ店長(31)によると、「
ワンピース」など日本でも人気の作品約150タイトルをそろえる。売り上げは順調に伸びており、今年1月に支店をオープンしたほどだ。
日本のアニメや漫画は世界で高い評価を受ける。
中東でも、人口の過半数を占める20代以下の若者を中心に、熱心なファンが増えている。衛星テレビやインターネットの発達で裾野が広がった。
日本貿易振興機構のアニメ・ゲーム市場調査(10年9月)は、オイルマネーの集まるペルシャ湾岸諸国や人口8400万人のエジプトなどが「未来の有望市場」であることを示す。
文化背景の違う日本で生まれたアニメや漫画が、なぜ中東で受けるのか。ハティーブさんは「
ストーリーの面白さ、絵の質の高さが世界の人々を引き付ける」と解説する。サヌアでゲームショップを経営するザキ・シャムランさん(40)は「
日本のアニメが強調する友情や助け合いの大切さは、我々の価値観にも合う」と分析する。
先月、エジプトの首都カイロの日本大使館で人気作品「サマーウォーズ」の上映会があった。約100席の会場は9割がエジプト人で埋まった。大使館のアンケートに「日本アニメをどんどんやって」との意見が多く寄せられた。11月にも別の作品を上映予定だ。
カイロ郊外に住む薬剤師のヤスミーン・アブデルラヒムさん(24)も日本アニメの大ファン。取材場所の喫茶店で、バッグ二つに詰め込んだ漫画雑誌やキャラクター人形を披露してくれた。古本屋を回り、25エジプトポンド(約317円)の漫画本を見つけた時は「
うれしさで値切るのを忘れた」。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイには08年11月、英訳の日本漫画本も販売する紀伊国屋書店がオープン。山田拓也副店長(39)によると、日本漫画は仕入れ全体の1割未満だが、売り上げは当初の約2・5倍増。月2000点以上だ。
この店では欧米人の利用が主流だが、漫画コーナーに限れば、伝統衣装を身にまとった顧客がほぼ半数だという。
ただ、中東は日本や欧米に比べ保守的傾向が強く、当局の検閲もある。「暴力や裸体が含まれる青年向け作品や宗教色の強いものは要注意」(山田さん)のようだ。
(毎日新聞)
漫画は現在、輸入物の英訳版が流通しているようなので現地の販売価格は高めのはずです(少なくとも1,000円以上。たぶん)。ですから、317円で漫画本が買えて嬉しさで舞い上がってしまうんです。
中東の母国語であるアラビア語版で販売する出版社が現れれば、もっと人気に火が出るんじゃないでしょうか。
中東問題が裏テーマに色濃く出た魚人島編の
644話の感想が今後気になります・。・