ウィキペディアの他言語リンクを利用して、日本のコンテンツ普及度を調べたというアスキー総合研究所所長 遠藤諭さんのコラムのご紹介。
Wikipediaでわかる日本コンテンツの“クールジャパン度”
Wikipediaは、ご存じのように利用者によって作られるネット上の百科事典である。これの便利なところは、1つの単語や事柄に対して各言語のページが作られていて、その意味や捉えられかたについて、各国・各地域での違いが分かることだ。画面の袖にある「
他の言語」をクリックするだけなので、少なくともその言語のページを閲覧することはできる。
(中略)
このWikipediaの他言語版だが、
日本語や日本の事柄についての解説があるということは、その言語を使っている人たちに対して、説明に足る価値が生じているのだといえる。単純にある単語がその地域に広がっているか否かに関しては、検索数やリンク数、ウェブマーケティング的なツールのほうが調べられるだろう。だが、
Wikipediaに項目があるということは、語句が咀嚼されて、その言語の一部として同化していることを表している。そういう特別な意味が、Wikipedia各言語版にはあると思う。
<他言語展開コンテンツNo.1は『ドラゴンボール』と『
ONE PIECE』>
さて、こんな話を書いているのは、日本のコンテンツの海外への広がりについて調べていたからだ。いろいろなアプローチを試している中で、簡単なプログラムを書いて
Wikipedia日本語版の全項目について、他言語でのページ作成状況を集計してみたのだ。下の図は、分かりやすい例として『ドラゴンボール』などの日本のビッグタイトルや『初音ミク』、『萌え』などのコンテンツ関連語、いまどきの一般的のコンテンツの例としてTBS系のアニメ番組について拾い出したものである(オタク系が充実していますからね)。
※Wikipedia日本語版(2011年10月27日現在)で各コンテンツや関連語の他言語ページの作成状況。オレンジ色のセルが、当該言語のページがあることを示している。
横軸は、ここで選び出したすべての項目に関して、その言語版の多い順となっている。
英語、
中国語が圧倒的に強いことが一目瞭然で、次いで
スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語などの欧州のオタク先進国の言語が並ぶ。
オタクエリートだと思われる北欧勢では、フィンランドが1つ飛び出していることも分かる。
(中略)
Wikipediaで他言語ページが作られているということが、その言語を使う地域での市場性をダイレクトに表現しているのではない。
そのコンテンツが好きな人物がたった1人だったとしても、Wikipediaに自らの言語のページを作れてしまうからだ。英語のページだけは作られているというケースも少なくないので、その地域の英語力も影響するかもしれない。しかし、この他言語ページの有無こそが、日本コンテンツの何たるかを知る手がかりになるのではないかと思う。
(中略)
次回は、日本のアニメやマンガや映画など、Wikipediaにある日本コンテンツすべての他言語対応状況を見てみることにする。ちなみに、「
クールジャパン」という項目は、
英語とドイツ語の2つしか他言語ページが作られていない。
(
アスキー総研 所長コラム)
このコラムを読んでどうしても気になったことがあったのでウィキペディアで早速調べてみました。
それは「
NARUTO-ナルト-」です。
「他の言語」の項目を数えてみると、その数・・・
70言語 (どーん!)(11月10日現在)
今回取り上げた項目で1位だった「DB」と「ワンピ」は47言語なので、いかに圧倒的か分かります。
やっぱ
外人は忍者好きだな~w
次回の集計結果も楽しみですね。ちなみに「黒澤明」は89言語でした。