『ウィ―アー!』のアンサーソングとして制作された『ウィーゴー!』
フジテレビ系にて好評放送中のテレビアニメ『
ONE PIECE』が、新章となる、最後の海“新世界”編に突入。2011年11月16日には新世界編の新主題歌『ウィーゴー!』がリリースされる。作詞を藤林聖子、作曲を田中公平、編曲を根岸貴幸、そして歌をきただにひろしが歌うという、初代主題歌『ウィ―アー!』のメンバーが揃って制作された『ウィーゴー!』。そんな同曲を歌うきただにひろしにインタビューを敢行した。
――ファンとしては、「待ちに待った!」、「やっと来たか!」という気持ちです(笑)。
いや、僕もね。
12年待っていたんですよ、電話がかかってくるのを(笑)。
――(笑)。最初に曲を聴いた印象はいかがでしたか。
作曲は(田中)公平さんですし、作詞は藤林(聖子)さんですし、編曲は根岸(貴幸)さんですし。『ウィ―アー!』のチームが集まって、『ONE PIECE』に愛のあるスタッフが、『ONE PIECE』のために書いたアニソンなので、当然「
来たな!」という感じでしたね。
――すごくインパクトのある曲だと最初に聴いたときに感じたんですが、その半面、歌うのがたいへんそうな曲だな、とも思いました。
技術的な面で難しいですね。それは公平さんがブログでも書いてくださっているように、“きただにひろしのためにオーダーメイドで作った曲だ”ということなので、たぶん“いま”のきただにひろしじゃないと歌えない曲だと思います。『ウィ―アー!』を歌ったころのルーキーのときの僕では、まだちょっと力量不足だったと思うんですけど、そのあいだにアニソンを12年歌ってきているからこそ、“いま”だからこそという感じで与えられた最高の曲だと思いますね。
――それこそ、ルフィたち、麦わらの一味といっしょに成長してきたというか。
そうですね。すごくリンクしていると感じています。最初から『ウィ―アー!』のアンサーソングであることは決まっていたので、『ウィ―アー!』をリスペクトした構成になっています。1番が終わったあとにギターソロという展開もいっしょですし、音色なんかも『ウィ―アー!』を踏襲しているところがあるんですよ。ただ、そこに「ジレったい」、「止まれない」という歌詞だったり、リズムがちょっと速くなっていたりと、『ウィ―アー!』をリスペクトしつつ、もっともっとワクワクドキドキの航海や戦いを見せられるようなパワーアップした歌にしよう、という意志が込められているんです。今回
この曲のキャッチコピーである「
これが俺たちの応えだ!」という言葉とともに、曲を聴いてもらうのがイチバンわかりやすいと思いますね。
――技術的に難しい点というところで、やはりサビ前の歌詞から、サビの歌詞がつながっているという構成が挙げられと思います。
今回イチバンのポイントですよね。「どこ吹く風」の「ぜ~」から「たい(絶対)ワンピース!」までのところで勢いを増さなきゃいけないですし、サビが続くので弾んで歌わなければいけないので、息を残しておかなきゃいけないじゃないですか(笑)。収録のときには、この辺で息が切れちゃったりということもありましたね。
――聴いてみると、新章という感じがしますよね。「これからだ!」という気持ちにさせられる曲だな、と。
うん! イントロを聴いただけでね(笑)。
――イントロを聴くと、超ワクワクするんですよ(笑)。
そう!(笑)
イントロは大事だと思うんですよね。
ダタタ、ダタタ、タンタタラタタタラ……パーパパーパパーパラッパラー♪ってくると
「おおおお! キターーーー!」っていう感じじゃないですか(笑)。『ウィ―アー!』も、ドラムでドンドコドンドンドコドン、パパパパッパッパッパッパッパラパー♪で「キターーーー!」って(笑)。そのテンションで俺もバーンとステージに飛び込めますから、そういう意味でもワクワク感ってイチバン必要だと思うんですよね。いつも言うことなんですが、アニメソングというのはアニメと融合したときに、その足し算が計り知れないものになるんですよ。映像を観たらその曲が聴こえてくるだろうし、『ウィーゴー!』を聴いたらルフィたちの映像が見えてくる。そういうことがアニソンとして大事なことだと思うんです。
――この曲は、どのように聴いてもらいたいですか。
これからのゴールに向けてのルフィたちの航海であり、バトルであり、友情でありっていう、そのワクワクドキドキ感のスペクタクルな物語のBGMとしてという気持ちです。みんなの心にこれが残ってくれればと思いますね。
――先日は、大阪の新世界でイベントをされたそうですが、お客さんの反応はいかがでしたか?
すごくみんな盛り上がってくださいました。ただ、大阪は6週ほど遅れてしまっているので、まだアニメが新世界編になっていなかったんですよ。でも、DVD公式サイトなどで視聴できるんですよね。正直、リアルタイムで聴けたり観れたりするのでいっしょに歌ってくれたり、ノッてくれたりして。生の声を聴いてもらって、みんなから「さらに楽しみが増した」とか、記者の方も「すごく感動しました」と言ってくださいましたし、すごくうれしかったですね。
――ファンの方の声というのは、やはり聞こえてくるものですか。
けっこう気にしました。第2章の大事な折り返し地点の主題歌ということで、やはりプレッシャーじゃないですか。みんなに喜んでもらえるのがいちばんうれしいことなんですけれど、実際はどうなんだろう、と。アニソン歌手というのは、アニメのために書いた曲をアニメの世界観で歌うという、“伝え人”なので、みんなが納得してくれる歌が歌えたかな? ということは、気にしていますね。人の声というか、ファンの声、とくにアニメファンの声が気になります。そういうときにTwitterとかで反応を見たりすると、いろいろな話題が出てくるので、すごくうれしいですね。
――とくに『ONE PIECE』に関しては『ウィ―アー!』がいちばん好きな主題歌だという人がけっこう多いと思うんです。それを受けての『ウィーゴー!』なので、やはりプレッシャーが大きいのかな、と。
かなりのプレッシャーですね。たぶん、作家陣もかなりのプレッシャーだったと思いますよ(笑)。『ウィ―アー!』を超えなきゃという思いはあるんですけれど、
公平さんいわく、
これは“抜く”とか“どっちがいい曲”とかではなくて、アンサーソングということで、違うスタンスで見てほしいと。序曲としての『ウィ―アー!』からつながっている曲である、という捉えかたのほうがいいと思います。どっちがいい曲なのか、みんな順位をつけたがるじゃないですか、人間って。でも、そうじゃなくて、それぞれの曲を楽しんでいただきたいですね。
――最近では、海外でも歌う機会が多くなってきていると思いますが、この曲も海外に向けてどんどん発信されていくんでしょうか?
インターネットのおかげで、海外でも僕らのことを知っていてくれるというのは事実ですし。正直、『ウィーゴー!』だって向こうには音源はないんですけれども、みんな日本語で覚えてくれると思いますね。でも、インターネットがあるからこそ、あっちでも認知されるし、盛り上がってくれるという部分は本当に大きいと思います。
――きただにさんは『ONE PIECE』は読まれているんですか?
僕はアニメ派なんです。声優さんたちの演技で、泣きの部分がさらに泣けるようになることってあるじゃないですか。たとえば、心に残るシーンなんていっぱいあるんですけれど、ナミを助けるシーンとかチョッパーの博士のシーンとか、アラバスタの仲間の印を掲げるシーンとか、声優さんの演技が加わることによって、さらにすごく感動できるというか。
尾田先生自身も「
いいなぁ、あんなに動いて、色もついて、声優さんたちが命を吹き込んでくれて、こんなのに勝てるわけないよ」って言うらしいんですよ(笑)。そうやって原作者である先生自身がそう言ってアニメを支持してくれることで、声優さんたちもほかのスタッフさんたちも、愛情を持って『ONE PIECE』にすごく力を注ぐので、スタッフ一同の愛情がすごく込められているんですよね。現場はすごく仲がいいですし。
――『ONE PIECE』ならではというか、作品世界にリンクした仲間との団結力という感じがしますね。
きただに “仲間”というのがすごくキーワードだと思いますね。“仲間の絆”というキーワードにも関わるんですが、今回同じスタッフ陣で新章のオープニングが作れて歌えたということが、すごく重要だと思うんです。僕がファンとして見たときに。『ONE PIECE』のいちファンとして、これはすごくよかったことだな、と。手前味噌ですけど(笑)。だから、歌を聴いてもらうとわかるんですけれど、すごく僕も気合が入っちゃって(笑)。気合が入っていたこともありますし、
曲自体が難しかったので、いままででいちばん練習したと思います。レコーディングも一発録りでいったるぜ、みたいな。それぐらいの勢いで練習しましたね。そういう気合がすごく感じられると思いますね。せっかく歌わせていただく機会をもらったので、みんなに喜んでもらいたいという想いで気持ちが高まっていましたね。
――最後にファンの皆さんにひと言メッセージをいただければ。
きただに 『ONE PIECE』が新章を迎えて、これから新たな展開を見せていきます。ルフィたちもパワーアップして、これからどんんどんすごい冒険をくり広げていくので、そういうときにこの『ウィ―アー!』を引き継いだ『ウィーゴー!』が、みんなの心のBGMになってくれればと思います。『ウィ―アー!』同様、『ウィーゴー!』もよろしくお願いします。
(ファミ通.com 画像:WEBザ テレビジョン)
「みんなの心に残るテーマ曲に」 12年ぶりに「ワンピース」主題歌を担当
フジテレビ系で放送中のテレビアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」の新主題歌「ウィーゴー!」が16日に発売される。10月2日から始まったアニメの新章「最後の海“新世界編”」に合わせ、初代主題歌「ウィーアー!」のアンサーソングとして、12年ぶりにスタッフが再集結し制作された。「ウィーアー!」でソロメジャーデビューを果たし、今回の「ウィーゴー!」でも歌を担当するきただにひろしさんは、「新章の新たなスタートを歌えることが意味があると思うし、同じスタッフでやるというのが『ワンピース』ファンからしてもすごく意味がある」と力を込める。きただにさんに、同曲の聴きどころや12年前と現在のちがい、アニメソング(アニソン)へかける思いなどを聞いた。
「
『ワンピース』のファンで、特にルフィが大好き!」と話すきただにさんは、アンサーソングの制作が決まった瞬間を「本当にうれしかった! アニソン歌手としてデビューしたのも『ウィーアー!』だったし、ずっと待ってましたよ」と振り返る。これほどの人気アニメの主題歌に2度も携わることにプレッシャーはなかったかと尋ねると、「プレッシャーは正直ありますよね。でもすごく気合が入っているのが聴いてもらえればわかると思います!」と自信を見せた。
「ウィーアー!」に比べ「ウィーゴー!」は“テクニック的にも音楽的にも難しい曲”に仕上がっており、「12年前のきただにひろしでは手こずると思う」と話すだけあって、今まで以上に練習を重ねてレコーディングに臨んだ。特にサビ前の「心配なんてどこ吹く風(ぜ)」からサビ部分「(ぜ)絶対ワンピース 一番乗り」にかけては“ぜ”をつなげて歌う歌い方をしており、「サビに向かうのでパワフルにいかないといけない。息が残ってないといけないので、その配分が難しかった」と苦労を明かした。
また、作曲を担当した
田中公平さんが「
12年たった今のきただにひろしのために作ったオーダーメードの曲」とブログに書いてくれたそうで、「僕のスキルが上がって、きただにがこれを歌うことによってこの曲が映えるという曲を作ってくれてうれしいし、自分の成長も感じられる」と笑顔を見せた。
今でこそ自身の成長を感じられているきただにさんだが、「右も左もわからず、アニソンのレコーディングもはじめてだった」という
12年前にある言葉をもらったと明かす。それは「
ドキドキわくわくしている子供たちを思い浮かべながら、笑顔で歌え!」だといい、実際に笑顔で歌うと「声も笑顔なんです。元気やパワーが出てくるし、気持ちって声に乗るんだと思った」と実感。「それからアニソンを歌うときには、びっくりするくらい笑顔で歌います」とアニソンへの取り組み方を明かした。
子供のころから数多くのアニメを見てきたきただにさんは、「レコードを持ってなかったのに、今でもアニソンの1番は歌詞を見ずに歌える」という。毎週見ているだけで知らず知らずに“すり込まれていく”アニソンは、「みんなに元気を与えたり、アニメを介して学校で習わない仲間を大事にしなきゃとかそういうことを教えてくれる」と分析する。
これまでいくつかのバンドやユニットを経験しているきただにさんだが、アニソンにこだわる理由については、「
アニソンの熱い部分は(きただにさんの性格とも重なり)
天職だと思っているんですけど、やっぱり人生で助けてもらったのがアニソンだったから」と話す。「
うまくいっていない時期に、アニソンでチャンスをいただいたので、恩返しの気持ちを持って今後もアニソン界を盛り上げていくために頑張っていきたい」と今後の目標を語り、最後に「みんなの心に残って、これからの(『ワンピース』の)物語をさらに面白くしてくれるような、みんなのテーマ曲になってもらえたらうれしいです。ぜひ歌ってください!」と笑顔で呼びかけた。
<プロフィール>
きただに・ひろし 1968年生まれ、山口県出身。1994年、3人組ユニット「Stagger(スタッガー)」でメジャーデビュー。いくつかのバンド、ユニットを経て、アニメソングの世界にはOVA「め組の大吾」のエンディング主題歌「Red Darkness」ではじめて足を踏み入れる。1999年、テレビアニメ「ONE PIECE」(フジテレビ系)のオープニング主題歌「ウィーアー!」で“アニソン歌手・きただにひろし”としての存在を確立し、08年には第22回ゴールドディスク大賞「アニメーション・アルバム・オブ・ザ・イヤー」に輝いた。その後も、「仮面ライダー龍騎」「妖怪人間ベム」など話題作の主題歌を担当するほか、歌手以外の分野でも活躍の場を広げる。02年、アニソンユニット「JAM Project(ジャム プロジェクト)」に加入。趣味は料理とお酒を飲むことで、座右の銘は「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」。
(毎日新聞デジタル)
「ウィーゴー!」のCDちゃんと買いましたよ。特典に釣られてw
ちなみに、
アニメ派という話題が出てきましたが、私は漫画派です。
一番の原因はテンポです。
漫画で泣けるけど、アニメで泣けなかったという経験が多いんですねー。
「ウィーゴー!」封入特典の3Dジャケットが超カッコいいぞ!
「ウィーゴー!」発売記念イベントでダニー熱唱 【レポートのレポート】