「ワンピース 海賊無双」は、週刊少年ジャンプ(集英社)で連載開始以来、幅広い世代から人気を得ている「ワンピース」をテーマに、バンダイナムコゲームスのゲーム制作ノウハウを注ぎ込み、コーエーテクモゲームスの開発チーム「ω-Force」が手がける「無双」シリーズのコラボレーション作品として制作が続けられてきた。「無双」シリーズの特長である簡単な操作で一騎当千のアクションを楽しめる爽快感はそのままに、主人公ルフィをはじめとした「ワンピース」の個性あふれるキャラクターたちが、海賊や海軍を相手に大暴れする。
発売直前となったヤマダ電機LABI1池袋モバイルドリーム館6F ソニー専門フロアでの体験会は、発売直前という事もありバンダイナムコゲームスの中島光司プロデューサーと株式会社コーエーテクモゲームスの鯉沼久史プロデューサーによるトークショーが実施され、多くの来場者が詰めかけた。
中島氏と鯉沼氏は「ワンピース 海賊無双」の企画スタート時を振り返り、「忘れもしない2月18日の飲み会で何かやりましょうと話してから2年半。アッという間でしたが、いまは早く遊んで欲しい気持ちです」と切り出した。1月28日からスタートした各地での体験会だが、この日が最後。発売を直前に控え、エースや白ひげなどで遊ぶことができる最新のROMがこの会場のためだけに用意された。
中島氏は「ワンピース 海賊無双」について「『ワンピース』のゲームだけど『無双』シリーズの気持ちよさを大切にしたかった」と制作にあたって「ワンピース」と「無双」シリーズの対等な関係の上でのコラボである点を強調。
一方で、鯉沼氏は制作に当たっての苦労話を披露。「ワンピース」と言えば国民的な作品としてファンも多く、また長く続く作品だけに、それぞれのファンの心にそれぞれの「ワンピース」があると言ってもいいだろう。ファンの心にはそれぞれ好きなシーンがあるだけに、収録して欲しいシーンやエピソードにもばらつきがある。
今回は数多くリリースされている「ワンピース」のゲームの中で、初めて原作をなぞった作品になっているのだが、当初、中島氏に「マリンフォードのあたりまで入れて欲しい」と言われた上で「あれもこれも入れて欲しい」といろいろ注文を受けたのだという。しかし聞いた瞬間に収録シーンのあまりの多さに、「全部じゃないか! 無理です!!」と即答したという。それでもある程度の要望を収録し「(みんなが)期待しているシーンを体験できる」ところまで頑張って様々な感動のエピソードを詰め込んだ。
さらにビジュアル面でも数々の苦労があったのだという。目指したところは「マンガでもなくアニメでもないゲームならではの表現」だという。原作者・尾田栄一郎氏の力強い表現を出す一方で、グラフィックスの濃淡や線などのこだわりの表現を実現するために新たにシェーダーを作り上げ、トゥーンシェーダーやセルシェーダーとはひと味違う独特のグラフィックス表現を作り上げた。このグラフィックスについては中島氏も「いろいろなゲームを見てきたが、正直ビックリした」と振り返った。
さらに「無双」シリーズのキモはアクション。「ワンピース」の各キャラクターの特徴的な動きを再現するのにまた一苦労だったのだという。特に難しかったのがルフィだとか。目や鼻や口などが動きの中でパーツの向きが少し違っただけで、ルフィに見えなくなってしまうのだという。そして腕が伸びたりといったリグ制御の部分などを、開発のスタート時から技術部門と頻繁に話し合うことで1つ1つ解決していった。両プロデューサーによれば、「『ワンピース 海賊無双』ならではの技術がたくさん入っている」のだという。
このほかにも、敵キャラクターが原作以上に多数出現するといった話に「『無双』シリーズの良さとして倒して気持ちいいと言うことから、かなり増やしました」とコメントするなど話題は尽きなかったが、時間の都合から最新のROMによるデモプレイ、そして急遽用意されたじゃんけん大会が行なわれた。
最後に鯉沼氏は「いよいよ発売となります。長く作ってきましたが、『ワンピース』を好きな人に向けて作ってきたので、手にとって遊んで欲しい」とアピール。中島氏は「想いの詰まった作品。僕たちはマンガでもできない、アニメでもできないゲームでしかできない作品にしたかった。ルフィになって『ワンピース』を体験できるのは『ワンピース 海賊無双』だけ」と熱く語り、イベントを締めくくった。
(GAME Watch)