北米版の週刊少年ジャンプ「Weekly SHONEN JUMP Alpha」（電子書籍 ※アメリカ及びカナダ在住者のみ購読可能）の3月19日号と3月26日号に栄ちゃんのインタビューが掲載されています。インタビューはジャンプフェスタ2012の際に行われたものらしいです。
この記事は、アメリカ育ちの日本人インタビュアーが英訳編集したものを私がテキトーに翻訳して再び日本語に戻しているので実際のニュアンスとずれているかもしれません。ただし、インタビューの内容自体は、今までのインタビューや対談の内容とほとんど被っているため、大きな誤訳はないと思います。

原文打つのは面倒くさい（ぁ




インタビュアー（I）：ONE PIECEにはたくさんのユニークな海賊が登場します。いつどのようにして海賊漫画を描くことを思いついたのですか？

尾田（O）：小さな頃からずっと海賊が好きだったから。子供の時、『小さなバイキングビッケ』というアニメが本当に好きだった。それはバイキングに憧れ、バイキングになることを夢見る小さな少年のお話。僕がONE PIECEを構想するにあたって海賊を調べていた時、バイキングが海賊の種類の1つだと理解した。僕はビッケみたいに、船員に友達がいることは素晴らしいと思ってる。最適なたとえじゃないかもしれないけど、ビッケの精神は僕の作品に生きている気がする。

I：もしONE PIECEの中でどの海賊団員（麦わらの一味を除く）にでもなれるとしたら、どの海賊団に入りますか？その理由は？

O：う〜ん。麦わら以外でなら・・・バギー海賊団がいいかな。あいつらはすごいのん気で、本当に楽しそう。部下が船長をからかったりもするからね。でも僕が強かったら、黒ひげ海賊団に入りたいな。


I：もしグランドラインを訪れる旅行者に何かアドバイスができるなら、どこをオススメしますか？その理由は？

O：もしグランドラインを旅行するなら、スカイピアは外せないね。そこは全てのものが”ふわふわ”してるから。飛行機に乗っているとき、窓の下に見える雲のイメージそのまま。スカイピアに行けば、大人でもはしゃいじゃうと思う。


I：ONE PIECEは途方もない筋書きだけでなく、心の底から感動できるエピソードでもよく知られています。編集部の中には職場で涙を流して泣く人もいます。そのように読者から強い感情を引き出す秘訣は何ですか？

O：実のところ、僕はすごく飽きやすい。もし僕の漫画が単にアクションもしくはギャグ、もしくはお涙頂戴に限ったジャンルだったら、読者よりも僕が先に飽きてしまう（笑）。だから、シリーズを描き続けるモチベーションを維持するために、シリーズのスタイルをちょくちょく変えている。本当の秘訣？漫画の筋や場面は疲れている時に考えることにしてる。新しいアイディアを思いつくのは、食事もせず寝ないで考えにずっと没頭しているときだけ。それが唯一の方法。だって、人間は限界に達したときに本当に新しいアイディアを思いつくものだから。だから原稿を上げた時はいつも、僕はへとへとだよ（笑）。


I：ONE PIECEは非常に成功した漫画で、日本で記録的な売り上げになっています。しかし、漫画の根底に根付くものは芯が太く、純粋で正直で・・・連載当初のままです。成功をつかむ秘訣は何ですか？

O：今日に至るまで、僕は成功しようとしてプレッシャーを感じたことは本当にない。僕はいつも、ただ一人の読者のために漫画を描くことに集中している。だって、大抵の場合、みんな一人で漫画を読むでしょ。そして、漫画を描くときは頭の中に一人の読者を思い浮かべる—15才の自分自身を。他の人がどう感じるのかは僕には分からない。だから、15才の自分に戻って判断する。自分に正直になることで、僕の漫画を読んでいる子供たちの気持ちになんとか近づこうとしている。


I：先生がブルックのストーリーを、ラブーンを初めて登場させたときから構想していたと考えると、読者にとっては驚くようなことです。ONE PIECEは厳密に言うと、どのくらい先まで構想されているのですか？そしてストーリーを構想するテクニックは何かありますか？

O：ONE PIECEはラストを頭の中に用意しているだけで、他には何もないよ。最後が分かっているから、それに向かってストーリーを組み立てているだけ。


I：ONE PIECEのカラーイラストは美しい着彩がされています。製作の工程を教えてください。また、作るのにどのくらい時間がかかりますか？

O：僕はたくさんのカラーイラストを描いてるけど、最近は実際に描く時間より何を描くか考えるのに時間が掛かっちゃってるね。ちゃんと考えがまとまった上で描き始めないと、描いてる途中で飽きちゃう（笑）。だから、本当に描きたいことを思いつくまでは、ただ考えるだけ。丸一日、考えて終わっちゃうこともある。何を描くか決めるのは連載開始時より今の方がずっと難しくなってきている気がする。


I：ONE PIECE × トリコのコラボ漫画「実食！悪魔の実！！」が現在、SJ Alpha購読者に配信されています。島袋先生(Shimabukuro Sensei)とこの漫画の製作についてお聞かせ下さい。



O：しまぶーとは彼が漫画家(mangaka)になった時から友人で、彼の最初の連載『世紀末リーダー伝たけし』を始めたときはちょうど僕がONE PIECEの連載を始めた頃だった。僕らはほぼ同い年で、同じ年に漫画家としてのキャリアをスタートしたこともあり、漫画論はたくさん交わした。週刊少年ジャンプで連載が始まったときはお互いに称え合ったものだよ。しまぶーは友人でありライバルだね。
僕がしまぶーと組んで読み切りを描くことを提案したのはジャンプ編集部なんだけど、すごい良い企画だと思った。だって良い組み合わせに見えるし、『トリコ』もONE PIECEも主人公が食いしん坊という特徴が面白いだろうと思った。もしルフィが『トリコ』の世界にいたら、絶対に”美食屋”になるはず。

【ONE PIECE】 実食！う○こ！！【トリコ】


I：ONE PIECEに影響を与えた映画やTV番組、音楽はありますか？

O：僕は漫画を描くとき、音楽をずっと聴いてる。邦楽・洋楽を問わず、ジャンルはいろいろ。ストーリーが新しい章に入ったときは、そのイメージに合ったプレイリストを作って、作業中ヘビーローテーションで聴いてるよ。


I：Weekly Shonen Jump Alphaのようなデジタル漫画がアメリカでスタートしました。デジタル漫画についてはどうお考えですか？

O：ONE PIECEは典型的な漫画に比べてコマの流れや見開きの使い方が独特だから、読者を楽しませることを意図したこれらの手法がデジタル化によって邪魔されない限りは別にいいかな。その他の点は、デジタルで読もうと本で読もうとも同じだと思うから、どちらが良いとか悪いとかっていうのはないね。

　※見開きページ


I：最後に、ONE PIECEをSJ Alphaを通じて楽しんでいるアメリカのファンにコメントをお願いします。

EO: When you are reading One Piece, you might come across weird scenes that only Japanese readers can understand. But please bear with me, because I am trying to create a world that can be enjoyed by people everywhere.

O：ONE PIECEを読むと、日本人にしか理解できない変な場面に出くわすと思う。でも、その辺はちょっと目を瞑ってほしい！どの国の人でも楽しむことができるようにしようとは努力しているところだから。


※4月2日号にはルフィを描く栄ちゃんの映像特典がつくそうな。



最後の回答は実際のニュアンスがどんな感じなのか全然自信がなかったので、原文もつけときました。
「people everywhere」と言っておいて、おそらく「ワノ国」は登場するんでしょうけどねｗ
無国籍なワンピの世界観の中に、はっきりと国籍が出た島が登場するのは初めてのことなので、海外ファンの反応といった意味でも楽しみな島ですね。


【北米版SBS】 ルフィの母親と原作者に忘れられてしまったキャラクター 【痛恨のミス】