中国江蘇省にワンピースのテーマパーク建設へ
中国江蘇省の中部、上海の北側に位置する大豊市で「第三回麋鹿(シフゾウ)生態観光祭」が開幕した16日、同市の港区では日本の人気アニメ「ワンピース」のテーマパークの建設が始まった。同プロジェクトには総額5億元(約60億円)が投資される計画。中国でも絶大な人気を誇るワンピースを中心にしたアニメの登場人物を同市のPR役として起用し、オリジナリティあふれたテーマパークを構築することで、子供を含むさらに多くの観光客を集客するのがねらい。中国国営の通信社「中国新聞社」(電子版)が報じた。
大豊市は海、湿地、森林の3大自然資源を有する、中国でも指折りの観光都市。一方、10年以上かけて建設された大豊港は対外に開放された「国家一類口岸(港)」であるため韓国や日本、ロシア、および欧米諸国への国際航路だけでなく、台湾への直行便も設置されるなど、江蘇省中部では唯一の国際的な海上交通ルートとなっている。
海洋観光の発展を促進しようと、大豊港は「ワンピース」のテーマパークの建設を決めた。敷地面積約133ヘクタール(東京ドーム約29個分)に建設される同パーク建設プロジェクトは総額5億元が投資され、日本のアニメの計画専門会社にパーク全体のイメージデザインを委託して、テーマレストランやアニメ研究センター、アパレル・書籍の外延産業など産業間化構想の構築を進める計画。
(人民網日本語版)
中国で『ワンピース』のテーマパークの建設が決定!? / 集英社「正規許諾しているものではございません」
『ONE PIECE(ワンピース)』は主人公ルフィと仲間たちが熱い冒険を繰り広げる人気漫画及びアニメだ。日本だけでなく世界中で愛されている。
中国でも大人気な同作品だが、なんとこの中国でワンピースのテーマパークが建設されると大々的に報じられ、中国共産党の機関誌人民日報Web版の日本語版でも紹介された。でも中国と言えばパクリ大国。本当に本物のワンピースなの? 発行元の集英社に聞いてみた。
現地報道によると、上海市の隣・江蘇省にそのテーマパークは建設されるそうだ。さる5月16日に盛大な着工式が行われ、一部報道によるとすでに建設が始まっているという。
中国のワンピース・パークの広さはなんと東京ドーム29個分! 建設費には5億元(約60億円)が投じられる。 園内には遊園地だけでなくレストランやアニメ・漫画研究センターなども併設されるそうだ。設計には日本のアニメ計画専門会社が携わっているという。また同作品のキャラクターを使っての観光PRも行いたいとしている。これは相当大掛かりなプロジェクトである。
これに対し中国のワンピースファンは「楽しみ!!」「絶対行く~!」「日本のUSJのワンピースエリアと同じにしてほしい!」などと早くも期待に胸を膨らませている。しかし、中国と言えばニセガンダムやニセディズニーランドなどパクらせたら右に出るものはいない。
さすがに手放しでは喜べない中国人もいるようで、
「う~ん……」
「また偽物かも」
「でもこれだけ大きな着工式だよ? まさかとは思うけど……」
「今回は日本の会社が入っているというし……でもなぁ」
などと不安も隠しきれないようだ。
この件に関して集英社に問い合わせたところ「報道されている内容については、正規許諾をしているものではございません」とのことだった。え? じゃあやっぱりパクリなの?
ひとつ気になるのが、式典では『海賊王』と書かれている点だ。この名称は違法コピー版の翻訳タイトルとして知られている。同作品の著作権を侵害していない現地連載タイトルは『航海王』である。
著作権に関する指摘があれば、パーク運営者はあの麦わら一味の『ワンピース』ではなく、ワンピースをイメージした海賊王を目指している人物の冒険活劇のテーマパークであるとするつもりなのかもしれない。だが、中国では『海賊王』=『ワンピース』の認識が一般的だ。彼らが『ワンピース』を意識していないとは言いがたい。
いずれにせよ、正規許諾されていない限りファンが期待する『ワンピース』であるとは言えない。彼らをガッカリさせるに違いないだろう。運営者らの動きに注目したい。
※着工式の様子
※「海賊王動漫主題公園(ワンピース・アニメ漫画テーマパーク)」と書いてある
(ロケットニュース24 画像:一起動漫)