アニメ映画『ONE PIECE FILM Z-ワンピースフィルム ゼット-』ついに公開! ルフィ役の田中真弓さんに本作の見どころや、アフレコ時のエピソードをお聞きしました!
2012年12月15日(土)より公開中の映画『
ONE PIECE FILM Z』。本作は大人気コミックス『ONE PIECE』の劇場版として12作目のタイトルとなる。
原作は尾田栄一郎さんによる『ONE PIECE』という、海賊たちの冒険を描いた少年漫画。1997年から「週刊少年ジャンプ」(集英社 刊)で連載が始まり、2012年現在では単行本シリーズが68巻まで発売。さらに累計発行部数は2億8000万部を突破しているという、まさに超大人気コミックスである。また海外に向けてもコミックスやアニメが展開しており、いまや世界中に多くのファンが存在している。
今作は劇場版シリーズ初となる「最後の海 新世界編」を舞台としたストーリー。“新世界”を航海している麦わらの一味のもとに、突如として現れた謎の男ゼット。海賊たちに強い憎しみを持つゼットと、それを迎え撃つ麦わらの一味。そしてそこに襲いかかる海軍という3つの勢力がぶつかり合う結末とは……!?
ついに公開を迎えた劇場版が、アニメイトTVでは主人公ルフィ役の
田中真弓さんに直撃インタビュー。声優としてルフィを通じて伝えたかったこと、またアフレコ現場の雰囲気などを詳しくお聞きした。
――『ONE PIECE FILM Z』に参加されて、印象的だったことなどありますか?
田中真弓さん(ルフィ役/以下、田中):私としては『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』のストーリーがすごく面白かったし、結果もよかった。だからこれ以上の作品は無理なんじゃないかなと心配していたんです。でも実際に映画に参加して台本を読んでみると、「
これまでとまったく違う角度から作品が作られているな」と感じました。
勧善懲悪というか、「これを倒して終わり」みたいなストーリーじゃないんですよ。ルフィだけじゃなくてゼットというキャラクターにしても、男の中にある信念のようなもの、それが善なのか悪なのか。そういったことを問いかけているように感じます。個人的な印象としては「あ、そうきたか。うまいなぁ」ですね。
――今作のスケール感はいかがでしたか?
田中:今回は素手で殴り合うシーンが結構長かったんですよ。演者として台本を見てわかってはいるんですけど、ルフィとゼットの「ぬおおお!」が何カットにも渡ってあったり。技名を連呼するよりは、ガチで泥だらけになって戦っているという感じです。そういうスケールの大きさは演じていて面白かったですね。
――これまでと同様、本作でもキャラクターごとに見せ場がありますよね! その中でも今回は特にルフィとゼットに大きくスポットが当たっていましたね。
田中:ルフィとゼットはもちろんなんですけど、青キジも存在感がありましたね。個人的には青キジにすごく興味が沸きました。
むしろこれは青キジのストーリーなんじゃないか? ってくらい気持ちは青キジにありました(笑)。
――収録時に印象的だったエピソードはありますか?
田中:
じつはアフレコ時、絵がかなり少なかったんです。
だからどこでどの台詞を言ったらいいか本当にわからなくて大変でした。
例えばすごい速さで戦っていても、「ゴムゴムのガトリング」と言うならシーンごとのカットナンバーを見て判断できるんです。
でも今回は技名を連呼するような戦いじゃないから、「そこは全部で何発殴って、何発やられて、蹴りがどうきて、ここで飛ばされて」っていうのをほぼすべてアドリブに近い状態で感じて、台詞を乗せないといけない。これがすごく難しかったですね。
やっぱり同じ台詞でも攻撃するときと受けるときでは全然違うので、それはわかった上で演じたいと思っていました。でも周りのみんな、とくに
山口勝平がサポートしてくれたおかげで乗り切れました。
勝平が「
たぶんいま5発。つぎ足蹴りくるよ」って教えてくれて、その通りにやってみたら「あ、勝平の言う通りだった!」って(笑)。
絵の説明にしても、ちょっとわかりにくいところとか「
たぶんあれ足ですよ」とか、静止画でも「
5発きますから、構わずこのカット内に5回殴られておけば大丈夫です」みたいに教えてくれて、すごく助かりました。だから勝平がいなかったら、この収録は本当に大変だったと思います。「
彼はどうしてあんなにアニメーターの気持ちがわかるの?」ってくらい(笑)。
――今回はそんな想像みたいなやりとりがあったんですね。
田中:いつもあるといえばあるんですけど、今回はいつもの比じゃなかったです。でも逆に絵があればできるか? っていうと、そうでもない。これだけ速く戦っていると目で追えなかったりするんですよ。だからどっちにしても難しかったと思いますね。
でも製作スタッフさんたちが歩み寄ってくれたおかげで助かったところもあります。
まだ絵が完成していない段階だったので、台詞がかみ合わなかったとき「こちらで絵を合わせます」って言ってくれて。それでも収録はすごく真剣で余裕がなかったです。
今回は中井和哉くんもカスタネットダンスをしてなかったと思います(笑)。
――カスタネットダンスというのは?
田中:スタジオに食事をする部屋があるんですけど、
収録が終盤になるとみんな暇になってきて、最後はラスボス役の人と私だけになるんです。
普段はお菓子を食べたり遊んだりしているんですけど、たまたまカスタネットがあったから股につけて踊ったという(笑)。たった1回しかやってないんですけど、なぜか話題になってずっと言われ続けてるんです。中井くんは毎回カスタネットダンスしてるって。でも今回はさすがにその余裕もなかったですね。
――ゲスト声優として俳優の香川照之さん、篠原涼子さんが出演されていますが、収録ではどうでしたか?
田中:残念ながら収録は別々だったんです。でも
篠原涼子さんは2回くらいスタジオまで見学にきてくださったので、そのときお話したりしました。篠原さんは顔つき、声といい、役にすごく合ってましたね。もうすでに絵が決まっていたの? と思うほどピッタリでした。
香川さんはアフレコ自体かなり慣れているみたいで、さすがって感じでしたね。
――テレビシリーズでも劇場版に関係するエピソードが放送されていますが、見ておくと劇場版を一層楽しめる部分はありますか?
田中:別にテレビシリーズを見てないと楽しめないってことはないです。『ONE PIECE』をあまり知らない人は、テレビシリーズを先に見たほうがいいのかなって気がしますけど、劇場版を見てからテレビシリーズを見れば「なるほどね」って理解が深まるだろうし。
あと『ワンピース エピソード オブ ルフィ ~ハンドアイランドの冒険~』が2012年12月15日にテレビでオンエアされたので、それも併せて見て頂けたらと。これは『ONE PIECE』をまったく知らない人にはとてもわかりやすく、ルフィという人物についてわかるのでオススメです。『ONE PIECE』に詳しい人にとってはおさらいの意味も含めて見てほしいですね。
――劇場版では直接関係なかったシャンクスとか、ルフィのエピソードがわかりますよね。
田中:そう。だからエピソード・オブ・ルフィでそこのところ見てもらえたら嬉しいです。あとは劇場版自体そんなに難しいストーリーではないです。海軍、NEO海軍、海賊という勢力のぶつかり合いですから。
――今作はアルマーニとのコラボがあって、いつもより衣装が豪華ですよね。田中さんはどう思われましたか?
田中:私たちとしてもすごく楽しみでした。作品上だとブルックが選んだっていう設定なんですよね(笑)。テレビシリーズだとおなじみの衣装ですけど、映画っていつものキャラクターが違う衣装で登場するので、そこはとても楽しみにしています。
今回はアルマーニさんということで、かなり衣装チェンジが多かったです。あと
ONE PIECE AWARDや初日舞台挨拶のとき、声優陣はアルマーニさんが作ってくれたコートを着ました。舞台挨拶の写真をみなさん是非ご覧ください。。
――田中さんがいちばん気にいった衣装はありましたか?
田中:自分で着てみたいと思ったのは、ウソップの衣装ですね。あのファンキーな感じが好きです。
――最後に今作の見どころと、メッセージをお願いします。
田中:男と男の信念、本気のケンカを男の子に見てほしいです。最後は技をくり出してっていうよりは、純粋な殴り合い。止めるときも気がすんだら止める、みたいな。ケンカするならこういうのがいいよねって思えるような作品です。
ケンカや言い合いにしてもそうですけど、いまどきの子供にしろ、大人も止めどきを見失っちゃうことがある感じがします。言いすぎたら謝ればいいし、もっといさぎよくあるべき。だから「やりたいようにやれ」、そして「もう気がすんだら止めればいい」というメッセージが若者に届けばいいと思っています。それが色んなしがらみでやりたいようにできなくても、それでもなお「やりたいようにやれ」と、そういうメッセージを子供たちには伝えたいですね。
(アニメイトTVニュース)
※イメージ図
勝平 「たぶんいま5発!次足蹴りくるよ!」
『FILM Z』は試写会直前まで、絵が全然入っていなくて
プロデューサーの柴田さんの顔も真っ白だったそうですからねw
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