バンダイ コレクターズ事業部 Figuarts ZERO ボア・ハンコック -Battle Ver.- のレビューです。
高さ16センチ
海賊女帝ボア・ハンコック。この赤いローブは恋煩いで寝込んでいた時(原作522話)に着ていたもの。ポージングは”
銃(ピストル)
キス”です。
前髪とおでこ、アイプリントのバランスが整っており良く似ています。――
アヒル口以外は。
キス口ということなのでしょうが、ハートの弾を出すポーズなら合ってますけど、このモーションでまだ唇を突き出しているのには違和感を感じてしまいます。アヒル口に見えない正面左上側から見た角度はかなりいい感じです。
髪の毛の造形は
前髪や生え際の再現度が高く、またクリア素材がベースになっているため、毛先に透明感があります。
頭部は表情パーツ差し替えのため前髪が着脱仕様。
前髪パーツと後ろ髪パーツの隙間からは表情パーツに塗られたモミアゲが見えるように工夫がされています。従来ならばただのパーツ間の隙間ですが、造形から明らかに意図して設計されており、なかなか芸が細かいです。これによって特徴的な前髪が立体的に再現できていると思います・。・
エフェクトパーツ
このパーツはどこに使うお・・・?
んん?!
そんな訳ねーだろ!ww
正しくは”
銃(ピストル)
キス”のエフェクトです。塗り分けがされていないため、
中央のハートの造形がぱっと見ではよく分かりません。ハートを赤く塗れば良かったと思うものの、そもそもハートの周りの効果が不要です。おかげで、指先に気を溜めているというか、ハンコックが「霊丸(レイガン)」を撃っているようにしか見えません。
・・・なので、飾る際はエフェクトはない方がいいかなと。
ローブはつや有りのパール塗装でシルク生地を表現(?)。タイトなフォルムは「ワンピース」らしく再現度は高いですが、細かいことを言うとフリル加工の造形が本来あるべき箇所まで伸びていないです。逆に、フリルスカートのようになっている裾の皺表現はやりすぎな感があります。塗装とのコンビネーションで見栄えは良いのは確かです。
つま先立ちのポージングを支える補助パーツ。このままでは自立は出来ないため、台座とダボ接着されています。
差し替え表情パーツと
差し替え右腕パーツ。
こちらの表情もアヒル口です。差し替えパーツは
投げキッスを表現しているとのこと。。
まぁ、要らない差し替えです・。・
どうせ付けるなら、ハートの弾を出しているポージングが良かったですね。
下着色は女帝らしく?高貴な薄紫色〆
原作の”
銃(ピストル)
キス”を撃ったシーン(518話)でも同じくローブを着ています。ただし、原作(原版)では白黒のためローブに違いは全くありませんが、アニメや原作デジタルカラー版では
522話のローブは赤色単色、”銃キス”を撃った
518話のローブは全身が白、フリルが紫となっています。したがって、”銃キス”のポージングがデフォルトのフィギュアですから、ローブのカラーリングは518話のものになりそうなものですが、そうなっていません。
というのも、このシーンのローブは湯浴み中にルフィが侵入したことで急遽着たもの(→バスローブ)なので、
下は穿いていません。だから518話のカラーリングになったに違いない!w
あと、塗り分けを省略したかったから(ぁ
台座
背景のエフェクトパーツ設置用のダボ穴スペースのために、台座はいつも以上にデカいです。
本体は”
銃キス”のポージングなのに、背景のエフェクトパーツはなぜか”
虜の矢(スレイブアロー)”。見栄えはいいです。
クリア素材の背景エフェクトは想像以上に
肉厚です。ハンコックのウエストより余裕で太いですねw
台座は流石にデカすぎるので、例のごとく
魂ステージに移植。台座は2分の1程度になりました。
本体は右足のダボを移植し、背景エフェクトに髪の毛を寄せて安定させています。実は背景エフェクトのダボは魂ステージのダボ穴に対して小さいためにハマりは緩いのですが、背景エフェクト自体が重く安定しています。
以上、ZEROハンコックBattle Ver.のレビューでした。
ハンコックはルフィ、チョッパーに並んで、ZEROシリーズでは商品化が多く、
頭部の造形はリリースごとに良くなっている気がします。アヒル口さえ何とかなっていれば、ZEROハンコックはもう完成形かもしれません。
一方、「Battle Ver.」の肝である
エフェクトパーツはあまり良い働きをしていません。”銃キス”のエフェクトは見た目が分かりづらく、背景エフェクトはポージングと合っていません。しかも、背景エフェクトのボリュームは本体に勝る程あるため、4千円弱となっている価格の大きな割合を占めているのではないかと疑ってしまいます。見栄えこそはいいものの、どうせポージングと合っていないのなら、”
メロメロ甘風(メロウ)”のエフェクトが描かれたクリアパネルみたいなものでも良かったでしょうと。そして、要らない差し替えパーツもなければ定価3千円は割れたかもしれません。
要するにコスパが悪く、”銃キス”のポージングの完成度を上げるためには、ハート形の赤いエフェクトパーツ一つあれば十分だったわけですが、「Battle Ver.=クリアパーツのエフェクト(?)」にこだわったためか、完成度が低くなっています。
―― フィギュア本体の出来は良いです。
”銃キス”のエフェクトは自作でこしらえましょうかね。