ニコニコ生放送 「『空想科学読本14』発売記念 名キャラ対決!どっちが強い!?ニコ生特番」 11月4日放送
空想科学読本シリーズ最新刊『空想科学読本14』のテーマは、作品の枠を越えて各々の作品で突出した能力を持つキャラクターたちが勝負したら、どっちが強いのか?というもの。実現困難な対戦をシュミレーションしています。
番組では同書の発売(10/18)を記念して、検証した対決のいくつかを著者の
柳田理科雄さん本人が発表。柳田さんの心地いい話し口と独特の弁舌は、いつもの真面目でバカバカしい文章で読むのとは一味違った面白さがありました。ここでは、本書制作にあたって実際にリクエストが多かったという
ゾロと『ルパン三世』の
五ェ門の剣豪対決をご紹介。
※左から
近藤ゆたか(空想科学読本シリーズの挿絵を担当)、
柳田理科雄、
相沢舞(声優)
柳田:ロロノア・ゾロはご存知、三刀流だと。左と右に一本ずつ、そして口にも一本の刀を持って戦うわけですよね。これで百人斬りを達成したり、さらに2年間の修行の後もっともっと強くなったり。あるいは遠くのものを斬るのに"煩悩鳳(ボンドほう)"とかですね、さまざまな剣技を持っている。欠点は"
道に迷いやすい"ことぐらいなんですね。
柳田:こちらは石川五ェ門。これはルパン三世の仲間でして、つまり彼も泥棒なんですね。この手に持っている斬鉄剣は"
何でも斬る"。刀の刀身よりも遥かに大きいものだって、シャンシャンキーンと斬ってしまう!そして「またつまらぬものを斬ってしまった」と言うわけですね。この人の弱点は、この斬鉄剣は"
こんにゃくだけはなぜか斬れない"ということなんですね。
柳田:さあ、この二人が戦ったら一体どうなるのか?相沢さんはどちらが強いと思います?
相沢:私、最近「ワンピース」に出演させて頂いてるんですけど、なんとですね、
ゾロが刀を抜くと視聴率が上がるらしいんですよ。スタッフさんのお話によると。全然関係ないですけどね、なので、ゾロに勝って欲しいなって思いますね(笑)。
柳田:ゆたかさんはどちらですか?
近藤:そうですねー、だから刀の本数で・・・3本と1本。結局だから、良い刀をひたすら愛するか、手数でどうにかするっていう勝負に?どっちなんですかね~。
柳田:では僕のシュミレーションをご紹介したいと思います。
柳田:まず、この二人についてですね、通常は硬くて大きくて斬れないものを両方とも斬ってるわけです。で、その時に発揮した腕力、斬るための力を計算してみました。
柳田:まず、ゾロはですね、「海列車」と言いまして海の上を走る列車の客車を真っ二つに斬ったわけです。これが普通のJRの在来線の電車と同じぐらいのスペックを持っていたと考えると、ゾロが発揮した力は
5万8千トン!ということになります。これに対して石川五ェ門は戦車を斬ったんですね。これが自衛隊の50トンの戦車だとしますと、出した力は
16万8千トン! ですから、5万8千トン対16万8千トンで
剣を振る力の強さは五ェ門が上ということになるわけですね。
柳田:これに対して両者とももう一つ凄いのは、速すぎて斬れないものを斬る!と。五ェ門の場合はですね、何人もの敵がピストルでガンガンガンガーンと撃ってきた時に、この斬鉄剣でキンキンキンキンキーンと弾き飛ばすという非常に有名なシーンがありますね。これはある回(
※以前の本)で測ってみますと、
五ェ門は1.1秒で8発の銃弾を叩き落していました。1秒間にだからカンカンカンカーンと弾を8回斬ってる。しかも、ピストルの弾というのは秒速400mぐらいで飛んできますから、それを間違いなくみんな叩き落したという技なんですね。
"鴉魔狩り"(330話)
柳田:これに対してゾロは大砲の弾を斬ったことがあります。それはまだフランキーが仲間になる前の話で、フランキーの手下達が大砲を撃ってきたんですね。同時に7発撃ってきました。その大砲の弾は決して速そうではなかったんですけども、時速100kmぐらいに見えたわけですが、それでも7発同時に斬ったわけですね。すると時速100kmで飛んでくるものをそれだけ一瞬で斬ったということは、
ゾロは0.18秒で刀を振るったということになります。さっきの五ェ門と同じように
1.1秒に置き換えると、42発の弾丸を斬るようなスピード(
※刀1本あたりは14発?)ということですので、
スピードとしてはゾロの方が上と言えると思うんですね。
柳田:さぁ、するとこの二人がいざ戦ったらどうなるか?!というわけですが、まず剣を振る速度はゾロの方がたぶん上なんですね。するとそれを五ェ門が受け止めるわけですが、するとどうなるか!? 五ェ門の斬鉄剣は"
こんにゃく以外は何でも斬れる"わけですね。するとこういうことになると考えられる・・・!
相沢:お、なんか出てきた。
柳田:はい、相沢さんゾロの刀の役をやってください。
相沢:ゾロの刀の役をやる?(笑)
柳田:あ、逆でした。僕がゾロ(の刀)なんですね。こちらが五ェ門(の刀)ですね。
柳田:ゾロが刀を振り下ろす、すると
五ェ門が正確に(ゾロの刀の刃を刃で)受け止めると考える。そしたら、"
何でも斬れる斬鉄剣"であって、しかも五ェ門はルパンがこの体勢で握っていた(
※人差し指と親指の間に挟んでいた)コインをスパッと斬るという技を見せたことがあるんです。するとこのゾロの刀をきれいに受け止める可能性があるわけです。するとどうなるか!シュパーン!(
※ゾロの刀を振り下ろす)
相沢:おおーー!
柳田:にゅーん!(
※斬鉄剣に受け止められたゾロの刀が真っ二つに裂ける)
相沢:すごーい!w
柳田:ということで、こんな風に斬れてしまう可能性があるわけですね。
近藤:バナナの皮状態(笑)。
相沢:なんかチーズみたいですね。
柳田:実に残念ですね~。こうなったらもうゾロも「やったー!他の二つと合わせて四刀流だー」なんて言ってるわけにいかないわけですね。もう使い物になりませんから。残念ながら、この刀は捨てて二刀流で戦うしかないわけです。そこでまた同じ攻撃をしますと、また2つに斬られてしまう。片っ端から斬られていってとうとう最後に刀がなくなってしまう。
柳田:ゾロは何とか考えなければ、この勝負に勝てないわけです。そこで、ゾロは閃いた!「
そうだ!五ェ門の刀にはすごい弱点があるんだ!こんにゃくだけは斬れないのであった」。思い出すわけですね。そこで五ェ門に「
ちょっと待っててくれねェか?」と頼む。五ェ門は「
拙者は構わぬ」と答える。ゾロは「
よし!そうだ!こんにゃく屋さんに行って、刀をこんにゃくでコーティングしてもらおう」って行くわけです。
相沢:こんにゃく屋さんあるかな~?w
柳田:ところがゾロは自分の弱点に気がついていなかった!
相沢:あ!
柳田:・・・
道に迷って帰って来られなかった。
相沢:さようなら~
近藤:笑
柳田:すると一人残された石川五ェ門。「
遅い!いつまでも帰って来ない。これは拙者の勝ちという事でよいのか」。全然嬉しくない!ひゅるりーん!ということで、おそらくは
不戦勝で五ェ門の勝ちとなるのではないでしょうか。どうもありがとうございましたー。チャンカ、チャンカ、チャンカ、チャンカチャン!
ゾロなら仕方ないねw
五ェ門がゾロの刀に対して刃と刃を合わせるように受けると考えようとするのは、おそらく横で受けると斬られた刀身の先がゾロの剣速のまま飛んできて、五ェ門に刺さる可能性が高いからだと思われます。しかし、この方法だと、五ェ門はゾロの刀を一本しか受けることができないですし、回転を加えたゾロの技の場合、複雑な剣の動きにまっすぐ刃を合わせる事は難しく、実はそれほど五ェ門は有利じゃなかったりします。
ゾロには最初に紹介されている通り、遠距離攻撃の"煩悩鳳"があるため、五ェ門に果たして"
飛ぶ斬撃"が斬れるのかというところが実際に対決した時の勝負の分け目になるかもしれません。
『空想科学読本14』にはこの他、
青雉と『BLEACH』の
日番谷隊長の氷の能力者対決、
エースと『FAIRY TAIL』の
ナツの炎の能力者対決も掲載されています。エースの方のオチを言ってしまうと、どちらも炎攻撃ができ、炎に耐性を持っているわけですが、エースは"マグマグの実"の能力者・赤犬に倒されたのが決定的な証拠となり、エースはマグマより温度が高いナツの炎攻撃に敗れてしまうだろうという結論になっています。
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