今回は原作ネタと言っても小説版『
ワンピース ローグタウン編』(著:浜崎達也 2000年7月22日発売)のエピソード。ロジャーの死刑台を探して街中で迷子になったルフィが人相見の老人に声を掛けられる小説版オリジナルシーンより。
ルフィ:な、ジイさん。なんでさっき、オレの顔なんて見たんだよ?
ルフィは、先を行く老人に言った。
老人:わしは人相見だ。人の顔を見て、占うのが仕事だ
ルフィ:顔占い? へ~、そんなのがあるんだな・・・・・・当たるのか?
老人:当たるか当たらないかは問題ではない。ただ占いによって、ほんのちょっと客の人生を刺激してやる――それだけのことだ
ルフィ:ふ~ん・・・・・・で、オレの顔って、どんな顔?
ルフィは老人に尋ねた。
老人:
覇王の相
ルフィ:ん?
老人:
常に頂点を望み、頂点を目指す、その素質を有する帝王の相だ
ルフィ:へぇ、なんだかすげーな、オレの顔!
老人:だが、それは常に死と背中合わせの大凶相でもある
ルフィ:げっ?マジ?
ルフィは占いに素直に反応した。
老人:
滅多に見られる相ではない。以前に見たのは、二十二年前――
ルフィ:?
老人:
海賊王ゴールド・ロジャーが、お前と同じ相をしていた
ルフィ:ゴールド・ロジャーを、見たことがあるのかっ?
ルフィは、顔のことより、そっちに目を輝かせた。
老人:あたりまえだ。この町で海賊王の処刑が行われたのは二十二年前。お前は生まれてもいなかったろうが、わしは、この町に百年住んでいる。
ルフィ:ひゃ、百?おめェ百歳なのか! すっげーっ!
ルフィは驚いた。
老人:ゴールド・ロジャーの処刑の日・・・・・・わしも死刑台のある広場にいた
老人の言葉は、ゆっくりと過去に戻っていった。
この小説版が発売されたのは今から13年前、原作はドラム島編を連載中でまだ「
覇気」だとか「
覇王」なんて言葉がちっとも出てきていない頃。もちろんロジャーとルフィが覇王色の覇気持ちだなんて伏線はまだ描かれていない時です。
原作のローグタウン編はSBSで少し語られていますが、100話でキリよく”グランドライン”に突入したかったため、ストーリーを巻いてネームや構想の一部が端折られています。その一部にこのルフィと占い師の老人のやり取りが含まれていたかどうかは分かりませんが、著者名に栄ちゃんの名前が一応入っているので(※j-BOOKS版は挿絵に原作絵を使用しているため。後に発売される みらい文庫版では挿絵はアニメカットになっており、著者ではなく原作者になっている)、内容の確認は少なくともされているはずです。
ワンピースの小説版はアニメのノベライズという形式で定着していますが、この「ローグタウン編」だけはアニメに先行した原作のノベライズ化なので、ウソップがゴーグルを買うシーンのほか、もしかしたら
これも原作で描ききれなかった部分を補っているシーンなのではと予想できるのですが、真相はどうなんでしょう。
必然か、それとも偶然か。
そもそも、人相に「
覇王の相」ってあるんですかね?
「帝王の相」や手相で「覇王線」はあるみたいですけど、わざわざ帝王の相と言い直して説明してますし。無いのならば、やっぱり栄ちゃんが小説に付け加えた部分と考えられます。誰か~人相占いに詳しい方~~