NHK人形劇「新八犬伝」(1973年)の人形を手がけたことで知られる人形作家の
辻村寿三郎さん(80)とワンピースのコラボレーション作品がこの度公開になりました。初出しは先日のジャンプフェスタなのですが、その際は撮影禁止だったため、私も見るのは今回初めてです。
…なんか…すごい(小並感)
※小並感=小学生並みの感想
正直ルフィは「え?」って感じなのですが、ゾロとナミは艶っぽい生々しさが出ています。おそらく、髪の毛の表現がそう感じさせるのだと思います。人間味があるゾロとナミに対して、ルフィは赤鬼のイメージなんでしょうか。ジュサブローさんは当たり前のように気にせず造ったと思うのですが、ゾロは刀を差しているのが左右逆です。ゾロがおかしいので仕方ないのですがw
この着物を着たルフィとゾロとナミ、あと蛙のモチーフになっているのは浮世絵風の
526話の巻頭カラーイラストで、ジュサブロー人形にはこれ以外ないくらいの打って付けの題材だったかもしれません。
ちなみに、このイラストは明治の稀代の絵師・
河鍋暁斎のパロディになっています。暁斎は流派に拘らず、存在する様々な技法で多くの作品を残したことで知られているのですが、イラストの
ナミと
カエルは美人画の「
横たわる美人と猫」と「
美人観蛙戯図」を組み合わせたものです。
「横たわる美人と猫」
「美人観蛙戯図」
構図は「横たわる美人と猫」で、ナミが横たわる美人、猫が「美人観蛙戯図」の左下のカエルに入れ替わっているというわけです。
ルフィはこちらの『太平記』を題材にした「
大森彦七鬼女と争うの図」の大森彦七のポージングが使われています。鬼女を制している左腕はルフィの場合、ぐ~~んと伸びて龍を制しています。元絵の肌が赤みがかっているので、人形もルフィだけ赤くしたのでしょうか。なぜかルフィの人形が鬼っぽくなっているのは鬼女の影響?w
ゾロの元ネタは不明で、オリジナルか暁斎じゃない可能性が高いです。
背景の虎と龍の構図は水墨画の「
龍虎図屏風」が元ネタです。イラストでは虎は狩野派風、龍は浮世絵風にアレンジされており、結果的に虎だけ狩野派風になっているので、イラストの虎はなんか異物感がありますよね。
元ネタと合わせるとこんな感じ↓
1月4日発売の尾田栄一郎画集最新刊「
COLOR WALK 6 -GORILLA-」にはこの526話のイラストと
ジュサブローさんとの対談が収録されており、今回の人形作りの話がもしかしたら聞けるかもしれません。対談のきっかけは例によって栄ちゃんからのラブコールだと思いますが、画集の対談企画で画業ではない人は初のことで、やっぱり画集なので絵の話が聞きたいところ。もしかしたら、暁斎の話題が出るかもしれないので、その辺に期待したいです。
なお、このワンピース×ジュサブロー人形は明日1月1日から期間限定で「J-WORLD」に展示されるとのことです。
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