韓国で旭日旗風のデザインであればとにかく批判する風潮蔓延
韓国の旭日旗排斥運動がエスカレートしている。しかも韓国国内にとどまらず、世界中の「日の出」をあしらったデザインに対して文句をつけはじめているのだ。ジャーナリストの水間政憲氏が報告する。
<1年以下の懲役か300万ウォン(約29万円)以下の罰金>
韓国で「旭日旗禁止法案」の審議が大詰めを迎えている。昨年9月に与党セヌリ党の議員10人が提出したもので、旭日旗など「日本の帝国主義を象徴するもの」を韓国内で作ったり、「公衆交通手段・公衆が密集する場所や集会などで使用」したりした者に冒頭の罰則を科すという法案だ。
今国会で審議され、早ければ本誌が2月中、遅くとも春までには成立するとみられている。韓国では法案が成立する前から、少しでも旭日旗に似たデザインがあれば何でもかんでも批判が巻き起こる状況になってしまった。
最近、槍玉にあげられたのはサッカーW杯ブラジル大会で日本代表チームが着るユニフォームだ。アディダスジャパンが昨年11月にデザインを発表すると、韓国メディア・中央日報(2013年11月14日付)はこう報じた。
<議論になった旭日旗形態のデザインが入っている。日本サッカー協会(JFA)のエンブレムと日章旗が配置された左側の胸を中心に11本の線が広がっていくデザインは「戦犯旗」を連想させる>
同じ11月には、韓国のユニット歌手「Trouble Maker」が、“旭日旗をあしらったTシャツ”を着た写真をツイッターで公開したことで大炎上した。
しかしTシャツをよく見てみれば、イラストで描かれた女性が赤いバラを持ち、花の部分から放射線状に赤い線が描かれているだけだった。それでも所属事務所は、
「旭日旗論争は知っている。だが写真の中のシャツは旭日旗とは関係がない。よく見ればバラの花の形だ。注意深く気を遣うべきだったが誤解の素地を作った点は申し訳ないと思っている」
と謝罪に追い込まれた。
韓国でも人気が高い日本の歌手きゃりーぱみゅぱみゅが、2013年の元旦に初日の出をイメージしたコスプレ画像と旭日旗を持った画像をツイッターにアップして韓国人が大騒ぎしたことは日本でも報じられた。その後3月に予定されていた韓国でのコンサートは「プロモーターの都合」を理由に中止になった。
やはり韓国でもファンが多い漫画『ONE PIECE』では、登場人物が「旭日旗に似た旗」を持っているシーンが複数のコマで描かれているとして韓国のネット上で批判に晒された。
ネットで勝手に盛り上がっているだけならまだいい。より大きな問題は、「旭日旗狩り」が世界中に広がっており、日本の評判を貶めかねない事態に発展していることだ。
(SAPIO2014年3月号)
中国・韓国 朝日新聞積み重ねた記事材料に「反日路線」確立
竹島を譲るのも、拉致と慰安婦を同一視するのも、まるで「朝鮮日報」のコラムを読んでいるような気がしてくる。
もちろん、取材対象の立場に立つことはジャーナリズムに置いて重要なことは認めるが、これは明らかにそのレベルを逸脱した、韓国への偏愛としか思えない。近年では2012年8月、夕刊のコラム「素粒子」に書かれた内容が物議を呼んだ。
〈すきを突いた韓国の速攻。自陣のラインがたがたで防ぎ切れず。増税の日を狙ったかのように李大統領が竹島に。中国ともロシアとも韓国ともギクシャク。元より北朝鮮は話にならず。いよいよ米国頼みの単細胞になりそうな。あふれる韓流やKポップ。どこにでもある韓国食材。この落差は何? 在日の友とマッコリ飲みながら考えよう〉
この頃になると、ネットには「朝日新聞の素粒子がいくらなんでも酷いと話題に」というトピックが立てられ、批判が集まるようになった。
つまり、こうした記事を朝日が積み重ね、中韓がそれを材料に「反日路線」を確立したことが、日本国民のなかに徐々に「嫌中憎韓」の感情を植え付けていったのだ。
朝日新聞は、自らが焚きつけた火が燃え移った「嫌中憎韓」の炎を鎮火しようと躍起になっている。だが、それを「マッチポンプ」だと認めない限り、説得力はないだろう。一つこれだけはいえる。もし「嫌中憎韓」が売れるとすれば、それは朝日のおかげだと。
(週刊ポスト2014年3月7日号)
朝日記事は中韓国内の問題から目を逸らさせるために使われる
問題はそのあとの対応である。この記事は朝日の読者からの「本当に誤報だったのですか?」という質問に答えている。
〈今回問題となった個所については、当該教科書の「原稿本」が入手できなかったこと、関係者への確認取材の際に、相手が「侵略→進出」への書き換えがあったと証言したことなどから、表の一部に間違いを生じてしまいました〉
社会部長という現場の総責任者が、取材相手に責任転嫁している。こんな言い訳が通用するわけがないだろう。こうしたごまかしを繰り返してきたのが、朝日なのだ。
かつては中国の文化大革命を手放しで褒めていたのに、虐殺と飢餓で何千万人という人々が犠牲になったことが分かってくると、毛沢東主義については何も言及しなくなった。過去の記事を訂正するのではなく、ただ言わなくなっただけだ。靖国参拝問題をことさらに煽り立て、中国に提供したのもそうだ。
韓国の朴正熙(パク・チョンヒ)政権、いまの朴槿惠(パク・クネ)大統領の父親の軍事政権時代には、北朝鮮については礼賛する一方、韓国には否定的だった。しかしこれも、拉致問題が明るみに出るや、手のひらを返したように朴正熙政権を評価し出した。
こうしたごまかしを繰り返した結果、慰安婦問題や南京問題のような捏造やデマが、中国や韓国に利用されるようになった。両国が抱える国内問題の矛盾から目を逸らすための反日に、朝日は使われているのだ。
自分たちの「正義」の誤りを認められない朝日は、「嫌中憎韓」を批判するより、自己を反省すべきではないか。
(週刊ポスト2014年3月7日号)