第761話「オペオペの実」

TOPICS
・ジンベエの海侠一人旅 Vol.10
・ここまでのドレスローザ編
・マリージョアの国宝
・オペオペの実の真価
・ローの能力詳細 究極版
・コラソン登場

ジンベエの海侠一人旅 Vol.10
「見てほしいのはこっちの記事！海獣大発生」
Vol.10（761話）

1　仲間達（魚人海賊団）の元へ向かう。
2　迷子の子海ネコに遭遇する。
3　子海ネコを海イヌのお巡りさんのところへ連れて行くが、子海ネコが泣いてばかりで困ってしまう。
4　実は子海ネコと同じ町に住んでいるという海イヌのお巡りさんに子海ネコと一緒について行く。
5　子海ネコと海イヌのお巡りさんが住んでいたはずの海底の町が跡形も無く消えていた。
6　なぜか お巡りさんの家だけ残っていた。
7　見上げると今まさに沈んでいる船があった。船体は傷だらけ。
8　転覆した船を助ける。
9　救助した人達に見せられた新聞で、ルフィとローの海賊同盟を知る。
10  港町で海獣たちが暴れる事件が発生していることを知る。事件には謎の遺跡が関与？

転覆しかけていた船員たちが助けてくれたジンベエに見せたがった新聞記事が「港町海獣暴動事件」ということですから、彼らの船の転覆にはこの事件が関連しているようです。すなわち、船体に見られた大きな爪あとのような傷（Vol.7, 758話）はまさしく海獣によるものだったと考えられます。しかも、何らかの理由で海獣たちが理性を失って暴れだしたとすれば、子海ネコが住む町が下にある海上で船が襲われていますから、船を襲ったのは消失した海ネコや海イヌたちの仕業である可能性が高いです（※海ネコと海イヌの前肢はヒレではない）。しかし、例えば、海獣たちを操ることができる者がいるとしても、町そのものが消失したことを説明できないため、やはり謎です。

また、新聞記事を見ると、この事件に謎の遺跡の関与が示唆されているようです。謎の遺跡に海獣たちが集結していたりするのでしょうか。ジンベエが謎の遺跡に向かう展開になるのかもしれません。


・ここまでのドレスローザ編
前話までの現状整理。

SOP作戦成功によりオモチャの呪いが解け、ドレスローザの真実が暴かれたドフラミンゴは、"イトイトの実"の能力でドレスローザ全体に巨大な"鳥カゴ"を作り、国中にいる者全員が賞金稼ぎになる”殺しのゲーム”を開始する。ドレスローザの地形はピーカの能力により大きく変えられた。

＜ゲーム終了の条件＞
・ドフラミンゴの首を取ること、あるいは12名の「受刑者」たち全ての首を取ること。

＜ルール＞
・「鳥カゴ」からは誰も逃げられない。外への通信も不能。
・プレイヤーはドレスローザにいる者全て。
・”寄生糸”で操られた人間が無差別に隣人を傷つけ続け、ゲームを終了しなければ全員死に絶える。
・討ち取った「受刑者」の星1つにつき1億ベリーの賞金が出る。

＜受刑者＞
★→レベッカ、ロビン、錦えもん、ヴィオラ、フランキー
★★→キュロス、ゾロ
★★★→サボ、ルフィ、ロー、リク
★★★★★→ウソップ

【ルフィ】【ロー】
所在：　新「王宮」最上階
目的：　ドフラミンゴの討伐
　仲間たちの数々の援護によりついに王宮最上階に到着。ドフラミンゴ、トレーボルと戦闘開始。ドフラミンゴは分身の〝影騎糸〟を出し、さらに〝寄生糸〟でベラミーを操って戦う。ローが麦わらの一味と海賊同盟を組んだ目的は、カイドウを倒すためではなく、遠回りにドフラミンゴを討つことだった。ローにとってドフラミンゴは13年前殺されたコラソンの仇。（～760話）

【キュロス】
所在：　4段目「ひまわり畑」
目的：　ドンキホーテファミリーとの因縁に決着をつける
　ルフィより一足早く4段目「ひまわり畑」に到着。ディアマンテに撃ち殺されそうになっていた娘のレベッカを救出する。ディアマンテと戦闘。（～758話）

【レベッカ】
所在：　4段目「ひまわり畑」
目的：　ルフィの援護
　ローの海楼石の手錠の鍵を届けるため、レオとカブの案内により”TAL（トンタッタエアライン）ジャンピングサービス”で宙を舞い、ルフィ達と合流を約束した”ひまわり畑”（新地「王宮」4段目）に一足先に到着。ルフィ達を待つ間、母スカーレットの仇であるディアマンテに殺されかけたところを駆けつけた父キュロスに助けられる。ローの手錠の鍵を届ける。（～758話）

【レオ】【カブ】
所在：　4段目「ひまわり畑」
目的：　マンシェリー姫の救出
　ある能力者であるためにドフラミンゴに一人捕らえられているトンタッタ族のマンシェリー姫。”ひまわり畑”へ向かうレベッカに同行していたレオ達は、ヴィオラからマンシェリー姫の居場所（礼拝堂の裏にある小さな部屋）を聞き、救出に向かう。（～756話）

【バルトロメオ】【ロビン】【キャベンディッシュ】
所在：　3段目
目的：　ルフィの援護
　バルトロメオとロビンはローの海楼石の手錠の鍵を届けるため、レオとカブの案内により”TAL（トンタッタエアライン）ジャンピングサービス”で宙を舞い、ルフィ達と合流を約束した”ひまわり畑”（新地「王宮」4段目）を目指していたが、地上からのグラディウスの攻撃を受け、3段目に墜落。ルフィ達を4段目に向かわせるため、グラディウスを足止めする。ルフィ達と同行していたキャベンディッシュは愛馬のファルルをオモチャの兵に負傷させられた因縁にケリをつけるため3段目に残って戦う。シュガーが再び気絶したことにより、オモチャの兵がドンキホーテファミリー下っ端に戻った。（～759話）

【八宝水軍】【ハイルディン】【エリザベロー＆ダガマ】【オオロンブス】【イデオ】【スレイマン】【ブルー・ギリー】
所在：　2段目
目的：　ドフラミンゴの討伐
　ウソップあるいはルフィへの恩返しのため、初めはそれぞれがドフラミンゴを討つため王宮を目指したが、手を組み王宮を目指すルフィ達を援護する。スレイマンとギリーはデリンジャーに倒された。（～757話）

【ゾロ】
所在：　ピーカの石像の上
目的：　ドフラミンゴの討伐
　ピーカと剣士対決。ピーカの能力を見極めたゾロが圧倒。（～755話）

【サボ】NEW!
所在：　アカシア
目的：　ルフィの援護
　密かに革命軍に入隊し革命軍No.2の「参謀総長」にまでなっていたサボはルフィと入れ替わり、ルーシーとしてコロシアム決勝戦に出場。優勝賞品である”メラメラの実”の能力を手に入れる。革命軍の目的はドレスローザの武器「生産」の場所を探し出すこと。サボは一人、兄としてルフィを援護するため、海軍をくい止めるが、藤虎（イッショウ）が海軍の中で異質な思想を持っていることを知る。（～760話）

【コアラ】NEW!
所在：　アカシア
目的：　戦争を助長しているドレスローザからの武器の輸出を止めること
　革命軍のサボ、ハック、コアラはドレスローザに武器「生産」の場所を突き止めるために潜入。コアラは地下交易港で他国の貿易船が海賊船を装って武器貿易をしていることを発見する。その後、サボと合流。（～760話）

【藤虎（イッショウ）】NEW!
所在：　旧「王の台地」
目的：　麦わらの一味とローの逮捕
　イッショウはローと麦わらの一味の海賊同盟の真相、グリーンビットへ向かった目的を調べるため、ドレスローザに派遣される。同盟が真実だったため、ローの七武海の称号剥奪を決定し、ローと麦わらの一味を追う。ドフラミンゴが”鳥カゴ”のゲームを始めてもなお、ドフラミンゴではなく海賊同盟の追跡を続けるが、それにはドレスローザ国民の想いを酌んだ高度な判断があった。追跡は本気ではなく、麦わらの一味らがドフラミンゴを討ち取ることを期待している。また、〝王下七武海〟制度の完全撤廃を望んでいる。（～760話）

【ウソップ】NEW!
所在：　旧「王の台地」
目的：　ルフィの援護
　ドフラミンゴが国王のドレスローザには知られざる闇があった。ウソップとロビンはドレスローザの自由と元国王であるリク王の名誉を取り戻そうとしている小人のトンタッタ族と出会い、彼ら「リク王軍」と共に戦うことになる。作戦の第1目標であった、オモチャの能力者である”シュガー”を気絶させること（SOP作戦）になんとか成功し、ドレスローザの全てのオモチャが元の姿に戻った。〝鳥カゴ〟のゲームが始まり、王宮に着いたルフィとローにオモチャの能力者シュガーが近づいていることを知ったウソップは遠距離射撃によって再びシュガーを気絶させることに成功する。受刑者を捕らえようとして王の台地に集結したドレスローザの国民達に何をするべきか尋ねられたリク王はルフィ達がドフラミンゴを討ってくれることを期待して、少し待つことを提案する。（～760話）

【錦えもん】【カン十郎】NEW!
所在：　旧「王の台地」
目的：　－
　ドンキホーテファミリーに捕まっているカン十郎を探して、スクラップ場へつながる穴に飛び込み、スクラップ場にて無事に身を隠していたカン十郎を発見する。描いた絵を実体化するカン十郎の妖術（能力）により巨大なスズメを出現させ、スクラップ場から脱出し、旧「王の台地」にいるウソップと合流する。（～760話）

【トンタッタ族】
所在：　「SMILE工場」
目的：　スマイル工場で働くトンタッタ族の解放
　インヘルが率いるトンタッタ族は「SMILE工場」へ向かう。工場にはマンシェリー姫を含め500人のトンタッタ族が捕らえられている。工場天井のガラス越しにメッセージを描き、工場内にいるトンタッタ族に彼らがドンキホーテファミリーに騙されていること、中から工場の鍵を開けることを伝えることに成功し、工場に侵入する。一方、一人隔離されているはずのマンシェリー姫の姿は工場になかった（→王宮のある一室に幽閉されている）。（～757話）

【フランキー】
所在：　「SMILE工場」
目的：　スマイル工場の破壊
　意味も無く暴れ続け、ドンキホーテファミリーと海軍を地上に引き止めることでSOP作戦成功に一役買う。その後、”ラディカルビーム”で「SMILE工場」を破壊しようとした直前、セニョール・ピンクに阻止される。ピンクによると、ラディカルビームでも海楼石製の壁で頑強に守られた工場の壁は破壊できないらしい。トンタッタ族の活躍で工場内部に侵入することができたが、再びピンクと戦闘に。（～757話）

【サンジ】【ナミ】【チョッパー】【ブルック】【モモの助】【シーザー】
所在：　ドレスローザの沖
目的：　シーザーを連れて作戦の次の島「ゾウ」を目指す
　作戦変更。シーザーをグリーンビットで回収し、サニー号の"風来・バースト"でドフラミンゴとイッショウの強襲から脱する。ローの指示でルフィらをドレスローザに残し、先に次の作戦の島であり錦えもんらの目的地である「ゾウ」に向かっていたが、再び作戦変更。トンタッタ族と共に戦ってドンキホーテファミリーを討とうという電話会議でのフランキーの訴えに賛同し、ドレスローザに船を戻すが、ナミの提案でやはり「ゾウ」を目指すことになる。（～730話）

【タマゴ男爵】【ペコムズ】【ビッグマム海賊団】
所在：　ドレスローザの沖
目的：　シーザーの捕獲
　シーザーを狙い、巨大な海賊船でサニー号の前に現れ、砲撃を開始する。シーザーを狙う理由は”研究費”を騙し取られていたためらしい。（～730話）

＜その他のキーパーソン＞
【リッキー】
　鉄仮面、ドクロマントの老剣士。盾を持たない戦い方が特徴的。元剣闘士だが、コロシアムに彼を知る者はいない模様。正体はドレスローザの先代国王リク王。10年前、ドフラミンゴの計略により国を奪われる。

【キュロス】
　20年前まで活躍していたコロシアムの歴史上、最強の剣闘士。片足の兵隊の正体。10年前、オモチャにされた時、シュガーが契約を交わし忘れたため、オモチャ達の中で唯一自由に行動することができた。レベッカの父親。

【レベッカ】
　コリーダコロシアム専属の女剣闘士（”囚人剣闘士”）。国民に恨みを買ったドレスローザの元国王リク王の孫（”幻の王女”）。ドフラミンゴが新しい国王になった際、母親のスカーレットをドンキホーテファミリーに殺される。片足の兵隊の正体が実の父親だとは知らなかった。

【ヴァイオレット】
"ギロギロの実"の能力者。正体は元ドレスローザの王女ヴィオラ（レベッカの叔母）。10年前、リク王（父）を殺さないことを条件としてドンキホーテファミリーに入る。"千里眼"の能力を持つ彼女は昨夜からサニー号の接近に気づいていたはずだが、ファミリーには報告しなかった。一時はサンジを罠にかけたが、ファミリーを裏切りサンジに協力する。ヴァイオレットは能力で「リク王軍」の行動をずっと見ていた。

【コラソン】
　コラさん。元ドンキホーテファミリー最高幹部。ドフラミンゴの実の弟。ロー曰く「おれに命をくれた恩人」。13年前、ドフラミンゴに殺された。『"D"はまた･･･必ず嵐を呼ぶ』。0話（ロジャーの処刑）に登場している？

【ベラミー】
　”2年前”ドフラミンゴに見捨てられたベラミーは、かつてその存在を信じる者を笑っていた”空島”へ行き、海賊団の仲間を失ったが、スカイピアの黄金を持ち帰りそれをドフラミンゴに寄与することで再びドフラミンゴの部下になっていた。コリーダコロシアムで今回優勝すればドンキホーテファミリーの幹部になれることをドフラミンゴから約束されていたが、Bブロック予選で敗退。ベラミーに愛想を尽かしたドフラミンゴから指令を受けたデリンジャーに殺されかけるが、バルトロメオに助けられる。建前では殺されかけてもなおドフラミンゴへの忠誠を示すが、ルフィにも割と協力的である。


・マリージョアの国宝
前回、ドフラミンゴが「（天竜人）だった」（723話）という真相が明らかになって、なお謎のままだった、ドフラミンゴが天竜人直属のCP0を動かすことができた理由が今回明らかになりました。

ロー： マリージョアから堕ちた元天竜人のお前になぜまだ権力がある・・・!!
　　　 お前は今朝「CP0」を動かした!!

ドフラミンゴ： ―― フフフ そんな事…死ぬのに知りてェのか…？
　　　　　　　 おれが〝聖地マリージョア〟内部にある重大な「国宝」
　　　　　　　 の事を知っているからだ!!
　　　　　　　 それは存在自体が世界を揺るがす
　　　　　　　 あいつらにとって おれは最悪のカードを持った脱走者
　　　　　　　 殺そうにも死なねェおれに天竜人達は実に協力的になった…

マリージョアに隠された重大な秘密を握っているドフラミンゴは実質、恐喝して天竜人達を自分に協力的にさせているようです。すなわち、その秘密とは天竜人の弱みだと考えられます。ドフラミンゴはさらにこう続けます↓

ドフラミンゴ： ―― 更にお前の〝オペオペの実〟の能力が
　　　　　　　 あの日 おれの手中に入っていたら…
　　　　　　　 マリージョアの「国宝」を利用し おれは世界の実権さえも握れていた。

マリージョアの「国宝」というのは「世界を揺るがす」という表現から初め、唯一所在が不明である古代兵器「ウラヌス」（650話）が思い浮かんだのですが、〝存在自体〟が世界を揺るがすこと、天竜人の弱みだと考えられることから、違うような気がしてきます。古代兵器は使い方によっては世界を滅ぼしかねない強力な兵器であり、マリージョアにそれがあるのであれば誇示していてもいいはずです。また既に古代兵器を所持していたのであれば、CP9の目的はプルトンの設計図とそれを知る船大工の抹消だけでいいはずでした。

では、その弱みは何かといえば、やはり世界政府がひた隠しにしようとしている〝空白の百年〟に関わる重大な秘密である可能性が高いです。そんな都合の悪い物ならば破壊してしまえばいいはずですが、そうできないのは〝歴史の本文（ポーネグリフ）〟のように破壊できないほど頑丈な物なのではないでしょうか。そして、おそらく〝歴史の本文〟を遺した先人達と同じ勢力によって造られた物ではなかろうかと。

天竜人達がドフラミンゴに対して「協力的」であることに止まっているのは、ドフラミンゴがその秘密は知っていても証拠である「国宝」を持っていないからとも考えられます。「国宝」を手に入れた時、ドフラミンゴは今度こそ完全に天竜人達を脅すことができるというわけです。「世界を揺るがす」とは天竜人の権力の崩壊、そして世界政府の失墜を意味していそうです。

回想の一コマでは天竜人達が「ドフラミンゴを殺すのだえ!!!」「あの小僧を生かしておいてはならんえ!!」と言って、自ら(？)剣を取っている様子が描かれています。ファミリーネームではなくドフラミンゴと名前で呼んでいること、ドフラミンゴのことを小僧と言っていることから、この様子はドフラミンゴが10歳で父親を殺し、その首をマリージョアに持ち帰った後のことだと思われます。そして、この時にドフラミンゴはマリージョアの「国宝」の存在を知ったものと考えられます。

このドフラミンゴの台詞から分かる事はまだあります。

〝オペオペの実〟の能力があれば、マリージョアの「国宝」を手に入れることができるようです。それは「国宝」が〝オペオペの実〟の空間転移のような能力がなければ手に入れることができないほど、厳重に保管されているということでしょうか。単に鍵で開けられるような場所にあるのならば、〝マネマネの実〟や〝ドルドルの実〟などの他の能力でも良さそうなものです。したがって、保管というより封印なのかもしれません。示唆的な事はさらにもう一つありますが、それは次項で。


・オペオペの実の真価
ドフラミンゴ曰く〝オペオペの実〟は「古来よりの人類の夢さえも叶う〝究極の悪魔の実〟と呼ぶ者も少なくない」とのこと。

そう呼ばれる理由は人に〝永遠の命〟を与えることができるため。

それこそがオペオペの実の最上の技であり、能力者当人は命を失うとのことです。能力が飛躍して厨二設定みたいになっていますが、能力者当人が死ぬのは、能力を使う度に体力を消耗する設定の極みみたいなものでしょうか。また等価交換にもなっていないこの能力の乱用を避けるため、この技を使用できるのは才気ある者に限られています。

おそらく、ローはこの技を使うことができる能力者のはずですが、ロー本人はその技に興味はないと言っています。能力者当人は死んでしまうので当然といえば当然ですが。しかし、ローがコラソンについて「おれに命をくれた恩人」（749話）と語っていることと、今回明らかになった〝オペオペの実〟の「人に〝永遠の命〟を与える」能力は全く関連がないことなのかは引っかかるところです。幼きローは「もう長くは生きられねェ」（752話）とも言っていましたが、ローは今生きているわけですから。

752話

幼少期のローはなにやら余命が短いことを悟り自暴自棄になっているようです。ワンピースのキャラクターの幼少期が描かれる時は大体10歳前後（9～11歳）であることが多く、例に漏れずこの時ローが10歳だと仮定すると、16年前の回想ということになります。＜752話考察＞

今回、ローがドフラミンゴを初めて訪ねた時はやはり16年前であり、当時のローは寿命で3年2ヵ月後に死ぬはずであったことが明らかになっています。死んだ親が医者だったローは、10歳で既に医学の知識があり、医療データから自身の寿命を悟ったようです。医学に関心があるのはSBSの幼少期イラストで明らかになっていましたね。そして面白いのは、つまりローは13年前に死ぬはずだったということです。

13年前・・・そう、コラソンがドフラミンゴに殺されたという年です。死ぬはずだったローは今生きていて、13年前にコラソンは死んでいる。この因果関係に〝オペオペの実〟の能力は関係があるだろうかという話です。つまり、コラソンは〝オペオペの実〟の能力者で、ローに命を与えて死んだのか？と。

前回、トレーボルの「〝オペオペの実〟は元々おれ達が欲した能力なんだ」（760話）という発言からローが初めてドフラミンゴを訪ねて来た時、まだ能力者ではなかったと考察していましたが、今回はローがいつ、どういった経緯で実を食べたのかというヒントになりそうなことがドフラミンゴの台詞から読み取れます。

注目するのは前項の「お前の〝オペオペの実〟の能力が あの日 おれの手中に入っていたら」という台詞と「お前に食わせる気はなかった」という台詞。

手に入れていない〝オペオペの実〟について、ローに「食わせる気はなかった」と言っていることから、「あの日」にドフラミンゴは〝オペオペの実〟を手に入れるチャンスがありながら、それを（目の前で？）ローに食べられてしまったということではないでしょうか。台詞の「あの日」には傍点が付けられており、やはりコラソンがドフラミンゴに殺された13年前の事件（749話、759話）が頭をよぎります。759話ではドフラミンゴは13年前の事件のことを「絶望」と表現していましたが、念願の〝オペオペの実〟を目の前で奪われたのであれば絶望したのかもしれません。

コラソンが〝オペオペの実〟の能力者だったという上の仮説は悪魔の実の生成と伝達条件が不明なため、コラソンが命を落とした後にローが〝オペオペの実〟を手に入れる手順を説明することができず不十分ではあります。コラソンとロー、そしてドフラミンゴの関係を考察するにあたって次のポイントを押さえておく必要があります。というか、伏線のまとめです。

・ドフラミンゴはローの行為は逆恨みと表現している（725話）
・ドフラミンゴを討つことはコラソンの本懐（725話）
・コラソンと〝D〟の関係→「〝D〟はまた必ず嵐を呼ぶ」（591話、729話）
・コラソンはドフラミンゴの実の弟（749話）
・コラソンはローに命を与えた恩人（749話）
・ローが13年前に死なずに生きている理由
・ドフラミンゴがコラソンを殺した理由
・ドフラミンゴは13年前の事件を絶望と表現している（759話）
・ローが〝オペオペの実〟の能力者になった経緯
・ドフラミンゴは〝オペオペの実〟を求めていた
・ドフラミンゴは〝オペオペの実〟をローに食べさせる気はなかった
・ドフラミンゴはハートの最高幹部の席をローのために取ってある
・ローは3代目の〝コラソン〟になるはずだった（759話）

仮説を支持する場合、コラソンがドフラミンゴに殺されたというのはローの言い回しで、ドフラミンゴに殺されるのならローに命を与えたとも解釈はできそうです。そしてコラソンの本懐をローが引き継いだと。

ところで、「人に〝永遠の命〟を与える」という〝オペオペの実〟の能力ですが、これは伝説ではなく事実のようですから、実際に〝永遠の命〟を与えられた人物が一人以上いるわけです。このことから、ふと思ったのは、世界政府のトップである五老星は〝永遠の命〟を与えられた人物達ではないだろうかと。まさかね。


・ローの能力詳細 究極版

オペオペの実の 改造自在人間

能力概要：作り出す円状の空間（”ROOM”＝手術室）の中ではあらゆるものを自在に執刀し、改造手術（オペ）することができる。ただし、能力は使う程に体力を消耗する。

＜ROOM＞
能力者本人を中心に球状の特殊な空間を作り出す。能力（オペ）の対象物はこの空間の中にあるものに限定される。見えない地下の半球も効果範囲。最大直径は推定数キロメートル。能力発動前、左手元にドーナツ状の渦を作る。


＜基本能力＞
〝ROOM〟内では、刀の太刀筋（斬撃ではない）に入ったあらゆる物を切ることができる→〝切断（アンピュテート）〟。生物の場合、切られても切り口からは血は出ず、そのまま生きている。切り口は他の物にくっつけることができる。突きの太刀筋で、対象物を押し出すこともできる。切られた生物は”ROOM”の外でもくっ付けたり外したりすることができる性質が残っており、元通りに戻すとその性質を失う。なお、ぶった斬りの能力は覇気で対抗できるが、強力な覇気使いのヴェルゴでさえ斬られてしまった。 

＜シャンブルズ＞
〝ROOM〟内の物の位置を交換する。自身の交換も可能（→瞬間移動、変わり身の術）。対象物の大きさに制限はなく、視認しなくても交換可能。物体ではなく精神を入れ替えることもできる（「人格の移植手術」）。発動は左手の親指、人差し指、中指を立てたポージング。


＜タクト＞
〝ROOM〟内の物を持ち上げる。発動は右人差し指を立てたポージング。

＜スキャン＞
探知能力。〝ROOM〟内で刀をかざすと探索物が光る。

＜メス＞
斬る（切る）ことはできてもKILLことはできないかと思われたオペオペの実の唯一の殺傷能力？。手刀。〝メス〟で心臓をくり抜かれた者は一時的に気絶する。

＜ラジオナイフ＞
切り口に電気(?)を通わせることで通常の〝切断〟とは異なり、数分の間、いかなる処置でも接合することができない。ロギア系能力でも接合は不可。

＜？？？＞
オペオペの実の能力の最上の業。人に永遠の命を与えることができる（「不老手術」）。能力者当人は死ぬ。

・コラソン登場
16年前のローの回想にコラソンが初登場。

※「少年ジャンプ＋」で配信中の「週刊少年ジャンプ43号」には電子版特典として761話のデジタルフルカラー版が付いていました。

今回明らかになったドンキホーテファミリー最高幹部コラソンの特徴は

・重度のドジっ子
・昔ショックな事件があり口が利けない
・腕は立つ
・子供嫌い

ということ。昔のショックな事件とは母親が死んだこと、あるいはドフラミンゴに父親が殺されたことかと思われます。ローが大好きだったというコラソンは子供嫌いで、コラソンに対するローの第一印象は殺意（笑）。おそらく、多くの人が想像していた人物像とはかけ離れていたのではないでしょうか。

そして、容姿はドフラミンゴにあまり似ておらず、顔には派手なメイクが施されています。
0話
749話考察ではドフラミンゴの実の弟というコラソンと思われる特徴的なシルエットから、0話に描かれている24年前のドフラミンゴらしき人物は実はコラソンだったのではと考察していましたが、思い過ごしだったようです。というか、コラソンと思われたシルエット自体がドフラミンゴだったわけです。

749話

このコマにこのシルエットは紛らわしすぎるだろ！ｗ


とまぁ、過ぎたことはもういいのですが、0話に登場する人物がやはりドフラミンゴであると分かった上で改めて前回のエピソードを読むと、疑問が湧いてくるのです。というのも、ドフラミンゴは10歳で天竜人が牛耳る世界を全て破壊することを誓ったわけですが、どうしてロジャーの処刑に興味があったのだろうかと。レイリーの話（506話）から処刑広場には若き日の名だたる海賊達が集まっていたらしく、0話にはドフラミンゴの他に、モリア、ミホーク、シャンクス、バギー、そして海賊王になることが夢であるクロコダイルが描かれています。

モネは死を覚悟した前、ドフラミンゴに「さよなら若様 あなたこそが〝海賊王〟になる男」（694話）と言っていますが、ドフラミンゴはベラミーに「お前はずっと〝海賊〟になりたがってた――だがおれは違う」（753話）と言っており、やはり海賊に憧れているわけではなく、あくまでも世界を破壊することに執着しているようです。

そして興味深いのは、ワンピースが見つかった時、世界はひっくり返ると白ひげが発言していることです（576話）。もし、ドフラミンゴが海賊王を目指しているのであれば、目的はそこにあるのではないでしょうか。10歳の時にマリージョアの「国宝」の秘密を知り、〝ワンピース〟の存在に勘付いていたならば、海賊王ロジャーの処刑に来た理由はあったのかもしれません。