香港:最新監視システムで初の逮捕者
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA・桐畑敏春代表理事((株)ポニーキャニオン 代表取締役社長))に入った情報によると、香港の知的財産に関する捜査機関である香港税関は9月25日、サイバーロッカー(オンラインストレージ)を通じ、大量の著作物を権利者に無断でアップロードし送信できる状態にしていた香港・元朗(ユンロン/げんろう)区在住の無職男性(40歳)を逮捕しました。男性は、サイバーロッカー「bitshare」に「ONE PIECE―ワンピース―」(第659話)、「HERO」(第7話)など4作品を権利者に無断でアップロードし、交流サイト「HK Pub」でそのURLを紹介する方法で利用者に著作物をダウンロードさせることにより収益を得ていた疑いが持たれています。
今回の摘発では、香港税関が2013年初めに新設した電子犯罪調査センター(ECIC)と香港大学が共同で開発した監視システム「LMS1+」が初めて活用されました。「LMS1+」は、交流サイトにおける侵害行為を発見する自動監視システムで、キーワード検索のほか、疑わしいコンテンツを自動でダウンロードし、著作権侵害の疑いがある事例を香港税関に通報します。2014年初めに完成し、7月から導入され、今回初めての逮捕者に繋がりました。
逮捕された男性は、日本コンテンツを含む大量の漫画、映画、ドラマ等の作品をアップロードしており、逮捕されるまでの2カ月間で、1カ月あたり250~1,250米ドルを売り上げていたとみられ、香港税関が押収したコンピュータを解析するなど調べを進めています。
なお、今回の摘発に関しては、CODAが「IFACT」(MPA/モーション・ピクチャー・アソシエーションのアジア地区調査部門)を通じて、香港税関に日本コンテンツのオンライン侵害対策を要請していたものです。
これら一連のCODAの活動は、経済産業省委託事業の一環として行われました。
(CODAプレスリリース)