次は『BLEACH』が終了か? 無能な編集者に落胆する『ONE PIECE』作者の念
――2013年のデータによれば、コミックスの微増と電子版の好調でわずかながら回復の兆しもみせているマンガ市場。メガヒットで笑った人泣いた人、毎度おなじみ作品トラブル、あの超ヒット作の作者と編集部の不仲説まで、業界激震必至!?の噂の真相をぶちまけます!
世界中から惜しまれながら昨年末に連載が終了した『NARUTO-ナルト-』。その終了の背景には、『ONE PIECE』の現場から透けて見えた、編集部の実態があった。
2014年11月10日発売の「週刊少年ジャンプ」(14年50号)をもって、岸本斉史氏による人気連載『NARUTO』が最終回を迎えた。1999年からスタートし、同い年のマンガ家・尾田栄一郎の『ONE PIECE』と並ぶ人気を15年間もキープしてきた同作は、海外での売り上げも凄まじく、“『ドラゴンボール』の後継作品”として認知されてきた。
そんな『NARUTO』の終了には、読者から「打ち切りか!?」との臆測も飛び交ったが、実際は、その背景に「ジャンプ」編集者たちの“作家頼み体質”があったと関係者A氏が話す。
「『NARUTO』の連載終了は、決して突然のことではありませんでした。7年くらい前から、岸本さんはずっと『連載を辞めたい』と周囲に漏らしていたんです。『次のシリーズが終わったら……』という言葉を、何度も聞きましたからね(苦笑)。しかし、海外では『ONE PIECE』をも上回る人気を誇る同作を、『ジャンプ』がそう簡単に終了させはしない。岸本さんにしてみれば、『やっと念願かなった』という気持ちではないでしょうか。
集英社は、たとえば作家が悩んだ時に積極的にアイデアなどを出してくれる講談社の編集スタイルとは違って、ほぼ100%、作家さん任せの作品づくりです。よく言えば、作家の独創性を尊重してくれるってことなんですが、そのせいもあってか、一度当たったらズルズルと引き延ばされていくところがあるんですよね……」
そんな中、『NARUTO』終了が7年越しのこのタイミングで実現した理由とはなんだったのか?
「単純に、『ハイキュー!!』や『暗殺教室』など、次なる“金脈”が大きく成長してきたことが大きな要因でしょう。この調子でいけば、『NARUTO』同様、長年作者の久保帯人さんが連載終了を懇願している『BLEACH』の最終回も近いかもしれませんね」(同)
こうして世代交代が進む一方で、一向にその席を明け渡そうとしないのが、今や国民的作品となった『ONE PIECE』の尾田栄一郎氏だ。
「岸本さんクラスのベテランになれば、人気投票なんて気にしなくなるんです。固定のファンがしっかりついていますから、多少中だるみする回があってもコミックスの売り上げに影響はありません。しかし尾田さんだけは、あれほどの地位を築いてなお、毎号ランキングは気にするし、ネームが上がるたびに、アシスタントさんたちに『今回面白かった?』と聞くといいます。本当にマンガが大好きで、もっともっと面白くしたいっていう意識が高い人なんですよね。
だからこそなんですが、とにかく、尾田さんは編集者に厳しくて(苦笑)。以前、テレビのインタビューで『尾田さんにとって編集とは?』という質問をされ、『足手まといでしかない』というような発言をしたこともあったらしいんです。当然、その発言は集英社のチェックですべてカットされ、逆に編集者が活躍しているふうの編集になっていたそうですが……その後、『ほこ×たて』(フジテレビ)で歴代編集者が出演した『ONE PIECE』知識対決を観ながら、尾田さんが『この中で役に立った担当はひとりもいないけどね』とくさしてたらしいですよ(笑)」(別の関係者B氏)
尾田氏は時に、新しいアイデアや的確な修正指示を編集者に期待し、尋ねることもあるという。しかしその回答のほとんどは、「編集のくせにこの程度なのか……」と、彼の期待に沿うことはなかったそうだ。
一方で、『NARUTO』の最終回が掲載された号の『ONE PIECE』の扉絵には、尾田氏から岸本氏に向けられた、ねぎらいと熱い友情の念が込められていた。これまで共に戦ってきた同志を失った今、尾田氏は「ジャンプ」に何を思うのだろうか。
(サイゾー 絵:我喜屋位瑳務)