NHK 「探検バクモン」 5月13日放送
普段は入れない・見れない場所に
爆笑問題(太田光、田中裕二)のお二人が潜入し、ディープな裏側を探り出す教養エンターテイメント番組「探検バクモン」。「めくるめく“紙ワザ”の世界へ~少年・少女編~」 と題する今回は集英社に潜入。ジャンプ編集部やりぼん編集部の編集者の仕事が紹介されました。番組前半では
現ONE PIECE漫画担当の杉田卓さんが登場し、757話のネームと原稿が公開されました。
<757話ネーム>
田中: これってストーリー的にまだこれからのやつですよね?
杉田編集: そうですね、結構新しめのものになります。
太田: すごい!こうなるのか〜!気になってたんだよ〜
田中: ウソつけ!読んでないだろ連載w
<757話原稿>
ワンピースマニア的に一番の見所だったのは、一瞬だけ映った上の画像です(画質悪くてボケてますけど)。栄ちゃんは
原稿のワンピースタイトルロゴ部分にしばしば遊び心のある落書きをしているらしく、その一部は副本(『BLUE』『RED'』『DIVE TO GRAND WORLD』※後2冊は雑誌特別付録)やONE PIECE展で公開されていますが、普段読者はほぼ目にする機会がなくネーム並に貴重と言えます。そして、今回の757話原稿のタイトルにはどうやら「
夜明けMONO」と書かれているようです。「MONO」はほとんど読めませんが、「Tombw」のロゴが読めるのでトンボ鉛筆のMONO消しゴムだと分かります。
では、この「夜明けMONO」とは何か?
757話が掲載されたジャンプ2014年39号発売(8月25日発売)の約1ヶ月前、ジャンプ2014年34号(7月19日発売)で『
ヨアケモノ』(作:芝田優作)の連載がスタートしていました。作者の
芝田優作先生は『ONE PIECE』のヘルプアシスタント経験者で、リクエスト扉絵の原案者としても名前が載っており(
669話)、36号(8月4日発売)の目次コメントでは栄ちゃんが芝田先生にエールを送っています。
芝田君と石山君が最近助っ人に入ってくれないなーと思ったら連載中!!頑張れ!!<栄一郎>
※石山君は当時『三つ首コンドル』が連載中だった石山諒先生
というわけで「夜明けMONO」は『ヨアケモノ』を「MONO消しゴム」でモジったダジャレだと分かります。ダジャレ自体は面白くはないです(笑)。
ちなみに、この『ヨアケモノ』はその後、全16話の短期連載であえなく打ち切りとなっています。私は3話目ぐらいで見切りをつけてしまいました(ぁ。怒った表情がワンパターンで下手なのと戦闘ナレーションの寒い演出で最後まで感情移入が出来ませんでしたね。増刊号の読切版の方が面白かった気がします。
<ネームから原稿へ>
杉田編集: 例えばこの原稿だと、僕が打ち合わせで言って変わったことがありまして、このシーンなんですけど、イケメンなキャラ(キャベンディッシュ)がいるんですけど、こいつが敵に自分の愛馬を斬られちゃって、「一緒に上に行こう」って言われるんですけど、ここで自分の愛馬を斬られたから「僕はここに残って戦う」という風に決意を言うシーンなんですけど、愛馬を斬られた割に顔がそこまで怒っていなかったので、ここでもっとこのキャラクターって多分怒って欲しいと、ファン的にはもっと怒って敵に向かっていって欲しいと思いました。という風に言ったら、「確かにそこまで感情を入れていなかったから、原稿の時は感情を入れるね」と。そしたら、こういう風に「ギン!!」となって。
太田: だって、こういうところが売りだもんね、『ONE PIECE』の。感情がむき出しになって…当たり前だー!!!!!
杉田編集: ・・・笑
田中: ここしか知らないみたい、ここだけ知ってるみたいですw
※太田さんは多分ここで知りましたw →
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漫画家と編集者の打ち合わせの例に挙げられたキャベンディッシュのシーンは私は実際に読んでいて逆に感じましたね(いや、本当に)。そんなに険しい表情にならなくてもと。紳士たるもの、如何なる時でも冷静でいなくては。キャベンディッシュは自分の人気に限ってはタガが外れるというイメージです。些細なことですけど、こういった読者(私)との齟齬は担当編集の一言で作られることがあるのか〜としみじみと思ったわけです。キャラクターの感情に関しては栄ちゃんが一番理解しているところでしょう。
ちなみに、新人編集者の杉田編集は753話から担当している模様です。