■ 裏造形王頂上決戦
主催:バンプレスト
出場原型師:山口範友樹(第4代造形王)、サイトウヒール(初代造形王)
投票期間:2015年6月8日~6月15日
公式サイト:http://bfc.bpnavi.jp/urazoukeio/
【大会ルール】
一、題材は「サンジ」とする
一、原型のみで勝負を行う
一、ユーザー投票で勝敗をつける
一、勝者のみが彩色をゆるされ、商品化される
【裏造形王開幕の経緯】
第4回造形王頂上決戦、優勝者は山口 範友樹 氏(製作キャラクター:サボ)に決定となった。しかし、そこに同大会第1回優勝者であり、これまで全ての大会に出場してきたサイトウヒール氏は大会後1つの言葉を山口氏に投げかけるーー。
「パウリーやバギーといった決して大人気とは言えないキャラクターを選択し大会に出場する原型師がいる。個人的にはそういったキャラクターには50%増し、旬のキャラクターであるサボは50%減の減点と考えている」と。
山口氏は答える。「そんな事は投票してくれた人が決めた事。キャラクター人気と造形双方の評価が結果だ。終わってから文句を言うものではない」と。ここに本物の火種が発生したのである。
両氏はそこで睨み合うーーーー!果たしてどちらが正しいのか?互いに人間であるーー。譲れぬ想いがここにあり、そして衝突をしてしまった事実は厳然とある。
共に大会優勝経験者同士、奇しくも信念を違える者同士。「ならば改めて決めれば良かろう!」ここに「裏造形王頂上決戦」の開幕が宣言されたのである!!
終わって後に蟠りは残るやも知れぬーー。気は晴れぬやも知れぬーー。だが、決着はここに着けておこうではないか!!それを決めるのは当人同士ではない!投票者たる人々、民意である!!裁きは下される!有権者の支持の下に!論争の終わりは無いのかもしれない、だが、論議は続けるべきである!!なればこそ、常在戦場たる闘士達よ、存分に戦うが良い!!!!
【キャッチコピー】
「造形(モノ)で語れよ」
原型師コメント
KOZO:決めポーズ画像でわかるように、右ひざ、手、タバコ、ネクタイ、顔と、構図としては気持ちの良い位置に配置されており、シャツとジャケットの奥行き感やネクタイ、髪の毛の浮遊感で動作の中であるポーズを強調し、うまく表現されていました。
原型師コメント
VAROQ:全体のサラッとした爽やかな雰囲気を持ちつつ、モーションに入る瞬間を絶妙に捉えていると思いました。前後の動きを想像させてくれる服の皺、髪の流れもこだわって見えました。
原型師コメント
KOZO:このサンジは服のしわなど色々リアルに作っている為、サンジの顔設定資料から、目、鼻、口の基本バランスは変えずに、人体の顔骨格を踏襲しつつ体とのバランスをとり、全体的にリアルテイストなサンジに出来上がってると思いました。
原型師コメント
鈴木敏志:フィギュアの小さいボタンをここまで細かく造形するのは山口さんだけではないでしょうか?通常はあまり力を入れないジャケットの裏もきちんと表現されてるのも素晴らしいです。
原型師コメント
鈴木敏志:個人的には靴の裏のステッチもこのサンジの見所の1つだと思いました。
原型師コメント
山下マナブ:緻密に、描きこんで描きこんで構築されている感じ。本当にサンジが実際人間として存在していたらこんな感じといったリアリティがそこにはあります。
原型師コメント
山下マナブ:更によく見ると、表面の素材感の造り分けから分割面、隅々まで手が行き届いている事がよく分かり、商業原型としての見本的な造形となっている。
原型師コメント
中澤博之:相変わらずの高密な仕上がり、シャツやジャケットの重なり合う感じネクタイやチェーンが演出する浮遊感が面白いし、動く前という難しいポーズをこなしている。「山口サンジ」、「ヒールサンジ」、両者共に手の造形がもう一つ、漫画らしいケレンミあるアウトラインの表現を軸としてを見ると、山口サンジは手のインパクトが弱い。
原型師コメント
VAROQ:造形とポーズから勢いが凄く伝わってきました。サンジの特徴である足の見せ方も、 長さや角度など計算して造形されていると思いました。表情とポーズが合っていてまとまっている感じがします。
原型師コメント
鈴木敏志:ヒールさんのサンジはとにかくポーズが素晴らしいですね!サンジらしい長い脚とジャケットのバランスが感動します!サンジファンの喜びそうな物とは何か?という答えを見たような気がします!
原型師コメント
KOZO:迫力のあるポーズと勢いのある造形スタイルが、サイトウヒールさんらしい表現になっていると思いました。造形スタイルに関しては、異素材の境界線など(体と包帯や靴とソウルとの境界線など)に揺らぎやねんど感をのこしていたり、細部まで作り込まず、見ている側に作り手の勢いを感じさせ、素材感や戦いのダメージを想像させるような造形スタイルだと感じました。
原型師コメント
山下マナブ:印象を、無駄のないラインを素早くとらえたドローイング的な感じ。表面の粗さはありますが、その粗さが動きを表現するうえで効果的に働いていて、彼のイメージに近いモノを出力出来ているんだろうなという、気持ちよさがあります。
原型師コメント
山下マナブ:全体の構成としてどの方向から見てもカッコよく、迫力があってイイ!と感じました。
原型師コメント
KOZO:このような決めポーズの場合、手前にある足から顔までの距離が遠いため、顔の印象が弱くなってしまいがちですが、設定よりも目を大きく作ることで顔の印象を強くし、体の造形スタイルとあわせて死闘感が出ていると思いました。
原型師コメント
中澤博之:荒々しい仕上がりのヒールサンジは、瞬時にカッコいいと思える定番なポーズ、包帯まきでジャケットの肩羽織がアイデアを感じる。ヒールサンジの荒い仕上がりはいいとしても、その荒い中にも流暢さがないとただ作りかけな感じになってしまう。