・仲間の死体
ワンダが言っていた「仲間の死体」(
805話)の正体が明らかに。ワンダたちは
ブルックのことを親しみを込めて「
死体(男爵)」と呼んでいるそうな。……しょーもなw
だったら「ゆティアらの仲間の死体(ブルック)がそこに!!」(
805話)なんて言わずに「ゆティアらの仲間がそこに!!」で事足りたはずですが、骨に目がないという犬のミンクのワンダはブルックのことで頭がいっぱいだったと解釈すればいいのでしょうか。まぁ、そんなことは実はどうでもよく、このワンダの「仲間の死体」発言は
前回のナミの言動と合わせて、サンジの死を読者にミスリードさせるためのものだったわけです。
当のサンジの身に何が起きたかといえば、本話ではまだ明らかになっていません。会話の文脈を読むと、
どうやらサンジが手紙を残して何処かへ出て行った模様です。
ナミ: で どうすんのよ サンジ君の事!!!
ゾロ: …だから
手紙もあんだろ?何とかなるんじゃねェのか
ルフィ: んー
攫われたわけでもねェしなー…
ナミ: そういう雰囲気じゃなかったから深刻なのよ!!!
チョッパー: ごめんな!! おれ達どうする事もできなぐて!!!(涙)
サンジお得意の単独行動でしょうか。
ゾウに居ないとすれば、サニー号は残っていますから、
カイドウの部下(シープスヘッドか?ジャックではない→後述)の船に忍び込んだ可能性はあります。しかし、ナミが言う「そういう雰囲気じゃなかった」というのは、一味からの"離別"を匂わせているのでしょうか。キャロット「ショックを受けるだろうね」ワンダ「仕方がない!! 起きてしまった事だ」(
805話)という会話やサンジの名前が出た時の反応を見ると、ナミやチョッパーの他、ワンダらもこの出来事を深刻に考えているようです。が、ワンダらの反応は前回までのサンジの死をミスリードさせるためのフリの役割が大きいため、判断材料としては弱いかもしれません。
・ミンクシップ
ミンク族の生態がまた明らかになっています。
前回、キャロットがルフィを齧っていたのはウサギの本能の現れかと考えていましたが、これはミンク族が行う
ミンクシップ(毛深いのでスキンシップではなく)という友好の証しだそうです。麦わらの一味の歓迎の宴では、ミンクシップを鬱陶しがったゾロに対して、ミンク族達が「ジャレようぜ」「甘噛ませろー」「ペロペロさせろー」「ガルチューさせろ」と言っており、これらがミンクシップに当たるようです。"ガルチュー"は
806話の描写から、"頬ずり"しながら「ガルチュー」と言う挨拶みたいです。
806話
また、ミンク族は毛(ミンク)のある動物を食べず、食用の肉としているのはカバやトカゲ、ワニ、カエルなどの毛がない動物とのこと。象もカバ並みに毛が少ないですが、ミンク族にとっては神様みたいなものなので(巨大象を象主(ズニーシャ)と敬称)、食べないのでしょうか。
・モコモ公国の2人の王
モコモ公国には"昼の王"と"夜の王"という2人の王がいることが明らかに。夜の王は
前回名前が出てきた くじらの森の主「
ネコマムシの旦那」。昼の王「
イヌアラシ公爵」はジャックの襲撃以来、意識不明だったようですが、ようやく意識を回復したみたいです。
806話の回想で張り付けにされてジャックに斬られていたのがイヌアラシ公爵でしょうか。
806話
「イヌアラシ」という名前の由来はよく分かりませんが、"ネコ"に対しての"イヌ"なので、素直に犬のミンクかと思われます。
そして、モコモ公国に昼と夜の2人の王が存在する理由については、動物の
昼行性と
夜行性が関係しているのではないかと思われます。つまり、ミンク族はその生態から
昼行性のミンクと夜行性のミンクに分かれているのではないかと。ルフィがくじらの森の侠客団とトラブルを起こした時、ワンダが「
今が月夜でなかった事に感謝しろ」(
805話)と言っていたのは、くじらの森の連中は夜行性のミンクで、太陽が出ている間は本来の力が発揮できないという意味だったのかもしれません。彼らは包帯を巻いて怪我した様子でしたが、ジャックの襲撃は昼間だったために、最初の襲撃でモコモ公国は戦力の大半を削がれてしまい、対抗できなかった…みたいなことが予想されます。
・ジャックの能力
本話より、ぐるわら組サニー号とルフィらゴーイングルフィセンパイ号の航海とモコモ公国襲撃事件の時間軸が明らかになっています。
2ヶ月前 — ベポ達ハートの海賊団がゾウに上陸
17日前 — ジャックのモコモ公国襲撃
11日前 — 麦わらの一味がドレスローザ上陸/ぐるわら組サニー号がゾウを目指して出航
10日前(795話より) — ぐるわら組がゾウ上陸、ミンク族の危機を救う
9日前(796話より) — ルフィらゴーイングルフィセンパイ号がドレスローザ出航
同日?(801話より) — ジャックがドフラミンゴ護送船襲撃を目論む
今 — ルフィらがゾウに上陸
ナミ達がゾウに上陸した時より象主(ズニーシャ)がドレスローザから遠のいていたため、ルフィらのゾウ到着がずっと遅くなったみたいです。ワンダ曰く、サンジ達がゾウに上陸した10日前にはモコモ公国はほぼ全壊状態だったとのこと。この時間軸から明らかですが、その時ジャックはすでにゾウにはおらず、シープスヘッドらのような居残り部隊が侍を捜していたようです。なお、その侍というのが具体的に、錦えもんの同心"
雷ゾウ"であることが判明しています。
ジャックはどういう訳か"雷ゾウ"がゾウを目指しているという情報をつかみ、雷ゾウを差し出せと言って、差し出さないモコモ公国を滅ぼしたことになります。錦えもん、カン十郎、雷ゾウの3人のワノ国の武人(侍・忍者)とモモの助はゾウを目指して海に出ており、その情報をカイドウ側がつかんでいたならば、どうして"
雷ゾウ"だけが名指しなのでしょうか。考えてみれば、錦えもんらは海に出てあえなく遭難し、"雷ゾウ"以外の3人がドレスローザに漂着したこと(700話)はドンキホーテファミリーが確認しています。すなわち、ドフラミンゴが侍とモモの助を狙っていたのは、やはりカイドウ側の目的だったことが窺えます。そして、その情報がドフラミンゴからもたらされたために、
"雷ゾウ"が1人でゾウに向ったハズだとジャックは考えたのでしょう。そして今度はドフラミンゴが逮捕されたことを知り、ドフラミンゴ奪還のためにジャックは11〜10日前にドレスローザを目指して出航したと思われます。つまり、ぐるわら組とちょうど入れ違いではなかろうかと。
また、ジャック襲撃時のワンダの回想では、
ジャックらしき大きな象(ズニーシャよりはずっと小さいが)が描かれています。ジャックの船の船首(801話)と全壊したクラウ都に残された象のような足跡(
806話)から、
ジャックがゾウのゾオン系能力者である可能性が示唆されていましたが、どうやら間違いないようです。
その806話の考察について、ゾウゾウの実を食べたファンクフリードがいるというコメントがありましたが、カイドウはSMILEを買い付けてゾオン系能力者集団を組織しており、SMILEによるゾオン系能力については同種が存在する可能性は十分考えられます。純正の悪魔の実だとすれば、
ゾウゾウの実 古代種モデル・マンモスという可能性もあるでしょう。今回の描写からして、後者の可能性が高いです。
そして、ミンク族の食文化の時も言及しましたが、
ミンク族はゾウを神として崇めている可能性があり、ゾウに手出しをしてはいけないというような掟があったとすれば、それが原因で侠客団らはジャックに抵抗できなかったということも考えられます。ジャンバールを軽く投げ飛ばしたり、ギア無し覇気無しといえどルフィと互角に戦える彼らでも、ワンダ曰く「
為す術なく」、サンジ達が窮地を救えたというのが気になります。ミンク族の信仰心がモコモ公国を滅ぼしてしまったのでしょうか?