・ルーク
前回、ジンベエが示唆していた「
ある陰謀」の黒幕はやはり
ベッジであり、ボビン襲撃もファイアタンク海賊団(ヴィトら)の手によるものでした。
857話
ベッジは元々”西の海”の裏社会を牛耳る5組のマフィア「西の五大ファミリー」のボスの一人。ジンベエ曰く、ベッジは地位やナワバリに興味はなく抗争相手のボスの首を取ることだけを狙い、ボスが消えた組で起きる血まみれの覇権争いや裏で繋がる権力者達の狼狽を見て楽しんでいたとのこと。この頃についた呼び名が”ギャング”だと言います。丘に飽きて海へ出た後もやる事は同じで、ベッジは名のある海賊団の船長の首だけを取り、名を上げます。ビッグ・マムの傘下に入った後は警戒心と防衛力の高さを買われ、今回の茶会ではとうとう戦闘員「
城(ルーク)」の称号を得て、
護衛の全権を委ねられたのでした。これこそが、ベッジが始めから狙っていた好機。
ベッジの陰謀とはやはり
ビッグ・マムの首を取ることだったのです。
このベッジの陰謀を知るジンベエは、これからビッグ・マムの茶会と結婚式をぶっ壊してサンジの家族を救い出そうとするルフィ達の目的とベッジ側の利が一致すると考え、両者の協力を提案するのでした。
・東の入り江にて
魚人海賊団に介抱されている
ペコムズは、ジンベエがちゃんとベッジの陰謀をビッグ・マム海賊団に報告できたか心配な様子。これからファイアタンク海賊団と手を組むかもしれない状況で報告するはずはないわけで、魚人海賊団の者達はペコムズを落ち着かせようとしますが、その様子にペコムズは魚人海賊団の者達が何か隠していると勘付くのでした。
プラリネもジンベエの意向に協力しており、ペコムズと違って、実の母親であるビッグ・マムの暗殺計画を報告しようとする意志はないようです。
・ビッグマム暗殺計画
ルフィ達はファイアタンク海賊団のアジトに出向き、ビッグ・マム暗殺計画についてベッジと会談。
857話
上のコマの向って左に座っているのは変装している
シーザーです(笑)。
研究所に缶詰にされていたシーザーは、今度は監視の交代を口実に(シーザーの)心臓を手に入れたベッジの言いなりになってしまったようです。陰謀に協力する代わりに解放を約束されています。麦わらの一味と再び会うのが気まずいらしく、変装して自らを
”ギャングスター”ガスティーノと名乗り、シーザーとは別人だと言い張っています。が、あのアホのルフィにさえ正体を気づかれていますw
ビッグ・マム暗殺と言っても、ビッグ・マムはファイアタンク海賊団が所持する銃火器で討ち取れるようなタマではなさそうです。作戦においてベッジがシーザーを捕えた理由は、ビッグ・マムを確実に殺せる兵器を作らせるためでした。そこでシーザーが準備したのが猛毒ガス弾”
KXランチャー”(
※猛毒のVXガスが元ネタ。金正男氏の暗殺に使われたのがVXガスだと報じられています。殺害方法が検死によってVXガスだと判明したのが2月24日、KXランチャーが出てきた859話の掲載が3月18日発売のジャンプですから、ニュースのタイミングがちょうど859話制作頃に当たります)。
しかし、この至悪の殺人兵器をもってしてもビッグ・マムの強靭な皮膚に刺さらなければ毒を体内に流し込む事が出来ず無意味。ベッジ曰く、KXランチャーでビッグ・マムを仕留めることができる条件は、
5秒間誰も邪魔をされない状況にあること、そして
ビッグ・マムの身体が衰弱していること。そんな都合のいい条件が揃うチャンスがあるのがビッグ・マムの「お茶会」なのだと言います。
859話
ベッジがビッグ・マムの
唯一の弱点だと見るのが、いつも茶会でビッグ・マムの正面の席に置かれている「
マザー・カルメル」という人物の写真。ビッグ・マムの恩人のようですが、カルメルは失踪したらしく、家族でも詳しい事は知らないようです。
ともかく、カルメルの写真はビッグ・マムにとって何より大事な宝のようで、ある日のお茶会で給仕がカルメルの写真をうっかり落としてしまった時のこと、ビッグ・マムの顔は青ざめ、聞いたことの無い大音量の奇声と
覇王色の覇気も発したとのこと。食いわずらいの癇癪とはまた違う発作です。そして、銃弾や砲弾を食らってもカスリ傷一つつかないビッグ・マムがその時ショックで膝をついて、なんと膝を擦りむき血を流したとのことです。これが「マザー・カルメル」の写真事件。
これをベッジは再び茶会で引き起こそうというわけです。
ビッグ・マムにその発作が出れば、会場の誰も動けない5秒以上の時間が確保でき、かつビッグ・マムの身体は抵抗力を失ってKXランチャーが効力を発揮し、ビッグ・マムは死ぬ!と。発作の際に発せられると予想される大音量の奇声はベッジが用意した「
インヴィジブル・シンフォニアシステム」(ただの耳栓)で対策します。
<ビッグ・マム暗殺計画の流れ>
結婚式にて誓いのキスの代わりにプリンが撃つ銃弾をサンジが避ける
↓
その銃声を合図にルフィが会場に登場(ルフィは面白い登場の仕方を企んでいる)
↓
ルフィが「マザー・カルメル」の写真を真っ二つに叩き割る
↓
ビッグ・マムが発作を起こす(ベッジ曰く、写真を割ってから約3秒後)
↓
ビッグ・マムの発作の間に麦わらの一味はヴィンスモーク家を救出、ファイアタンク海賊団はビッグ・マムを暗殺
↓
脱出用の鏡を持ったシーザーがブリュレを連れて会場に登場
↓
鏡に飛込み、ミロワールドを逃走
↓
各自の船に行き着いたら共闘終了。各自ナワバリを脱出する
859話
シーザーの船は無いはずですが、ガス気球で空でも飛んで逃げるんでしょうかね。もちろん、計画通りすんなり進むはずも無く、KXランチャーは予備に2本用意されていることですから2発は失敗”できる”と。さらに言えば、ビッグ・マムが毒殺であっさり死んでしまうこともないでしょう。「寿命」と等価のソウルを操るソルソルの実の能力者ですから、殺したと思ったら生き返るなんて展開も予想されます。モリアがスリラーバーク中の影を取り込んだように、ビッグ・マムもトットランド中のソウルを取り込んで〜〜?なんてこともあるかもしれません。
・ビッグマムと巨人族
今回、ローラの双子の姉でありベッジの嫁である
シフォンが、これまで謎だった
ビッグ・マムと巨人族の関係について言及しています。場所はファイアタンク海賊団アジト内の女風呂にて。
あらゆる種族が住むはずのトットランドに巨人族だけいないのは、ワケあって
ビッグ・マムが全世界の巨人族に嫌われているからだと言います。それも随分昔からのようです。ビッグ・マムが巨人族を嫌っていたわけではなく、ビッグ・マムが巨人族に嫌われていたわけです。
巨人族と一言で言ってもエルバフのように戦士の国もあれば、サウロのように穏やかな一族もいる中、全世界の巨人族に嫌われるとは、ビッグ・マムは一体何をしたのでしょう?
例えば、全世界の巨人族に尊敬されている人物を殺したとか?
巨人族の寿命が普通の人間より長い点にも注目です。大量のソウルを奪うために巨人族を殺しまくった過去でもあるのでしょうか。
そんな状況の中、ある日、ローラを見かけて一目惚れしたという
変わりの者の求婚者が現れたそうな。それが巨人国「エルバフ」の王子
ロキだったというのです。ローラがエルバフの王女になれば巨人族との確執も埋まり、さらに世界一の強国と名高いエルバフの軍隊も我が物にできるとビッグ・マムは歓喜したそうですが、ローラは政略結婚を嫌って逃げ出してしまいます。
ビッグ・マムはシフォンをローラとして差し出すも、「ローラじゃない」と見抜かれ、巨人族との確執はより深まる結果に。ビッグ・マムのローラへの怒りはローラにそっくりなシフォンへ向けられることになり、シフォンはビッグ・マムに会う度に手酷く殴られ何年も生傷が絶えなかったと言います。シフォンはそんな自分の境遇を知らないローラを恨むことなく、寧ろビッグ・マムへの愛想が尽きた様子で、ベッジからビッグ・マム暗殺を知らされた時に何も感じなかったとのこと。
逆に、ビッグ・マムの立場で見ると、そんなシフォンをベッジの嫁に差し出すということは、あまりベッジを信用していないように思えてくるわけですが、どうなんでしょう。。
脇じゃなくて、また、ビッグ・マムが「
人体の巨大化」研究に投資するようになったのはローラの件の後からで、本物の巨人族を仲間にすることを完全に諦めたからでした。ビッグ・マムは人体の巨大化に関して、世界中のあらゆる人種が「家族」となり、同じ目線で食卓を囲むことが夢だと語っていましたが(
834話)、それは対外的な方便だったわけです。
本当は、まがい物の巨人族を生み出して家族に加え、トットランドを完成させることが真の目的だと考えられます。