【週刊少年ジャンプ】うすた京介が語る作家間の“格差”とは?
(前略)自身がコミュ障だと自覚しているといううすたさんと大石さん。2人はアシスタントを選ぶ際も、絵の上手さだけではなく話しやすさを基準にしているそうです。
「アシスタントとの関わりって編集者も教えてくれないですよね。連載が決まると何が忙しいって、地方の人だといきなり住む部屋を決めないといけない。何人かアシスタントさんが来るから、その人たちのぶんの家具や寝具を準備しなきゃいけないんです」と話す大石さん。
うすたさんも連載準備で苦労したそうで、「まあお金がかかるじゃん。お金は自分たちで払うんですけど、連載準備金みたいなものや契約金が出るけど、ほぼ引っ越しでなくなる。それで連載が始まって雑誌に載って、ギャラが入ってくるのがその1ヵ月後とかだから。下手したら半年くらい無収入だよ。俺も親に借金したりしてやってたから。ろくでもない仕組みだと思うんだよ(笑)」と振り返っていました。
連載決定から開始までの期間が短すぎるという大石さん。「僕の場合は1ヵ月くらいしかなかったからバッタバタですよ。アシスタントも初めて会う人なので、性格があわないとコミュ障が発動しちゃうんです」とのこと。
アシスタントとの初の顔合わせでは、ゲームセンターで格闘ゲームで対戦して打ち解けたといううすたさん。
大石さんの場合は「僕は初めてのアシスタントは『まず温泉行こう』って2人で温泉に行ったんですよ。とりあえずまずは裸で向き合わないとって。それで向こうも嫌がってなかったから、『この子とは一生やれる!』って」と裸の付き合いで仲良くなれたそうです。
『週刊少年ジャンプ』で連載を抱える作家たちの群像劇を描いた『バクマン。』。大石さんによると、実際のマンガ家の世界はそれほど華やかじゃないんだとか。
うすたさんは、「リアルな部分とそうじゃない部分があまりにもうまく融合されているのが困るよね。読者の人はみんな信じてるけど全部が本当じゃない」と話します。
大石さんは『バクマン。』とは180度違う体験をしたそうで、「うますぎて全部信じちゃうんですよね。主人公が入院するシーンあったじゃないですか。編集長が病院に来て、『(連載を)休め』って言うんですけど、でも主人公は『やります』っていうじゃないですか。あれは完全にフィクションです。僕、実際連載中に腰をやっちゃって入院したんですよ。そしたら『バクマン。』みたいに編集長が病院に来て、『いつできる? 今週は休めないよ』って言われて(笑)」と明かしていました。
2人によるとストーリー作家とギャグ作家には大きな格差があり、両者は別物なんだそう。
「扱いが全然違うんですよ!(笑)。俺は世代的には尾田栄一郎や岸本斉史とほぼ同年代で俺のほうがちょっとデビューは早いくらい。ギャグマンガ界だとけっこうな実績を残したと思うんだけど……(笑)。作家のランクだと雲泥の差があるんだよね。引け目を感じて切ない」と語るうすたさん。
大石さんは「たまに飲みに行くと、僕とかうすた先生は電車で帰ってますよね。ストーリー作家の人はタクシーで帰ってないですか」と飲み会の席で格差を実感しているそうです。
「今日はハイヤーを出してもらったけど、たまたま赤塚賞の審査員で。たまにVIP扱いされると『頑張ろう』って思うよね」といううすたさんに、大石さんは「年に2回くらいありますね。それで騙されてる感じが(笑)」と頷いていました。
最後にうすたさんと大石さんは『ジャンプ』編集部へ、「もっとギャグ作家を敬って。仕事ください!」(うすた)、「なんだかんだ『ジャンプ』が好き。一生付いていきます」(大石)とメッセージを送っていました。
【番組概要】
番組名:高橋みなみの「これから、何する?」
放送日時:毎週月~木 13:00~14:55
パーソナリティ:高橋みなみ
番組ホームページ:http://www.tfm.co.jp/korenani