LOGPIECE(ワンピースブログ)〜シャボンディ諸島より配信中〜 バンプレスト開発担当「ワーコレを立ち上げた理由はより多くの原型師に仕事を与えるため」
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先日紹介した「Tokyo Otaku Mode」のフィギュア開発者にスポットを当てたインタビューシリーズの最終回に、グラメンやワーコレなどの開発担当であるバンプレストのプロデューサー・阪田典彦さんが登場しています。それを一部翻訳して記事にしています。いつも通り翻訳は適当に。変な訳文もありますが、日本語→英語→日本語の翻訳ということでお察し下さい。

メガハウスP.O.P開発担当インタビュー:http://onepiece.ria10.com/Entry/4343/
Art of Figure Making: BANPRESTO(英文)



——フィギュアプロデューサーとしてのお仕事をご説明下さい。

阪田:私は出版社、権利者、原型師、工場製産、イラストレイター、その他フィギュア製作に関わる全ての人と取り引きをしています。フィギュアが商品化されるまでの全てをマネージメントしているわけです。個人的にはプロデューサーという職位を使うのは好きではないのですが、私の仕事を説明する上で手っ取り早いものです。


——ということは、頭の中のアイディアに適切な原型師を見つけるわけですよね?

阪田:そうです。ここ数年は、スポットライトが当たってこなかった才能ある原型師達を売り出すのが楽しいです。彼らにもっと注目を集めさせたい、そして彼らのスキルがどんなに凄いかを知って欲しいです。そうすることで次の世代の原型師達にも刺激を与えることもできます。


——SNS上のファンのコメントを読んだ時に仕事の満足が得られると伺いました。ツイッター、フェイスブック、インスタグラムとかをチェックされているのですか?

阪田:そうです。昔は2ちゃんかMixiでした。ファンの嬉しいコメントを読むと私も嬉しいですし、批判を見るともっとよく出来たのではないかと反省します。SNSはあっと言う間にたくさんの意見を得られる場所だと思います。

プライズは市販品の次、比較して劣っているというのがステレオタイプです。しかし、良いプライズを作れば、それが市販品であるかのように筐体の前に時にはファンが列を作ります。そして時にはプライズが市販品より賞賛を得ることがあります。それも至福の瞬間です。


——阪田さんのベストワークであるMASTER STARS PIECE(MSP)ポートガス・D・エースについてお聞きします。MSPエースはプロとして考えを発展させた最初のフィギュアだと思いますか?

阪田:2010年において、MSPエースは私が作ったベストのフィギュアでした。そしてリリースにも偶然がありました。MSPエースがゲームセンターに登場したのはエースの死がアニメで放送された3日後でした。ファンがこぞってこのフィギュアをゲットするためにクレーンマシーンの前に列を作りました。MSPエースはファンが思い描くエースの理想型にもっとも近いものでした。あんなにも筐体に人が並んでいるのをそれまでに見たことがなく、列に並ぶファン達はプライズをゲットした人に拍手を送っていました。それからというもの、多くのファンがバンプレストの『ONE PIECE』フィギュアに注目するようになりました。


——MSPエースのセールスポイントは何だったと言えますか?

阪田:もしエースが実在していたらどんな感じだろうかと常に念頭に置いていました。服の素材は何だろうか、どの程度汚れているだろうかなんてことも。エースは冒険を探してボートで旅する海賊です。風呂にはめったに入らなかっただろうし、服は絶対に洗っていないはずです。このフィギュアにそんな汚さとか現実感を詰め込みたかったんです。そのために2つの事をしました。まず、色調を暗めにしました。そしてダブルループベルトを身につけさせました。コスト度外視でそういったディテールを詰め込まなくてはいけない、たとえブーツの底でも、泥の上を歩いていれば汚れているはずだと。そういった”リアリズム”にこだわった事とディテールの造り込みがファンの心を動かしたのだと思います。このフィギュアは本当に私の誇りです。


※靴底の泥

——MSPエースが作られたのは7年前ですが、今日の技術でリメイクすることになるとしたらクオリティは上がると思いますか?

阪田:正直なところ、ここ7年間では技術革新は何も無いと思います。ビデオゲーム業界を見てみれば、グラフィックがもの凄く良くなりました。しかし、フィギュア業界で同様の技術進歩があったとしても、セールスも急激に伸びるとは思いません。ニンテンドーDSは多くのファンをゲームすることに引き戻し、スマホアプリはゲームの在り方を変えました。フィギュア業界にはそのような変化が必要だと思いますし、全てのフィギュアがただの普通のフィギュアに収まってはいけないはずです。そのような理由から、ここ数年、私が作るフィギュアには付加価値やストーリーを付けようとしています。


——アンケートでフィギュア業界で尊敬している会社はありますか?という質問に阪田さんはHot Toysと回答しています。衝撃を受けた特別な作品はありますか?

阪田:それはジャック・スパロウの次に出た”アイアンマン”ですね。衝撃を受けました。Hot Toysはフィギュアの技術革新を行っており、今でもどうやってあんなフィギュアを作っているのだろうかと考えさせられます。彼らのフィギュアは非常に良いもので、彼らに追いつこうなんて考えはありません(笑)。寧ろ、Hot Toysが作っていないもの全てを作ってみたいです。

あと、7年前に出会った二人の原型師も尊敬しています。その二人と出会って私の『ONE PIECE』フィギュアの考えは改まりました。KENGOさんは私と歳が近い原型師で、『ONE PIECE』MSPシリーズのメイン原型師です。展示会で彼と初めて会った時、かなり不思議な印象を受けたのを覚えています。彼が作ったフィギュアは異常にクオリティが高く、彼は『ONE PIECE』を愛していました。そこで彼にためらいなく(MSP)エースの原型をお願いしました。

もう1人の原型師の名前はTKさんです。当時、彼はGRANDLINE MEN(グラメン)シリーズで仕事をしていました。私たちの目的は実写映画から出て来たような『ONE PIECE』フィギュアを作ることでした。MSPエースでやったのと同じ手法を使って、アニメカラーとは一線を画した暗い色調にしました。グラメンのルフィとエースはファンに大いにウケました。

私のフィギュア作りの考え方を変えてくれたこと、さらには『ONE PIECE』フィギュアの歴史をも変えてくれたことについて、彼ら二人には感謝しています。


——阪田さんはMSP、グラメンなどのシリーズを担当されていますが、それらのシリーズを立ち上げた理由に興味があります。教えていただけますか?

阪田:それらのシリーズを始めるにあたって、それぞれ少し異なる理由がありました。その一つは当時一緒に仕事をしていた原型師によるものです。

World Collectable Figure(ワーコレ)シリーズを例にしましょう。10年前、1度に提供するクレーンゲームのプライズフィギュアは高々5種類だったのですが、それは私にとって悩みの種でした。また、その頃、一緒に仕事をする原型師の数が劇的に増えていました。彼らに対して仕事の分配をどのようにするか考える必要がありました。そこで、それら両方の問題を解決するために1度に8種のフィギュアを提供するワーコレシリーズを作りました。

当時、弊社の販売部は疑ってこう言っていました(笑)。「半年間リスクを負うことになる。既にこのシリーズの試作品を作ったが、売れなかったらどうする?」。しかし最低、売れなかったとしても、原型師達は少なくともそれで生計を立てることが出来ると分かっていました。私はいつも彼らにお世話になっていましたから、それが彼らを助けるために出来る最低限のことだと。そんな具合にワーコレシリーズは始まりました。もちろん、ファンにも喜んでいただきたいという想いでした。まぁ、大変な仕事でしたけど。

MSPシリーズはオールスターキャラクタ—を世の中に見せる手段として始まりましたが、私のもう一つの理由はファンに分かってもらうことでした。これを作ったのが誰なのかって。私はフィギュアが好きなのと同時に、そのデザイナーや原型師、工場で働く人など、そして自分と一緒に働く皆が好きなんです。そういう想いを持ってフィギュアを作っています。


——今後、達成したい夢や目標はありますか?

阪田:現在、私はBANPRESTO WORLD FIGURE COLOSSEUMと呼ばれる造形イベントを担当しています。世界にはたくさんのタイプの造形師がいます。映画の小道具を作る人もいれば、シーサーを作る沖縄の人もいますよね。私に言わせれば、どちらも造形師です。

中国には龍を彫る彫刻の達人がいますが、彼らが作る『Dragon Ball』の神龍がどんなものになるか興味はありませんか?今回のトーナメントは世界中の造形師を集めるため、そして彼らの繋がりを強めるため、彼らをファンに披露するため、『Dragon Ball』や『ONE PIECE』みたいな作品にもっと注目を集めるために行います。彼ら造形師が造るものに世界中のファンがワクワクし、同時にフィギュア業界の刺激になることを望んでいます。


——海外の造形師はどうやって選出したのですか?

阪田:まず初めにフェイスブックでつながる人達に依頼しました。そして、ArtStationに登録している人達にもメッセージを送りました。デザイナーやクリエイター、造形師のためのサイトです。唯一の前提条件は『Dragon Ball』と『ONE PIECE』のファンであることでした。


——今回のテーマは『Dragon Ball』と『ONE PIECE』ですよね?

阪田:そうです。今まで、我々は『Dragon Ball』と『ONE PIECE』のみでやってきました。しかし、よりたくさんの人にもっと日本のキャラクタ—を知ってもらうためには作品数を増やすのが適切だと考えています。世界大会は今年が初年度で、現在進行形で取り組み中です。しかし、5年後、10年後を見た時、このイベントがアメリカのアニメ・エキスポのようなものになっていることを期待しています。そして、日本の様々なキャラクタ—を披露できること、様々なファンを交流させることを望んでいます。


——何か他に目標はありますか?夢のプロジェクトとか。

阪田:え〜と、詳しくは言えないのですが、軌道に乗るには何年もかかるだろうプロジェクトが頭の中にあります。私のアイディアは『ONE PIECE』と『Dragon Ball』に新しいアプローチをするものでして、世界中のファンを驚かすようなものです。最近、海外のイベントに参加する機会が増えて、その夢を実現したい気持ちが高まってきました。


2018年2月追記)ホビーマニアックスにて翻訳記事が掲載されました。インタビューは元々、日本語で行なわれたらしく、翻訳というかほとんどインタビューの原文が使われている模様です。

http://hobby-maniax.com/archives/67408(←こちら)


P.O.P開発担当者「本心は巨人族を作りたい。ラオGを作りたい。というか全キャラ作りたい」
【やる夫AA】 ワーコレ開発者に直接物申す in デフォルメ博 【イベント体験記】

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