第894話　「0時5分」
第895話　「海賊ルフィVS将星カタクリ」

TOPICS
・トンタ兵団、レヴェリーへ
・見聞色の素質
・巨大化
・スネイクマン
・シャーロット家の人々
・現在のトットランド

・トンタ兵団、レヴェリーへ
扉絵連載「押し掛け麦わら大船団物語」のVol.26 レオ編の話タイトルは『世界会議(レヴェリー)の護衛に任命されたのれす!!』ということで、世界会議に出席するリク王らの護衛として、レオ率いるトンタ兵団も聖地マリージョアへ向うようです（海賊船ウソランド号で？）。護衛隊が海賊だとバレるとトラブルになりそうですが・・・

なお、扉絵連載は予想通り、子分順でハイルディンの巨兵海賊団の様子がVol.27から描かれています。ハイルディンら巨兵海賊団がバギーズデリバリーの傭兵だったこと、そして麦わら大船団に入ったことを契機に傭兵を辞めることはすでに判明していましたが、律儀に辞表を提出しにバギーのところへわざわざ出向いたみたいですね。



・見聞色の素質
カタクリとの戦いの中で、見聞色の覇気が研ぎすまされ、すっかりカタクリ同様に少し先の未来が見えるようになったルフィ。カタクリとルフィが見ているだろう少し先の未来のビジョンが894話で描かれています。やっぱり、見聞色の覇気の派生なので、見え方も見聞色の覇気と同じみたいです。

894話

また、このシーンではルフィは敢えて目を瞑って、カタクリの攻撃を全て避けており、まるで藤虎の様な芸当をしています。そうなってくると、ふと思うのは、藤虎の様に他に見聞色の覇気に優れた者にも少し先の未来は見えないのかという疑念です。と言うのも、カタクリについてのベッジの話では「"見聞色の覇気"を鍛えすぎて少し先の未来が見える」（860話）という説明でしたから、見聞色の覇気を極めた先に、少し先の未来が見えると考えられたわけです。しかし、見聞色に優れた者、藤虎、オトヒメ、レイリーらに少し先の未来が見えている様子は描かれておらず、そんな者達を差し置いてルフィがその力を覚醒させたわけですから、どうやら見聞色の覇気を極めた先に、少し先の未来が見えるという前提からして間違っていると考えられます。

この点に関連して、894話のルフィのレイリーによる修業の回想にて、見聞色の覇気に関する補足的な説明が読み取れます。

レイリー：同じ「見聞色」でも お前は生き物の感情を感じ取る力に長けている様だ

このレイリーの台詞から①見聞色の覇気の中にも種類があり、人によりそれらに得手不得手があること、②ルフィはその中でも生き物の感情を感じ取る力に優れていること、が分かります。

①に関しては、遠くにいる人の気配を感じる力（ドラゴンボールで言うところの気）、視覚外の相手の動きを見る力、望遠鏡の様に遠くの物を見る力、人の感情・心を読む力などが見聞色の覇気として、これまで描かれています。麦わらの一味の中では、ルフィは覇王色、ゾロは武装色、サンジは見聞色といった具合にそれぞれ得意な覇気の種類が分かれていますが、見聞色の覇気を得意とするサンジは先に挙げた見聞色の力がいずれも優れているとは限らないわけです。

逆に、ルフィは見聞色が得意というわけではないですが、②生き物の感情を感じ取る力はサンジより得意だと思われます。同じ回想の中では、腹を空かせたルフィを心配して森の動物達が餌を咥えて現れた際、見聞色の覇気の修業のために目隠しをしているルフィが、それを見ずして「食い物ならいらねェ」と、動物達の気持ちを拒否している様子が描かれています。それも、まだ見聞色の覇気で視覚外の相手の動きや気配を読み取る力が無い時に、です。

結局、ルフィのこの「生き物の感情を感じ取る力」は、魚人島編でロジャーと同じく海王類の声が聞こえたこと、ゾウ編でモモの助と同じくズニーシャの声が聞こえたことに繋がっている（つまり、これらは見聞色の覇気による）と思われますが、だからと言って、この見聞色の覇気を極めればルフィと同じように海王類やズニーシャの声が聞こえるわけではないはずです。

じゃあ何なのかと言えば、覇王色の覇気がそうであるように、少し先の未来が見えたり、本来聞くことが出来ない声が聞こえる見聞色の覇気の力は、限られた者にしか目覚めない特殊な見聞色の覇気と言えるわけです。ルフィが少し先の未来が見える器だったのは『ONE PIECE』の主人公だからと言ってしまうと元も子もないですけど。

ちなみに、カタクリが"角モチ"に使っている武装色の覇気（カタクリはこれについて「武装色にも上がいる」と言っている→883話）も、もしかすると武装色を修業した先に身につくものではなく、この別枠のカテゴリーに入るものなのかもしれません。便宜上、覚醒覇気と呼ぶことにしましょうか。

これまでの覇気の話を簡略にまとめると次のようになります。

＜覇気の分類＞
・武装色の覇気・・・修業により修得可能
・見聞色の覇気・・・修業により修得可能
・覇王色の覇気・・・限られた者にのみ覚醒される力

＜武装色の種類＞
・硬化・・・修業により硬度を上げることは可能（と思われる）
※例えば、ルフィは武装色が得意でないため、刃物に"硬化"で対抗することは苦手だった。

・パラミシア系能力との融合・・・ギア４など（後述）
・硬化の格上・・・限られた者にのみ覚醒される力？

＜見聞色の種類＞
次の二つの能力に大別できる
・視覚外の気配を読み取る力
・相手の感情を読み取る力

限られた者にのみ覚醒される力？
・少し先の未来が見える・・・前者の覚醒覇気
・海王類やズニーシャの声が聞こえる・・・後者の覚醒覇気


ルフィは修業の時のレイリーの「”覇気”は…実戦の極限状態にこそ更に開花する　強敵と向き合う程に…お前は益々強くなれる」（886話）という言葉を胸にカタクリに再び戦いを挑んだわけですが、レイリーにも無い力がルフィに開花したわけです。



・巨大化
サニー号を追うスムージーが巨大化しています。え？w

894話

スムージーは登場時から能力者の片鱗を見せており、人や動物（キリン）、物（岩）を雑巾の様に絞り上げ、まるで果物を搾る様にジュースを作ることが出来ます。これは明らかに悪魔の実の能力で成せる技です。であれば、今回、巨大化したのはどういうことか？

846話

そもそも、人や物からジュースを搾り取る能力は、ジュース大臣としては役に立つかもしれませんが、将星としての強さにはそれだけでは役に立ちそうにありません。それこそ巨大化できる力が将星たる所以だと思われます。

巨大化に関してはビッグ・マムがシーザーに研究を依頼していたわけですが、急速に人体を巨大化させることをシーザーは無理だと諦めていたこともあり、その研究が完成していた可能性はないでしょう。それに、スムージーの衣服や剣までもが巨大化しており、これも悪魔の実の能力によるものと考えるのが無難でしょう。

スムージーは搾り取ったジュースを自身で飲んだり、結婚式の出席者に振る舞ったりしていましたが、そのジュースを飲んで何か体に変化があった様子はありません。キリンのジュースを飲んで、首が長くなっていたら非常に分かりやすかったのですが、そうはなっていないわけです。しかし、それぐらいのアイディアしか…つまり、捕えた巨人族のジュースを飲んで巨大化したぐらいのアイディアしか現時点で思いつきません。



・スネイクマン
895話

ギア４初披露の時から、「弾む男(バウンドマン)」以外の形態の存在が予想されたわけですが、ついにその姿が明らかになりました。その名もスネイクマンです。カッコいいです。

784話

なお、カッコ書きで「弾む男」となっているため、ギア４には他の形態もあるのかもしれません。＜784話考察＞

ギア４が武装色の覇気とゴムゴムの実の能力の融合（ゴムの弾性を残しつつ武装色の覇気を纏う）であることに変わりないもの、バウンドマンがゴムの弾性とパワーに特化した戦術だとすると、スネイクマンはゴムの伸長とスピードに特化した戦術と言えそうです。

784話

スネイクマンの主たる技はバウンドマンも一度使っていた"ゴムゴムの大蛇砲(カルヴァリン)"です。が、スネイクマンの使う"ゴムゴムの大蛇砲"には"JET"が付いています。すなわち、スネイクマンのスピードはギア２をベースにして生まれているわけです。アニメだと、ギア２同様にルフィの体が赤く描かれるのかもしれません。

一方、バウンドマンはギア３をベースにした形態であり、ギア４の形態はギア３ベースの「バウンドマン」とギア２ベースの「スネイクマン」の2種で全てなのではないかと思われます。

追記）「タンクマン」のことをすっかり忘れていました。こちらは"ゴムゴムの風船"に特化したバージョンです。
http://onepiece.ria10.com/Entry/4061/　追記終）

纏う武装色の覇気を見ると、バウンドマンは腹以外を覆うのに対し、スネイクマンは腕は手から肘まで、脚はズボンで見えませんが、腕同様におそらく足から膝までを覆っていると思われます。このことから、消費する覇気の量はバンドマンよりはスネイクマンの方が少なく、使用時間は長持ちしそうなものです。あと、細かい違いを言えば、スネイクマンの拳は二重の極み（るろうに剣心）みたいになっているとか。

そして、もう一点。

バウンドマンの時から秘密とされていた体に浮き出ている武装色の覇気の模様（覇気を纏っている部分と纏っていない部分の境目にある）に意味が何か、カタクリとの戦いの中で読み取ることができます。そもそもギア４の仕組みが分かっていれば、何ら重要ではない気がするのですが、とにかく今回の描写により模様の秘密が解禁となりました。

気付かなかった人は一緒にカタクリ戦を見ていきましょうか。

894話
腕を発熱させて、餅を膨らませ、破裂した勢いで武装色の覇気を纏った拳をロケットパンチのごとく飛ばす"焼餅"。これは今回の話とは関係無いです。


894話
注）特殊なパラミシア系です。特殊って言えば何でもアリなのか・・・


895話
"黒い蛇群(ブラックマンバ)"

895話
この技、一見、"銃乱打(ガトリング)"の派生技の様にも見えますが、「大蛇」のごとく伸び続けている腕を引っ込めているわけではないですから、これは肩を激しく上下させて拳の軌道を読みづらくしているのだと思います。"ゴムゴムの銃"の伸ばした腕を自分で弾いて軌道を複雑にする派生技「散弾(ショット)」のアイディアに似ています（思い出せない人は22巻200話のクロコダイル戦を読み返してみよう）。


895話
はい、注目！ここです！


895話
"斬・切餅(ザンギリモチ)"。出てます。


895話
もういいですよね？


"斬・切餅"の時のカタクリの腕に注目して欲しいのですが、ギア４のルフィの体に現れる覇気の模様がカタクリにも現れています。これが何を意味するかと言えば、"斬・切餅"がどういう技かと考えれば自ずと答えが明らかになります。

"斬・切餅"は・・・

1) 覚醒したパラミシア系能力と合わせて相手に高速で近寄り（ここは覇気は関係無し）
↓
2) モチモチの実の能力で巨大化した棘付きの腕でラリアット（ここまでは通常の武装色と変わりない）
↓
3) モチの粘性で相手を捕え（ここです！）
↓
4) そのまま地面に叩き付ける

通常の武装色の硬化であれば、3)で相手を捕えることはできません。要するに、この技はギア４同様に、モチモチの実の能力による餅の特性を残したままに武装色の覇気を纏っているわけです。

つまり、ギア４の覇気の模様は、通常とは異なる能力者に特化した武装色の覇気の"印"だと言えます。今後、この覇気の模様を纏った強者は出て来るでしょうから、覇気の違いにも注目して見てみましょう。ギア４のアイディアはルフィの専売特許では無かったと。



・シャーロット家の人々
894話では、SBSで存在が判明していたビッグ・マムの10つ子達がカカオ島ショコラタウンに総揃い。また、魔導士みたいな35男ユーエン、他3名の子供達の名前が明らかになっています。最悪の世代のウルージに敗れた元将星のスナックも初登場で、カカオ島を包囲する艦隊に乗っているようです。懸賞金6億なので弱いはずは無いですが・・・


894話

息子	名前	役職	能力者
1男	ペロスペロー	キャンディ大臣	ペロペロの実
2男	カタクリ	将星／粉大臣	モチモチの実
3男	ダイフク	豆大臣	ホヤホヤの実
4男	オーブン	こんがり大臣	ネツネツの実
5男	オペラ	生クリーム大臣	○
6男	カウンター
7男	カデンツァ
8男	カバレッタ
9男	ガラ
10男	クラッカー	将星／ビスケット大臣	ビスビスの実
11男
12男
13男
14男
15男
16男	モスカート	ジェラート大臣
17男
18男
19男	モンドール	チーズ大臣	○
20男
21男
22男
23男
24男
25男	スナック	元４将星
26男	ババロア
27男
28男
29男
30男
31男
32男	ブラウニー
33男	レザン
34男	マスカルポーネ
35男	ユーエン
36男	（10つ子）
37男	（10つ子）
38男	（10つ子）
39男	（10つ子）
40男	（10つ子）
41男	不明
42男	不明
43男	不明
44男	不明
45男	不明
46男	不明

息子	名前	役職	能力者
1女	コンポート	フルーツ大臣
2女
3女
4女
5女
6女
7女
8女	ブリュレ		ミラミラの実
9女
10女
11女
12女
13女
14女	スムージー	将星／ジュース大臣	○
15女	シトロン
16女	シナモン
17女
18女	ガレット	バター大臣	○
19女
20女
21女	プラリネ	（アラディンの妻）
22女	シフォン	（ベッジの妻）
23女	ローラ	（前チョコレート大臣）
24女
25女
26女
27女	ジョコンド
28女
29女	ジョスカルポーネ
30女	（10つ子）
31女	（10つ子）
32女	（10つ子）
33女	（10つ子）
34女	（10つ子）
35女	プリン		メモメモの実
36女	フランペ		○
37女	不明
38女	不明
39女	不明（アナナ？）

※ジョスカルポーネとプラリネが29女で被っていたため、後から登場したジョスカルポーネをこれまで27女の枠になんとなく入れていましたが、コミックス87巻のキャラクター紹介で先に登場していたプラリネの方が21女に修正されています。プラリネは83巻で既に29女と紹介されており、これが修正されるのは二版以降になりそうですが、『ONE PIECE』の場合、二版が出るのはいつなのか・・・。



・現在のトットランド

【海中】
タイヨウの海賊団・・・ナワバリ内にいる全ナワバリウミウシを歌で誘い出し、海域の監視を放棄させている。これにより、ナワバリの海域内の探知機能が停止。＜884話＞


【ナワバリ内海上】
麦わらの一味（サニー号）・・・ナミ、チョッパー、ブルック、ジンベエ、キャロット。将星スムージーの艦隊に追われている。ケーキを完成させて一旦合流したサンジの提案で当初目指していたカカオ島はこのまま通過する？　現在22時50分。＜894話＞

サンジとプリン・・・カカオ島の鏡から現れる予定のルフィを救出するため、サンジはプリンの空飛ぶ絨毯（ラビヤン）でカカオ島？に向う。サンジに策あり。　現在23時08分。＜894話＞


ファイアタンク海賊団・・・海賊船（ノストラ・カステロ号）でウェディングケーキを運び、ビッグ・マムと敵艦隊を引きつける。ケーキをリキュール島に運ぶ予定だったが、シフォンの提案でふんわり島に変更（理由はリキュール島ではナミ達が向うカカオ島に近いため）。ビッグ・マムの暗殺を目論むが、サンジとの紳士協定によりビッグ・マムがケーキを食べて満足するまでは手出ししないことになっている。＜894話＞

ビッグ・マム・・・ビッグ・マムがウェディングケーキを求める”食いわずらい”を発症中。約8時間も癇癪（食いわずらい）を起こしており、空腹により痩せている。しかし、腹を満たせるものはウエディングケーキのみ。ケーキを載せたベッジの船を追う。＜894話＞

ペロスペロー・・・ベッジがウェディングケーキによるマムの暗殺を企んでいると考え、ファイアタンク海賊団を追う。麦わらの一味にウエディングケーキが盗まれたという嘘がバレると、ビッグ・マムに命を取られることになっていたが、マムの注意がベッジが運ぶ新しいケーキに移ったため助かった？＜892話＞

ビッグ・マム海賊団・・・ダイフク、コンポート、スムージーらが乗り込む艦隊、タルト船全艦が出撃。ババロアの艦隊はファイアタンク海賊団を追う。スーロンになったキャロットにより船の舵輪を破壊され、ダイフクの艦隊は総崩れ。スムージーの艦隊は麦わらの一味を追う。スムージーが巨大化？？＜894話＞


【鏡世界】
ルフィVSカタクリ・・・カタクリを倒して鏡の中から脱出し、カカオ島で一味と合流する約束をする。修業時のレイリーの「”覇気”は…実戦の極限状態にこそ更に開花する　強敵と向き合う程に…お前は益々強くなれる」（886話）という言葉を胸に、再びカタクリに戦いを挑む。＜895話＞

ブリュレ・・・ルフィに捕まり、ルフィの覇気が回復するまでの間、逃げ回るために能力を利用された。＜886話＞


【カカオ島】
892話
ビッグ・マム海賊団（オーブン）・・・ファイアタンク海賊団とシフォンを処刑するため、軍隊を島に配備していたが、両方とも獲り逃す。深夜1時に麦わらの一味がカカオ島で合流するという情報から、モンドールの指揮により、島の周囲は艦隊で包囲し、島中の鏡はただ1つを残して、それ以外全て割るか海に沈めるよう住民に指示する。これによって、ルフィが鏡の中から現れても簡単に捕えることができるはずだが・・・。＜894話＞

パウンド・・・娘のシフォンを助けるためオーブンを挑発し、斬り殺される？＜887話＞


【ホールケーキアイランド】
モンドールとタマゴ男爵（ニワトリ伯爵）・・・作戦の指揮を取る。＜892話＞


【ジェルマ王国（ホールケーキアイランド海上）】
882話
ジェルマ66・・・ジェルマ王国に攻め込んできたビッグ・マム海賊団のヌストルテ（シャーロット家11〜15男のどれか）率いる1万の軍隊を全滅させる。ニジはヌストルテの声帯模写でビッグ・マム海賊団の作戦を指揮するモンドールにジェルマを壊滅したというウソ情報を流す。そして、ジェルマ王国は出航（行き先は不明）。＜882話＞