「ルフィ像」年内完成へ、熊本県庁前に
熊本県は、県庁本館前の遊歩道「プロムナード」に、人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の主人公ルフィの銅像を建てる計画を発表した。熊本地震からの復興支援に取り組む県出身の作者・尾田栄一郎さんの功績をたたえるもので、年内の完成を目指す。
尾田さんは、地震で甚大な被害が出た益城町のふるさと納税の返礼品や、県内の成人式での記念品に描き下ろしのイラストを贈るなどし、被災者を勇気づけた。県は4月、県民栄誉賞を贈呈した。
県によると、計画ではルフィ像は漫画の設定と同じ1メートル75前後で制作。ファンらに愛されるよう、尾田さんに監修を依頼する。制作費約1300万円を計上した2018年度一般会計補正予算案を8日開会の県議会定例会に提案する。
(読売新聞)
「ルフィ像」予算化に賛否 1300万円かけ熊本県庁に設置へ 「復興の象徴」「優先順位違う」
熊本県は31日、熊本市出身の漫画家尾田栄一郎さんの人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の主人公ルフィの銅像を造ると発表した。関連予算は1300万円。県は「国内外の観光客を呼べ、熊本地震からの復興の象徴になる」と説明するが、設置場所は県庁敷地内。被災者から「もっと人が集まる場所にすればいいのに」「予算の優先順位が違う」との声もあり、賛否両論を呼びそうだ。
県は4月、被災した南阿蘇鉄道にイラストを提供するなどした尾田さんに県民栄誉賞を贈った。銅像はその記念に計画。約170センチの等身大で、費用は他の自治体を参考にしたという。
ワンピースは単行本発行部数が世界で累計4億3千万部を超す。県の担当者は「費用の100倍、千倍の効果を生む仕掛けを考えたい」と意欲満々。北九州市漫画ミュージアムの表智之専門研究員(48)は「県外向けの話題づくりとしては安い」とみる。ただ、北九州市では乗降客が多いJR小倉駅前に「キャプテンハーロック」などの銅像があるのに対し、熊本県庁を訪れる観光客は多くない。
熊本県ではまだ約3万5千人が仮住まいを続け、県は復興関連以外の予算を削減している。銅像の財源はふるさと納税を充てるが、西原村のみなし仮設住宅に住む60代女性は「感動する人もいると思うが、復興半ばの今、必要か」と首をかしげる。
(西日本新聞)
ルフィ像設置「県庁がいい」 知事、ネットなどの異論に反論 計画進める考え強調 [熊本県]
熊本県が熊本市出身の漫画家尾田栄一郎さんの人気作品「ONE PIECE(ワンピース)」の主人公ルフィの銅像を県庁敷地内に造る計画にインターネット上などで異論が出ている件について、蒲島郁夫知事は5日の定例記者会見で「いろいろな意見があることは承知しているが、私は県庁に置くのがいいと思っている」と述べ、現計画を進める考えを強調した。
蒲島知事は「県庁であれば、ということで(尾田さんに)認めてもらった」と説明。「世界に一つのルフィ像の波及効果は計り知れない。県庁に足を運び、震災遺構を巡る起点になることも考えられる」と反論した。
尾田さんの県民栄誉賞受賞がきっかけとなったとして、「熊本にいろいろな支援をいただいている尾田さんに感謝の気持ちを表すことが大事。結果として観光につながれば」とも述べた。
(西日本新聞)
県議会開会 ルフィで復興応援
定例県議会が8日開会し、熊本地震からの住まい再建や復興応援事業として漫画の主人公の像を設置する費用などを盛り込んだ、およそ110億円の補正予算案が提案されました。
蒲島知事は「被災者に寄り添ったきめ細かな支援に努めていきたい」と述べました。
8日開会した6月定例県議会では、冒頭、今月4日に亡くなった県議会議員の村上寅美氏に対して黙とうがささげられました。
補正予算案は熊本地震関連と農業整備などの通常分の一般会計の総額で合わせておよそ110億1800万円となっています。
このうち、熊本地震関連では賃貸住宅に入居する被災者が民間の事業者に保証人を依頼する費用の一部を負担するなど、被災者の生活支援に3600万円などとなっています。
提案理由について蒲島知事は「今も3万6000人近くが仮設住宅での生活を余儀なくされており、被災者に寄り添ったきめ細かな支援に努めていきたい」と述べました。
また、「復興応援事業」として県民栄誉賞を受賞した熊本市出身の漫画家、尾田栄一郎さんの手がける「ONEPIECE」の主人公「ルフィ」の像を県庁に設置する経費として1300万円が盛り込まれていて、蒲島知事は「ルフィに会いに国内外から熊本県を訪れていただくことで、地震からの1日も早い再生につなげていきたい」と説明しました。
(NHK 熊本 NEWS WEB)