676話りんごの表面にS字にうねった模様を彫りました。#フルーツカービング #果物彫刻 pic.twitter.com/ikph6r1tka
— 佐藤朋子 (@atelier_SATO) 2018年6月23日
ワンピースの悪魔の実? 超絶技巧な「りんご彫刻」が話題に もしかして能力者?タイで学んだ作者に聞いた
りんごの表面に彫り込まれたS字形のうねった模様。実はこれ、すべて手作業による彫刻です。ツイッター上で「思わずうっとりする美しさ」「ワンピースの悪魔の実だ」と話題になっているこの作品。作者は、タイで「フルーツカービング」を学んだ女性です。作り方やその魅力について詳しく聞きました。
先月23日にツイッター投稿された画像。赤いりんごの表面に、たくさんのS字形にうねった模様が彫り込まれています。
この投稿に対して、「鳥肌が立ちました」「草間彌生さんの作品かと思った」「ワンピースの悪魔の実だ」といったコメントが寄せられ、リツイートは9千、いいねは2万2千を超えています。
ちなみに「悪魔の実」とは、人気漫画「ワンピース」に登場する、食べると様々な特殊能力が身につく不思議な実のことです。
この画像を投稿したのは、彫刻の作者である佐藤朋子さん。京都在住で、果物やせっけんに彫刻を施すフルーツカービング・ソープカービングの教室を主宰し、京都と福井で教えています。
今回のりんごはどのようにして作られたのか? フルーツカービングの魅力とは? 佐藤さんに話を聞きました。
――まずはフルーツカービングについて教えてください
フルーツカービングは、700年以上の歴史があるといわれているタイ伝統の果物彫刻です。スイカやメロンをはじめ、様々な果物や野菜に小さなナイフ1本だけで模様を彫っていきます。
趣味として楽しむ人も多く、同じナイフでせっけんに彫刻するソープカービングも人気があります。
――フルーツカービングを始めたきっかけは
たまたま雑誌でスイカのカービングを見て興味を持ったのが最初です。
もともと私は、薄い板をはり合わせる手法で木工作品を作っていたので、カービングの「必要な道具はナイフ1本・短時間で仕上がる・粉塵が出ないのでどこででも出来る」という手軽さは驚きでした。
色や形を組み合わせて仕上げる足し算の木工に対して、元の状態から切り取ることで模様を作っていく引き算のカービング、という対比も面白いと思っています。
――タイに行って学んだそうですね
バンコクに、タイの様々な文化を教えているカルチャースクールがあり、私はその中のタイカービングのクラスを受講して技術を教えていただきました。本場の先生方のナイフさばきを目の前で見たり、異国の模様に触れたりするのはとても勉強になりました。
――制作する上での面白さや難しい点は
とくに、果物や野菜に彫刻する時は、その素材が元々持っているみずみずしさや、色、形の美しさを損なわないように、活かせるように気をつけています。そこが難しくもあり、面白い点でもあると思います。
――話題になっているリンゴは、どれくらいの時間で完成したのでしょうか
制作時間はだいたい2時間くらいです。最初に等分のあたりはつけますが、ラインの下書きなどはせずに彫っていきます。素材がりんごの時は、変色を防ぐために塩水に浸けながら彫っています。
――フルーツカービングとソープカービングの違いは
違いは彫り心地とサイズ感です。大きな違いは、彫った後ずっと残せるか残せないか、です。
――ツイートが話題になったことについて感想をお聞かせください
自分の作品をいろんな方に見てもらえるといいな、との思いで始めたツイッターですが、これほどたくさんの人に見ていただけるとは、驚きつつ嬉しく思っています。
難しそうに見えるかもしれませんが、一度体験していただくと、彫り心地の良さや短時間で作品が仕上がる達成感を楽しんでいただけると思います。
(withnews)
先日彫ったりんごです。美味しくいただきました。#フルーツカービング #果物彫刻 pic.twitter.com/FIYew1C8p1
— 佐藤朋子 (@atelier_SATO) 2018年6月29日