・幕間の出来事
924話
定式幕が閉じ、「
ワノ国 第一幕 完」となった
前回。幕間となった今回のエピソードでは、
黒ひげ海賊団と
スリラーバーク海賊団(という名前が使われたのはおそらく初)の様子が描かれ、間接的に現在会期中のマリージョアの世界会議の状況が伝えられています。
舞台は黒ひげ海賊団が根城にしている?新世界 海賊島”
ハチノス”ーー。
そこに最近復活した模様のスリラーバーク海賊団船長の
ゲッコー・モリア(
懸賞金3億2千万ベリー)がゾンビ軍団を引き連れて襲撃します。モリアの襲撃の動機はハチノスに向かった
アブサロムが帰って来なかったためのようです。
頂上戦争時に姿を消したモリアでしたが、”2年後”では、
アブサロムは透明化する〝スケスケの実〟の能力を活かしてフリーライター「アブサ」としてスクープ記事を連発しているようでした(700話)。モリアがそうさせている理由はよく分かりませんが、おそらく今回もアブサロムは黒ひげ海賊団のアジトに潜入してスクープを狙っていたものと思われます。
かくしてアブサロムの身を案じてハチノスに乗り込んだモリアは黒ひげ海賊団の船長達の能力に面喰らうことになります。
アブサロムが無事かと思いきや・・・
デボンでしたー。
〝若月(みかづき)狩り〟カタリーナ・デボン
黒ひげ海賊団6番船船長
明らかになったデボンの能力は「
イヌイヌの実 幻獣種 モデル九尾の狐」。九尾の狐は妖怪ですね。キツネがイヌ科の動物なので、豹(レオパルド)がネコネコの実であるように、〝イヌイヌの実〟となっています。
能力は人を化かす狐の如く、誰かに変身できるようです。
見ての通り服装も変身でき、デボンがアブサロムに変身しているとはモリアが気づかなかったように、声質なども完全に再現することができる様子です。服装までは変身できないボン・クレーの〝マネマネの実〟の能力と、服装を思いのままに変えることが出来る錦えもんの〝フクフクの実(仮)〟の能力を合わせたような能力とも言えるかもしれません。変身の条件や制限は不明ですが、他人に化けるという点において〝マネマネの実〟の能力の上位互換とも言えそうです。
頂上戦争時にも役に立ったはずの能力ですが、当時デボンがこの能力を使った様子はありません。
能力者狩りを行なっている黒ひげ海賊団ですから、この能力は誰かから奪ったものと予想されます。
〝雨のシリュウ〟
黒ひげ海賊団2番船船長
アブサロムの身を案じているモリアにこれ見よがしに
〝スケスケの実〟の能力を披露したシリュウ。「死体ならあるけど持って帰る?死体が好きよねアンタ」とモリアを煽るデボンーー。アブサロムは黒ひげ海賊団の能力者狩りに遭い、死亡……シリュウに能力を奪われたようです。全然エロくない奴に〝スケスケの実〟の能力が渡ったことになります(笑)。
これをサンジが知ったらどう思うことでしょう。サンジは悪魔の実の能力を奪う方法があることをアブサロムに出会った当時知らなかったわけですが、それを知ったとすると・・・? シリュウの実力と〝スケスケの実〟の能力の組み合わせはかなり強力ですが、幸いサンジが得意とする覇気は見聞色。シリュウが最も気をつけないといけない相手はサンジかもしれません。
〝悪政王〟アバロ・ピサロ
黒ひげ海賊団4番船船長
登場だけとなったピサロ。誌面の表記は2番船船長となっていますが、シリュウと被っていて明らかな誤植であり、ONE PIECE公式Twitterが正しくは「4番」と訂正しています。
現在の黒ひげ海賊団はティーチと10人の巨漢船長からなる船団となっており(737話)、
ジーザス・バージェスが1番船船長であること(704話)、
シリュウが2番船船長であること(803話)は既に判明していました。
追記)ラフィットは5番船長(803話)(追記終)
追記2)ピサロ、デボン、サンファン・ウルフ、バスコ・ショットはビブルカード「インペルダウン」で判明していました。(追記2終)
1番船船長: ジーザス・バージェス
2番船船長: シリュウ
3番船船長:
4番船船長: アバロ・ピサロ
5番船船長: ラフィット
6番船船長: カタリーナ・デボン
7番船船長: サンファン・ウルフ
8番船船長: バスコ・ショット
9番船船長:
10番船船長:
元々、黒ひげ海賊団の船員は身長3メートルを超える巨漢が揃っており、この調子であれば頂上戦争時に船員だったメンツがやはりそのまま船長に抜擢されているものと予想されます。しかし、残る船員は
ヴァン・オーガー、
ドクQ、
ラフィット、
バスコ・ショット、
サンファン・ウルフの5名。船長の枠が一人足りません。そこで黒ひげ海賊団との関係が噂されている
クザンが怪しいという話になるわけですが(
【原作ネタ】 未回収伏線・謎のまとめ~ドレスローザ編~「黒ひげ海賊団 10人の巨漢船長」)、まだ5名について何番船の船長か分からない状況であり、残り1人の船長が明らかになるのはもう少し先のようです。
今回ようやく新世界編でビジュアルが解禁となった
ティーチは、モデルである本家の実在の海賊・黒ひげ(エドワード・ティーチ)に寄っていました。本家の黒ひげは顎ヒゲをお下げのようにして分けてリボンで結んでいたとの話です。
マーシャル・D・ティーチ
黒ひげ海賊団提督
黒ひげ海賊団が船団となったため、ティーチ自身は船長ではなく提督となったようです。そして!……初めて明らかになった懸賞金は
22億4760万ベリー。端数についてはよく分かりませんが(何かの語呂合わせ?)、四皇クラスになると懸賞金が数十億となることが理解できます。四皇の懸賞金額が明らかになるということは、作者の栄ちゃん的には物語のゴールが見えてきたということでしょうかね。
黒ひげ海賊団から見れば、ノコノコと現れたモリアの首を取るのは容易いことだと思われますが、ティーチはモリアに「
おれの船に乗れ」と誘っています。確かにモリアは巨漢ですし、実力的には申し分ないですし。モリアのプライドがそれを許すとはとても思えませんが、モリアが率いるスリラーバーク海賊団が四皇に肩を並べるとも思えません。
ティーチが語った新聞の記事によれば、
世界会議(レヴェリー)の4日目にして、革命軍がバーソロミュー・くま奪還のため、マリージョアで海軍大将の緑牛、藤虎と衝突したとのこと。ティーチはワノ国の話題にも触れ、そこにビッグ・マムも参戦しようとしていることに言及しています。
ティーチ「もう始まってんだよ!!! ”王”の座をかけた強者共の潰し合いが!!!」
ティーチがモリアを誘ったこととティーチのこの語りは今後の物語の展開を占う上で示唆的です。ルフィに敗れた後に復活したモリアやクロコダイル、エネル、ルッチ達と今後、麦わらの一味が直接対決するような機会はおそらくないでしょう(アニメや映画ではあるかも?)。しかし、ティーチが言う”王”の座を争うような組織に彼等が与した上で、麦わらの一味と再び戦うことはあるかもしれません。ルッチに関してはある意味、そういった組織にいるわけですが。
一方、所変わって
ミホークが根城としているシッケアール王国跡。
居候していた
ペローナは新聞記事(ハチノスの件とは別)でモリアが生きていたことを知り、さらに些細ないざこざからミホークの元を離れることになります。ちなみにペローナの荷物はクマシーだけの模様。
この時、出て行くペローナにミホークは次のように言っています。
ミホーク「今ここを出るのはいい判断かも知れん」
ミホーク「〝世界会議(レヴェリー)〟に妙な議題が出ている」
おそらくこれは藤虎がコブラとリクに持ちかけたと思われる王下七武海制度の是非が実際に議題に出たと思われ、それを指しているのではなかろうかと(908話)。王下七武海制度が廃止となれば、ミホークはただの海賊。しかも相当強いわけですから、海軍にとっては危険な海賊。それこそ四皇に戦力として取り込まれることになる前に真っ先に海軍が潰しにかかることになるかもしれません。ミホークが危惧しているのはそういう事ではないでしょうか。
・第2幕
ワノ国編 第2幕は九里の”頭山”の場面から。
決戦まで2週間前だった第1幕から時間は然程経っていない模様で、チョッパー達はイヌアラシらミンク族の一行と合流し、手当を受けた お玉は編笠村の飛徹の家で意識を取り戻したところです。百獣海賊団に捕まった
ルフィについては、
雷ぞうが脱獄の手助けをすることになった模様です。
頭山といえば、酒天丸ことアシュラ童子が率いる頭山盗賊団の根城。第1幕の
前回、錦えもんがアシュラ童子を目撃しており、仲間に引き入れるために錦えもんとイヌアラシ達は頭山にやって来たようですが、アシュラ童子は錦えもん達の誘いを断ったようです。
アシュラ童子の言い分は光月おでんの家臣だったが、光月家に仕えた覚えはないとのこと。
やはりアシュラ童子は赤鞘九人男の一人で間違いないようです。また、アシュラ童子はこの20年間、百獣海賊団と将軍オロチが支配するワノ国で苦汁を嘗め続けてきたわけでして、錦えもん達が20年経ってひょっこり現れたことについても良く思っていないようです。そういった想いは自分だけではないと語り、アシュラ童子は錦えもん達のタイムスリップを20年間の「ブランク」と言って皮肉っています。錦えもん達の同志集めは一筋縄では行かなそうです。
場面変わって、ワノ国の鬼ヶ島。百獣海賊団大看板の
クイーンと
キングが初登場しています。ゾウのジャック登場の際にシープスヘッドが災害と称されるカイドウの懐刀が3人いると言っていましたが(808話)、クイーンとキングはそれぞれ「
疫災」「
火災」と呼ばれいるようです(ジャックは「旱害」)。
「すまねェ兄御達」とジャックが謙っている態度と、トランプのカードの名前になっていることから分かるように、実力はキング>=クイーン>ジャックとなっている模様。また、キングが「あのガキ共の戦意の一本や二本ヘシ折るのにどれだけ時間かかってんだ 能なし」とクイーンを罵っており、「あのガキ共」がキッドやルフィの事を言っているのならば、クイーンはルフィらが閉じ込められている牢がある場所(兎丼?)の担当と考えられます(ジャックは九里担当)。
ところで、キングはゴムフェチのど変態野郎でしょうか?w
キングの背中が燃えているのはデザイン上の”雰囲気”の可能性があるため、能力についての考察材料には現在のところはならないと考えています。この絵面は”世紀末”を感じますね。