・キッドの左腕
926話の事件から翌日の囚人採掘場。囚人の星と讃えられた
ルフィと
キッドの話題で、囚人達はざわめき立っている様子です。
ルフィの脱獄の手助けを行なっているということだった
雷ぞう(
925話)はルフィに掛けられた海楼石の手錠の鍵の在り処は既に発見したようです。しかし、その鍵は番人により守られている上に、
海楼石の箱に収められて厳重に管理されているため、手に入れるにはもう少し時間がかかるとのことです。雷ぞうが海楼石の箱に困っていることについては、海楼石の頑丈さのことを言っているのか、はたまた雷ぞうが能力者であることを示唆しているのかもしれません。
囚人採掘場に居合わせた
カリブーはルフィの脱獄の動きを察知して、ルフィに擦り寄ってきますが、ルフィには相変わらず嫌われている様子ですw
キッドはというと今もなお、カイドウを討って名を上げることを狙っており、ライバルとなるルフィと手を組むような様子はありません。
なお、ここでは
キッドが左手を失った経緯が本人の口から明かされており、左手は赤髪海賊団との抗争で失ったとのこと。また、その後、ビッグ・マム海賊団の将星の一人と交戦して相手を手負いにしたこともあると語っています。ただし、キッドはビッグ・マムの首を狙っていた訳ではなく、その時は「
奪うべきものを奪い去っただけだ」としています。
ブリュレの話では麦わらの一味が来る前にビッグ・マムのナワバリに入ったことのある最悪の世代はキッド、アプー、ベッジ、ウルージだとされています(837話)。ウルージは当時将星だったスナックを倒し、クラッカーに惨敗したとのことでしたが、キッドについてはナワバリから排除されたということしか語られていませんでした。将星の一人を手負いにしたのなら、話題に上がっていいものですが、ブリュレはそれについては知らないのかもしれません。一方、キッドが嘘を言っているとは思えません。
894話では最悪の世代の一角の麦わらの一味を相手にして、元将星のスナックは「最悪の世代か・・・」と呟いているわけですが、この言葉にウルージの他、キッドが含まれているのかは分かりません。
894話
キッドによって将星の一人が手負いになったということがビッグ・マム海賊団に知られていないとすれば、キッドと交戦した将星はクラッカーの可能性もあります。クラッカーの”鎧”を破壊してキッドが手負いにしたと勘違いしたとも考えられますし、クラッカーの顔の傷がキッドによるもので、クラッカーはプライドを守るためにそれを誰にも言わなかった可能性もありそうです。
しかし、ビッグ・マムのナワバリでキッドの「奪うべきもの」とは何だったのか。この点はよく分かりません。まさか、クラッカーからウルージを守ったということですか?w
・花魁小紫登場
前回、女の「完全体」とまで煽られたワノ国の唯一の花魁・
小紫のご尊顔が明らかになりました。
ワンピースの女性キャラとしては珍しく額が狭く、眉は(これでもワンピース的には)太く、唇は厚く、そして垂れ目です。
ワンピースの主要な女性キャラは基本的に美女なわけですが、ハンコックやしらほしのような劇中でも美女と謳われている女性については差別化を図る必要があります。『ONE PIECE 総集編』のvol.26収録の作者コラムでは、しらほしで初めて困り眉に挑戦したと語られていますが、小紫においては栄ちゃんが通常は敢えて描くことを避けるようなステレオタイプ(?)の可愛い系美女としてデザインされた為に、
ワンピースでは逆に際立ったキャラクターとして成立することになりました。
花魁道中で花魁は高下駄を履くものですが、小紫が履いている高下駄は異常に高く、推定1メートルぐらいありますねw この高下駄で”八文字”という花魁独特の歩き方をしているところもしっかり描写されています。
さて、この小紫という花魁、早速に思いっきり
悪女として描写されています。
小紫の悪女っぷりエピソードの背景がよく分からない人のために解説すると、日本がモデルということで、遊郭の遊女は基本的に借金のカタに家族や夫に売られた女性でして、彼女らは借金を返すために年季が来るまで働いています。しかし、大金を遊郭の楼主に支払うことで年季が明ける前に遊女を引き取ることが出来ました。それが”身請け”です。通常、遊女の客が身請けをするわけですが、楼主に支払うお金は遊女自身の負債と身代金で、花魁ともなるとその身代金は途方もない金額だったようです。
小紫は客に自身の身請けをそそのかせ、客が用意した身請け金を着服することを繰り返している模様です。
しかし、このように始めから悪女として描かれている場合、裏があると疑うのが自然というもの。
927話
前回は禿の
トコと花魁の
小紫が接する上のシーンにやや恐怖を覚えましたが、今回、小紫が悪女として描かれたことで、こちらの優しい描写が小紫の本質なのでないかと感じ始めました。
また、小紫の登場の後、場面は
お玉と
モモの助がいる編笠村に移り、モモの助が妹の
日和(ひより)への想い語っています。
お玉:妹がいるんでやんすか?もも君!
モモの助:(略)そう妹がおる…!! 生きておれば26のとし
モモの助:母の死を見た者はいても日和が死んだとは誰からも聞いておらぬ
ーーだからどこかで必ず生きているとせっしゃは信じておる!!
お玉:ふーん会えるといいでやんすね
モモの助:いや会わぬ
お玉:?
モモの助:日和のすじょうが知れたら必ずオロチに狙われる!!
会うのは戦に勝った時のみでござる!!!
この場面展開、普通に読み解けば、小紫の正体が日和ということです。
日和についてはタイムスリップせずに残ったとは予想されましたが、現在どうなっているかは全く不明でした(
920話考察)。モモの助が日和は生きていれば26歳と言っているので、日和は当時6歳でモモの助の2歳年下の妹だったことが分かります。
タイムスリップせずに残った家臣が日和を守っているとも考えられましたが、小紫が日和だとすると、遊郭にはどのような経緯で入ったのでしょうか。そして、小紫がお金を集めている理由も気になるところです。ワノ国の貧しい地域にお金を流しているというような美談が期待されますが・・・