(前略)そんな『ONE PIECE』の劇場版最新作『ONE PIECE STAMPEDE』が8月9日(金)に公開予定なのだが、実はUTが麦わらの一味の衣装デザイン協力をしているのである。嬉しい!
『ONE PIECE』の衣装は“実在する形状”をベースにしつつも、漫画的な遊び心が必ず盛り込まれている。そんな尾田先生が描くこだわりの世界観に果たして迫れるのか。幾度とないやりとりの結果がこのとおり。上段が我々UTのデザイナー陣が監督からのお題“夏休み”をテーマに考え抜いた案を、尾田先生の監修を経て、映画のキャラクターデザイン、佐藤雅将さんが仕上げたのだ。
当初のUT案のルフィは巨大なカブトムシを背負わせてたり、フランキーの肩は提灯仕様だったりと程よくハチャメチャだったが、「フランキーは少年的に格好よくてバカバカしいがテーマです」との尾田先生のアドバイスを受けながら、UTと映画スタッフが団結しアイデアを積み重ねデザインを練りあげた。最終的に「かわいいですね」とのコメントを尾田先生から頂けたのが一番の思い出。これから映画で実際に動くのが楽しみすぎる。
あっ、どこでこの衣装を着ているのかというと、映画冒頭のシーンで出てくる予定。ルフィたちはサニー号でわいわいと夏休みを満喫しているのだ。ルフィの背負う花火の打ち上げ筒も劇中どのように使われているのか? ちなみに本編でチョッパーが着ている万博マークTシャツはそのまま商品化! もちろん、『ONE PIECE』のTシャツは今回もたくさんご用意!
(ユニクロUTページ:https://www.uniqlo.com/jp/utdirectory/contents/mangaandanime/)
(前略)――ユニクロといえば、UTでこれまでも『ONE PIECE』のグラフィックTシャツを作ってきましたが、今回はどのような形で劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』に関わられているのでしょうか。
小山:ユニクロさんと映画での取り組みについて打ち合わせする中で「映画劇中に登場する衣裳がそのまま商品化されて、実際に映画公開期間中にユニクロさんの店頭に並び、お客さんもキャラクターと同じ服を着れる…といった仕掛けは楽しそうだ」という話になったのがきっかけでした。そこから、ユニクロのUTデザインチームが監督やアニメーターと入念な打ち合わせを行い、劇中に登場するTシャツのデザインだけでなく、劇中で麦わらの一味が着る衣裳のデザインを行いました。
――そういった流れから、海賊万博のマークも生まれたんですね。
小山:打ち合わせ中「海賊万博の主催者は商売人だから、きっと万博記念Tシャツなどの限定グッズを作って大儲けを企むんじゃない?」という雑談的な会話が出まして、そしたら早速ユニクロさんが海賊万博Tシャツのデザイン案をいくつか出してきてくれたんです。それが素敵なデザインだったので、そのなかの一つを海賊万博マークにしようと尾田さんにお見せしたら、尾田さんが手直ししてくださって、最終的にできたのがバッジの海賊万博マークなんです。
――なるほど。ユニクロさんのデザイン案が、尾田先生の手を経て現在の形になったんですね。これは楽しみです。
小山:この海賊万博Tシャツは、映画本編ではチョッパーが着て動き回ります!チョッパーが着ているものと同じデザインのTシャツがユニクロの店頭およびオンラインストアで販売される予定です!
チョッパーをはじめ、劇中で麦わらの一味が着用する「宝探し服」と「夏休み服」と呼んでいる衣裳のデザインについてもユニクロさんとコラボレーションを行いました。まず衣裳の大元のコンセプト「夏休み」「宝探し」を監督からお伝えし、具体的なアイデアやデザイン案をユニクロさんのUTデザインチームとアニメキャラクターデザインの佐藤(雅将)さんからそれぞれ出して頂きました。服飾のプロとアニメのプロの両方の感性から出てくるアイデアの良いところをお互いにミックスしてデザインを仕上げていく過程は、今までにない作り方だったこともあり、見ていてとても楽しかったです!そしてこちらが夏休み服のデザイン画なんですが…ユニクロのUTデザインチームのみなさんの一味の絵が、それぞれのキャラの立ち方や表情などとても上手だったので、ほぼそのままの形で世に出せることとなりました。とても『ONE PIECE』が好きな方に担当していただいたおかげで、すばらしいものができたと思います。
――これらの衣裳デザインは、どれくらいの期間で仕上げられたんですか?
小山:劇中内の衣裳を実際に商品化するということは、それ自体は割と馴染みのある施策なのですが、今回一番ポイントになるのが「映画公開期間中に販売できること」でして…!映画の制作スケジュールと、Tシャツを制作して全国のユニクロ店舗に置かれるまでのスケジュールの両方を成立させるために、コラボレーション決定後締め切りまでがわずか2か月というタイトなスケジュールだったんですが、両スタッフの息がとても合ったおかげで間に合いました!一発目からユニクロさんの作品への理解と愛を感じるデザインが上がってきて、見た瞬間に監督と「これならいける!」と喜びました。たとえば、サンジはユニクロさんの初期デザインがほぼそのまま採用になっているのですが、ネクタイ柄がプリントされたTシャツにぐるぐるマユゲの刺繍が施されたデニムを着用していたりと、服飾デザイナーならではのおしゃれな工夫が施されていて、さすがだなと感じました。
――その他にも、ふだん洋服を作られている方ならではのこだわりを感じたポイントはありましたか?
小山:デザインスケッチの横に生地の指定がされていたことですね。その指定があったおかげで質感の出し方などがよりハッキリと理解できたのですが、本当に着られそうな、お店で売っていてもおかしくないようなモノをデザインしていただけたんじゃないかと思います。
――デザインを依頼される際には、どのようなオーダーをされたのでしょうか。
小山:具体的なデザインのコンセプトなどはお伝えしましたが、大枠でのテイストやターゲット感などはあまり話はしなかったと思います。というのも、長年『ONE PIECE』とユニクロさんはご一緒させて頂いている仲なので、根元となる部分は言わずともしっかり捉えて頂いているという感覚が両者にあるから、そこを飛ばしてよいものを作ることができたのだろうと思っています。尾田さんが前に「『ONE PIECE』を好きな人にやってもらうのが一番です」と、これは衣裳やデザインに限らずの言葉ですが、おっしゃっていた通りで、今回ほんとうに素敵な衣裳が完成したと思います。
(ONE PIECE.com:https://one-piece.com/news/detail/20190227_8739.html)