・都落ち
ナミたちが今いる「えびす町」に花の都を追われて都落ちした新入りが3人やって来たようです。この3人は
928話で登場した、
小紫に貢いで破産した哀れな男たちです。小紫=日和の線が早々に見えていたため、初めから怪しい男たちでしたが・・・
小紫は客に自身の身請けをそそのかせ、客が用意した身請け金を着服することを繰り返している模様です。
しかし、このように始めから悪女として描かれている場合、裏があると疑うのが自然というもの。
<928話考察>
書きませんでしたが、小紫の悪エピソードがブラフだとすれば、被害者にあった男達は実は悪行で財を成していた者達と予想されます。
<928話コメント返信>
・・・真相はやはり、都で3人は随分悪いことをやっていたようです。3人はグルで役人を買収し、下っ端の「
ブン業」は夜な夜な町に火をつけて回り、材木屋の「
凡ゴウ」は火事による家の建て直しで儲かり、僧侶 兼 桶屋の「
びん豪」は火事で死んだ者の遺族に高値をつきつけて儲けていたのだとか。
この話を聞いたナミは花魁が意図して彼らを破産させたと予想しています。気になるのは彼らのような者たちに貢がせた莫大なお金を日和はどうしたのかということです。決戦のための軍資金としてどこかに貯金しているのか、はたまた貧しい里に隠れて資金援助をしていたのか。
なお、捕まったベポ達が作戦を漏らしたに違いないと
しのぶに疑われて気を悪くした
ローはいなくなってしまったようです。
・反逆の火種
引き続き、
ヒョウ五郎と一緒に”大相撲インフェルノ”という名の処刑の土俵に上げられた状況で「
触れずに弾く」武装色の覇気の修行に励む
ルフィ。意外にもヒョウ五郎がその覇気を使えることが判明したのが
前回までの話でした。
939話
”覇気”に相当する力はワノ国では”
流桜(りゅうおう)”と呼ぶそうで(前回出てきたワード”豪剣”は”流桜”を使った剣術のこと?)、元々「流れる」という意味があるとのこと。ヒョウ五郎は拳に力を込めるのではなく、覇気を拳に流すのだと指導しますが、ルフィはまだそのイメージが全然つかめない様子です。ただただ、ルフィの相手をする百獣海賊団の下っ端たちが倒れていくのでした。
そして処刑は終わらず、そのまま夜になり続きは明日となりました。採掘場が寝静まった頃、
雷ぞうが
カリブーと共にルフィとヒョウ五郎の前に現れます。雷ぞうが間違って手に入れた海楼石の錠の鍵(
936話)はカリブーの手錠のものだったわけです。カリブーは相変わらずの様子ですが、雷ぞうはカリブーの能力を買っているようです。カリブーの顎に”逆三日月”にあることを見込んだかどうかわ分かりません(笑)(
926話考察)。
ヒョウ五郎は雷ぞうが生きていたことに驚き、モモの助も生きていることを知らされ、20年後の今、反逆の狼煙が上がろうとしていることに武者震いするのでした。無論、ルフィ達の作戦に協力する意思を示したヒョウ五郎は、錦えもん達が花の都で同志集めをしていると聞いて、ここ囚人採掘場が同志集めにうってつけの場所であることを指摘します。
と言うのも、ヒョウ五郎を含めてここにいる
囚人達の罪状のほとんどが「オロチへの反逆」だからです。ここにはヒョウ五郎のようにかつてのワノ国を裏で支えたヤクザの親分たちも収容されているようで、彼らも喜んで光月家のために戦ってくれるとヒョウ五郎は言います。囚人採掘場には全体で
何万人という囚人が収容されているらしく、そのほとんどがオロチへの怒りを持っている同志だとすれば、錦えもんが目標としていた
理想の戦力5千人(920話)は優に達成されることになります。錦えもん達はそこに気づいておらず、盲点だったようです。
また、今回のエピソードではヒョウじいという年寄りの囚人が妙にフィーチャーされています。ルフィを感情的にさせる役割があったと考えられるわけですが、ワノ国において肩と背中にガッツリ刺青が入っているところを見ると、もしかすると只者ではないのかもしれません。ワノ国では光月家の関係者は弾圧されている様子でしたので、囚人の中にはそういった人物もいるのではなかろうかと思うわけです。ヒョウじいがそういう人物かどうかは分かりませんが、ルフィがヒョウじいを助けたことで何か良いことが起きそうな予感はします。
<926話考察>
ルフィ「そうか!!じゃあこの場所ブッ壊したらみんな味方になってくれるのか!!!」
ルフィが壊すのが先か、おリンが壊すのが先か・・・。
一方、頭山盗賊団の酒天丸こと赤鞘九人男の一人、
アシュラ童子の引き入れに画策していた錦えもんとイヌアラシは酒天丸の名を騙って桃源農園から食糧、武器工場から武器を盗み(929話)、アシュラ童子が百獣海賊団と否応なしに戦う状況を作っていたわけですが、ついに博羅町の
ホールデムが動き、頭山に放火する手荒な手段に出た模様です。アジトの放火がホールデムの仕業だと分かったアシュラ童子は博羅町に向かい、それを察知した錦えもんとイヌアラシも動き出すのでした。結果的にかなり手荒な方法になっていますが、果たしてアシュラ童子の勧誘はうまくいくのでしょうか。
・丑三つ小僧の正体
小紫の葬儀が行われようとしていた花の都では義賊の
丑三つ小僧が捕まり、大きな話題になっていました。しかも、その正体は只者ではなく、かつての
「白舞」の大名だったので大騒ぎです。
オロチは「白舞」の大名が生きていたことに驚くも、すぐに国中に見せしめにして処刑することを命じます。ワノ国では電伝虫の代わりにスマートタニシ(略してスマシ)が使われていますが、映像電伝虫の代わりには
光画(ひかりえ)タニシが使われており、これにより羅刹町牢屋敷の前で磔にされた丑三つ小僧の姿が国中に中継されたのでした。
941話
ヤス、お前・・・
えびす町には度々、丑三つ小僧が現れているとのこと。丑三つ小僧は926話にて都を騒がせている人物として名前だけ出ていた義賊で、都の悪い金持ちから金を盗み、貧乏長屋にそれをばら撒いているようです。反乱の同志かもしれません。
”犯人はヤス”という古の言葉があるわけですが(元ネタはファミコンソフト『ポートピア連続殺人事件』)、丑三つ小僧は昨晩も現れており、ゾロと一緒に行動して都を離れていたヤスにそれが可能かは微妙なところです(ヤスと出会ってから一晩経っているのかよく分からない)。ともかく、このヤスという男は悪い奴ではなさそうですが・・・。
<929話考察>
えびす町でヤスに会った際にはヤスが誰か分からなかった
カン十郎と
しのぶでしたが、光画に映ったヤスの髪型を見て、”ハリネズミの康”と呼ばれた「白舞」の大名・
康イエだと思い出すのでした。名前の由来はもちろん徳川家康からでしょう。
ここでヤスの名前「卜の康」にヒントがあると考えてみます。
そもそも、光月家の有力な武士であるカン十郎より身分が上の人物となると、将軍家を除けば大名ぐらいしかいないわけでして……
「卜の」=「殿(との)」……(笑)
そんなまさかとは思いますが、不思議と説得力があるでしょう?w ヤスが正体を隠していたすればこの名前も本名ではないわけです。「康(ヤス)」とは徳川家康の「康」だったのでしょうか。ヤスが大名だったと仮定すると、考えられるのは”希美(きび)”の大名です。
<938話考察>
934話
ワノ国の現状やかつてのワノ国の状況にはまだ分からないところがありますが、当時、将軍だった光月スキヤキに仕えた「白舞」の大名の康イエは、状況から察するに将軍オロチに仕えることを拒否したのか、将軍オロチが他の大名を全て滅ぼそうとしたのかもしれません。ともかくオロチと康イエが敵対していたことは間違いありません。
さらに驚きなのは、940話で
おトコが
ヤスの娘だと判明していることです。やはり、おトコは
姫だったのです。
小紫はゾロに対して語りかけるように秘密を明かしているので、おトコは前から小紫の正体について知らされていたと思われますが、それはいつなのかと。命を狙われて一緒に逃亡してからならば(小紫は死んだことになっている)、運命共同体のおトコに秘密を語ったとしてもおかしくありませんが、それ以前だとすると小さな子供にわざわざ人に知られては困る秘密を漏らすだろうか、と。
もしその可能性があるとすれば、おトコも小紫(日和)と同じ様な境遇にあるのではないかと考えてしまいます。「卜の康」が殿のヤスならば、「おトコ」はお殿の子ですか?!そんでもって「おトコ」は「卜の康」の娘という……そんな偶然、漫画ならあり得ます・。・
<938話考察>
このままオロチに処刑されることを覚悟した康イエは、
皆に詫びたい事が二つ、
オロチに言いたい事が一つあると言います。
オロチに言いたい事はおそらく反逆の士気を高めるような事、
詫びたい事の一つはおそらくオロチに国を治めさせてしまった事と予想されますが、詫びたい事のもう一つは何でしょう?
そもそも、丑三つ小僧はどうしてこのタイミングで捕まることがあったのでしょう? ここで考えられるのは、
決戦の作戦を敵側に漏らしたのが、意図的か事故的かわかりませんが、実は康イエではないかという事です。これのミソは、康イエは自身が捕まればオロチは必ず見せしめのため国中に光画で処刑の様子を中継すると読んでいたはず、ということです。
つまり、康イエは作戦が漏れた責任を取ってか、意図的に自ら犠牲になって、国中に光月家が本当に帰って来たことを伝え、反逆の士気を高めようとしているのではないかと思われます。何せ、康イエが捕まったのは、作戦の判じ絵を配っていたのが20年前の姿のままのカン十郎を含む光月家の者達であることを康イエが直接確認した直後です(
938話)。940話ではヤスの自己犠牲と博愛の精神が強調して描かれており、康イエが自ら犠牲になる事は十分に考えられます。20年経っても康イエへの民衆の支持は非常に高いようで、康イエもまた民から愛された大名だと分かります。その彼からの言葉はきっと民衆の心に届くはずです。
光画で康イエが作戦を漏らしたことを告白すれば、しのぶのベポ達への疑いが晴れ、ローと和解する流れになりそうです。康イエが意図的に作戦を漏らしたとすると、例えば、判じ絵が誰かのイタズラだと誤解したのかもしれません。