<ONE PIECE>アニメ放送前はドタバタ 実質3カ月の突貫工事で制作、放送へ
アニメ「ONE PIECE(ワンピース)」のイベント「宴島2019~真夏のモンキー・D・ルフィ島」が開催中の神奈川県横須賀市の無人島・猿島で10月19日、トークショー「『ワンピース』アニメ放送20周年前夜祭 “宴島”ワンナイトパーティー」が開催された。1999年にスタートしたテレビアニメが20周年を迎えることを記念したイベントで、放送開始当時のスタッフがアニメ放送前のドタバタを明かした。
アニメの初代プロデューサーの東映アニメーションの清水慎治さんは「20年前の10月20日が第1回の放送でした。6月中旬に『やれ!』と言われ、そこから突貫工事でやらないといけなかった。(一般的に)大体、アニメが始まるまで1年くらいあるんですけどね」とコメント。
アニメの初代シリーズディレクターの宇田鋼之介さんは「(準備、制作期間は)実質3カ月でした。シナリオも何もなくて、原作しかなくて、できるのか!?となった。オープニングのコンテを一晩で上げた」と明かし、原作の初代編集担当の集英社の浅田貴典さんは「今から考えると、急にもほどがありますね」とうなずいた。
モンキー・D・ルフィ役の田中真弓さんは「そんなに突貫工事だったんですね! 初めて聞くことばかり」と驚いていた。イベントには、ナミ役の岡村明美さん、ウソップ役の山口勝平さん、初期エンディングテーマ「memories」「RUN!RUN!RUN!」などを担当した大槻マキさんも登場した。 (後略)
(まんたんウェブ)
ーー『OP』の楽曲を手掛ける事になった経緯を伺えますでしょうか?
田中:今はお亡くなりになってしまったのだけど、東映動画(現在の東映アニメーション)の高見さんという方とお付き合いがあって、アニメ映画とかを一緒にやっていたんです。私の事を良くわかってくださった方で。その高見さんが、『OP』初代プロデューサーの清水さんを紹介してくれたんですね。清水さんも私の仕事を大分注目してくれていた様で、『OP』が来たらこの人にしようと、一番最初から決めていたと聞きました。それで'99年に高見さんを通して、清水さんから話が来たと。当時の手帳を振り返ってみたらね、'99年は、怒涛の1年でした。8月には別の2作品の打ち合わせやらレコーディングが入っていて、その中で8月24日にはすでに『ウィーアー!』の打ち合わせが始まって…10日ほどで作って、9月4日にはもう『ウィーアー!』のレコーディングが始まって…9月5日には別作品のレコーディング、9月6日には『ウィーアー!』の歌入れ。日替わりで作品が変わって大忙しでした。
8月24日の打ち合わせでは『OP』の劇伴の打ち合わせも込めてたんで、9月19日は『OP』の劇伴のレコーディングも始まりました。
ーー息をつく暇も無いという感じですね。
田中:監督の宇田鋼之介くんが「とにかくあんな大変な事はない」って言って、火を吹いていたからね。オープニングなんかは、普通は3ヶ月以上前に発注しておかないといけないのに、仮尺が決まったのが9月4日で…8月24に打ち合わせをしてから、曲録りまでおおよそ10日間ぐらいしか無かった。24日は家に帰ってきて、その日の晩には書いた様な気がする…。それで時間が無いから、すぐにデモテープを作って。すごい勢いで仕上げました。
(『ONE PIECE magazine Vol.7』田中公平が視るONE PIECEより抜粋)
きただにひろし:人生を変えた「ONE PIECE」 8年ぶり主題歌「OVER THE TOP」の挑戦
(前略)「ウィーアー!」「ウィーゴー!」は、平成を代表するアニソンで、きただにさんにとって「人生を変えた曲」になった。当初、きただにさんは「ウィーアー!」は仮歌のみを歌うことになっていたが、そのまま歌うことになったのはファンの間ではよく知られているエピソードだ。
「1994年にデビューして、レコード会社に戦力外通告を受け、路頭に迷いそうになっていた。『ウィーアー!』で人生が変わった。すごいことですよね。この曲に出会えたのは、夢のよう。歌がうまい人はたくさんいるけど、こういうチャンスをいただけたことがラッキーだった。先日もアラブ首長国連邦(UAE)で『ウィーアー!』を歌ったのですが、みんなで合唱してくれた。国境、文化、宗教を超えて愛されている。こんなことってあります!? 『ONE PIECE』が自分の人生の大半を占めている。いい人生ですよね。皆さんのおかげです」
「ウィーアー!」以来、約12年ぶりに「ウィーゴー!」で「ONE PIECE」の主題歌を担当することになった。アニメが新世界編に突入した際、「ウィーゴー!」が新主題歌として放送された。当時を「とにかくプレッシャーだった」と振り返る。
「『ウィーアー!』はそれまでで一番緊張した曲。『ウィーゴー!』は一番プレッシャーがあった曲です。スタッフもみんなプレッシャーを感じていました。アニメが新世界編に入り、何だよ……と思われたくなかったんです。難しい曲ですしね。初放送の時は、エゴサをしまくり、『帰ってきた!』というファンの声に感動しました。本当に幸せなことです」(後略)
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