・光月おでん武勇伝その4
前回から続いて、
30年前のワノ国の回想です。白ひげ海賊団が九里に漂着し、船を修理している間、海へ出たい
光月おでんは
白ひげに自分を連れて行って欲しいと何度も懇願します。しかし、白ひげは おでん が人の下に付けるタイプの人間ではないことを見透かし、ロックス海賊団の経験から、おでんを仲間に加えるとチームがダメになると考え、これを認めません。また、
錦えもんら家臣たちも大名が海賊の船に乗って出国するなど前代未聞として断固反対します。一方、世界の島の数は5つだと思っていた
イヌアラシと
ネコマムシは、
マルコから島は数え切れないほどあると教えられ、世界の広さに衝撃を受けるのでした。
漂着から2週間が経過した夜のこと、船の修理を終えた白ひげ海賊団は黙ってワノ国から出航します。が、これを読んでいた おでん は船に鎖を巻きつけて牽引される形で強引に出航に付いてくるのでした。また、この おでん の行動を読んでいた
イゾウも おでん を止めるために付いてきます。側から見れば、国から王族を誘拐する形になることも嫌っていた白ひげですが、付いて来てしまったものはしょうがないと、考えを変えます。
そして、なんだかんだあり(割愛)、白ひげも白ひげ海賊団の船員たちも おでん を認め、仲間として迎え入れるのでした。この際に、おでん について来たイゾウ、船に隠れて乗り込んでいたイヌアラシとネコマムシ、そして道中のとある島で おでん が人攫いに襲われているところを助けた
天月トキも白ひげ海賊団に同行することになります(後に白ひげ傘下に入るタコトパス海賊団船長の
カルマは、この時、人買いを生業にしていたようですが、白ひげにあっさり倒されます)。
後に、モモの助と日和を産むことになるトキと おでん が海外で出会っていたというのは意外でした。この時のトキの年齢は26歳で、タイムスリップする能力で未来へ何度も飛び、この時代に辿り着いたようですが、生まれたのは
800年くらい前だと言います。800年くらい前となると、”空白の100年”に当たります。つまり、
トキは”空白の100年”に何が起きたのか知っている生き字引である可能性があるわけです。
そして、トキの目的はというと「
ワノ国へ行く事が幼き頃からの念願」だと言います。トキの格好は和装で、いかにもワノ国の人なのに、ワノ国へ行くことが幼い頃からの念願だというのは不思議な話です。しかし、トキの着物をよく見ると、
丈がもの凄く短いことがわかります。錦えもんがナミやキャロットのためにフクフクの能力で見立てた着物ではないですから、これは不自然です。そうなると、
トキは幼い頃に何らかの理由でワノ国を出国し、そしてワノ国に帰れなくなったのではないでしょうか。幼い頃に来ていた着物を成長した今でも一張羅で着ているというわけです(ワノ国の刀はどうしたものでしょう?)。
また、苗字に漢字で「月」が入った「天月(あまつき)」という名前は「霜月」や「光月」のようなワノ国の大名家の名前に似ている点も見逃せません。そして、着物の「三日月」柄は光月家のシンボルに似ており、鳥(?)が図案化されているのが光月家と異なるところです。これらの特徴は
トキが800年前のワノ国の大名家の娘だということを示唆しているのかもしれません。
トキが800年の時を駆けてワノ国にたどり着けないでいた理由としては、トキトキの能力が場所を移動する能力ではなく時間を移動する能力であるのと、短い時間単位ではタイムスリップできない可能性があります。また、帰れなくなってしまったのは出国後にワノ国が鎖国を始めた可能性が高いです。グランドラインを制覇した おでん は家臣たちに「何百年と続くこの”鎖国”には光月に深く関わる理由があったのだ」(959話)と語っています。光月家が”歴史の本文”を作った一族であることを考えると、そのタイミングで鎖国が始まったというのは十分に考えられます。
そして、ワノ国の侍が白ひげ海賊団に加入したことは知れ渡り、
ロジャーの耳にも入るのでした。