・光月おでん武勇伝その5
前回から引き続き、
30年前の回想です。
光月おでんと出会い、成り行きで おでん と共に
白ひげの船に乗ることになった
天月トキ。予想通り「天月」はワノ国の大名家の一族でした。トキは生まれの地を尋ねられても、
両親の故郷がワノ国ということしか分からない、だから私にはワノ国しか目指す場所がないのだと言います。つまり、物心ついた時に両親はいなかったのか、両親から詳しい話は聞けていない様子です。もしかすると、トキが海外にいる経緯すら、トキ本人は知らないのかもしれません。
おでん:おそらく この船は当分「ワノ国」へは行かせねぇ 不運だったな
トキ:いいの!あなたと居ると目的地に着いた様な気持ちになるから
おでん:ん??なぜだろうな
トキ:うふふ なぜかしらね
うふふふふふふふ・・・・
これは『ONE PIECE』で初めて描かれた男女の恋愛模様でしょうか。
マルコと
ジョズが別漫画の様になってしまうほど異質です。これは白ひげの予言通り、チームをダメにしてますね〜w
時系列から予想して、おでん は1年の航海でトキとともにワノ国に一旦帰国すると思っていましたが、白ひげ海賊団はワノ国に寄ることもなく、そのまま航海を続けることになります。したがって、
モモの助は出航から2年目に白ひげ海賊団の船上で生まれることになります(なお、ONE PIECE図鑑「ビブルカード」では出身が”船上”になっている者が存在しますが、モモの助は九里となっています)。
イゾウは おでん にワノ国への帰国を勧めますが、おでんはまだ答えが出ていないと航海を続け、出港から4年目には
日和も誕生するのでした。海賊船で子作り&子育て・・・おでんも大概ですが、トキも相当なものです。
なお、モモの助の名前は おでん が”
天下無敵”を表す言葉として命名しています。これがどういう意味かと悩みましたが、調べてみるとモモの花言葉に「天下無敵」があるようです。
人数が多くなった白ひげ海賊団は、白ひげの提案でこの頃(28年前)から5つの部隊を編成するようになったようです。おでんは白ひげから2番隊の隊長を任せられます。そして、この頃に孤児で後に黒ひげと呼ばれる
ティーチが加入しています。
また、この頃の白ひげ海賊団の中には、おでんやイゾウ、トキの他に和装の人物が描かれており、彼は頂上戦争の際に参戦していた白ひげ海賊団傘下の
キンガだと思われます。白ひげが実は九里で侍を拾っていたのか、トキと同じような境遇だったのか。詳細は不明です。
そして、おでん出航から4年目(26年前)のある日、ある島で白ひげ海賊団はロジャー海賊団と邂逅することになるようです。時系列から、
ロジャーはここで おでん を見出し最後の航海にスカウトすることになるはず。”答え”を求めていた おでん はラフテルを目指すロジャーの誘いに乗ったのでしょう。トキとモモの助、日和は おでん に同行してワノ国に送り届けられるものと予想されます。そして、イゾウが白ひげ海賊団にそのまま残ることになった経緯が描かれるはずです。
・黒炭家の陰謀
おでんが不在のワノ国では
黒炭オロチの計画が着々と進められていました。この計画は単純にオロチが将軍になるという野心からではなく、光月家に恨みを持つ、
かつてのワノ国の大名家である「黒炭家」の陰謀でした。
康イエの小間使いになる前に、オロチは古びたお堂で、「祟りじゃー!」と今にも言いそうな
見知らぬ婆さんに黒炭家にまつわるオロチの祖父の話を聞かされます。
先先代のワノ国の将軍家の光月家に仕えた大名家は「
霜月家」「
黒炭家」「
雨月家」「
天月家」「
風月家」の5つがあり、当時の将軍には世継ぎの子供が生まれず、次期将軍は大名家の中から選ばれるかもしれないという状況だったそうです。そこで黒炭家のオロチの祖父は自分が将軍になるために、他の大名たちを毒で暗殺する計画を立てたと言います。計画は順調に進み、大名が次々と暗殺される中、光月家についに世継ぎの
光月スキヤキ(先代の将軍)が誕生してしまいます。計画は無に帰り、さらに暗殺計画がバレて、大名家の黒炭家はお家断絶となったのでした。そもそも、将軍家も含めて他の大名家の名前には「月」が入るのに、黒炭家だけ「月」が入っていないのは謎めいています。
この婆さんは自分が誰かは明かしませんが、
おそらくオロチの祖父の母親、つまりオロチの曽祖母ではないかと思われます。今まで国外に逃亡していたそうです。この婆さんは先代の
マネマネの実の能力者であり、おそらく毒殺の実行犯だと思われます。うまく国外逃亡できたのも能力のおかげでしょう。婆さんはオロチに知恵を与え、オロチを将軍にさせるべく、協力して計画を進めるのでした。武器を生産して、カイドウの後ろ盾を得たのは婆さんの入れ知恵だったようです。
計画はまず、金を貯めることから始まります。オロチは白舞の康イエのもとに転がり込み、金庫の盗みを重ね、次に九里のおでんを何度も訪ねて、金を借り続け金を貯めていきます。そして、おでんに扮した婆さんとともに花の都を訪れ、城に転がり込むことに成功します。その後は、タイミングを見計らって将軍スキヤキを毒殺したのか、幽閉したのか、ともかくスキヤキ不在の間に婆さんがスキヤキに扮して、おでん不在の間はオロチを将軍代理に置くと宣言するのでした。この後、スキヤキの訃報が広まり、オロチは将軍として権力を振るうことになるわけです。もちろん、おでんが帰って来ても将軍の座を返すはつもりはないでしょう。
結局、康イエが言っていた「おでんの大恩」というのは金を何度も借りていたことになるでしょうか。この過去が明らかになってくると、体調が悪いという話もあった将軍のスキヤキを国に残して、大名なのに4年以上も国を不在にしていた おでん にかなり責任があるような気がしてきます。おでんが不在でなければ、何の問題もなく おでん が将軍になっていたわけですから。しかし、おでんがカイドウに勝てたかは分かりませんが。