・夕立 カン十郎
図らずも内通者の黒炭カン十郎を出し抜き、炙り出すことに成功した錦えもん。同志の侍達も無事に集合し、いざ鬼ヶ島へ!と言いたいところですが、
モモの助は
カン十郎に捕まったままです。カン十郎の任務はモモの助を生け捕りにすることのようで(カイドウは光月の生き残りに聞きたいことがあるという話だった)、モモの助を連れて能力で描いた鶴に乗って飛び去ろうとします。
河松やサンジがそれを阻止しようとしますが間に合わず。逆にカン十郎は能力による空からの広範囲攻撃を仕掛けて追っ手を寄せ付けず、うまく逃げ去っていくのでした。
〝墨雲〟〝墨の矢〟〝浮世夕立ち絵図〟
カン十郎の能力については筆に悪魔の実を食べさせている可能性もありましたが、今回の髪の毛を筆にして毛髪から墨を吐き出している描写からカン十郎本人が超人系能力者だと分かります。また、筆で描かなくてもある程度のイメージを具現化させることができるようです。
〝浮世夕立ち絵図〟のモチーフになっているは歌川広重の有名な「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」かと思われます。「大はしあたけの夕立」では黒い雨雲が画面上部に描かれ、夕立が黒い線で表現されています。カン十郎の二つ名は「
夕立」ですが、〝墨雲〟や〝浮世夕立ち絵図〟は錦えもん達も初見の技なので、どういう経緯で「夕立」の異名が付いたのかは謎です。
画力によってはマネマネの実の能力のように厄介な能力でありつつ、自由度が高い攻撃も併せ持っているカン十郎の能力は敵にすると非常に厄介ですが、能力が「墨」だということを考えれば、おそらく水が弱点だと思われます。戦うとすればナミは相性が良さそうです。また、アラバスタ編ではマネマネの実の能力対策として「仲間の印」が考案されましたが、今回は偽者を疑う時は相手に水をぶっかければいいのではないでしょうか(笑)。
・お控えなすって
百獣海賊団の海賊船は近代の戦艦をモチーフにしており、本話では長距離砲を備えた百獣海賊団の海賊船による
戦略的な砲撃戦が描かれています。鬼ヶ島へ敗走したように思われた百獣海賊団の海賊船の一隻は実は距離を取って長距離砲で砲撃をする作戦でした。
こうなってしまうと、海戦においては長距離砲を持たない侍達の船は一方的に攻撃を受けて壊滅しかねない状態でしたが、百獣海賊団の船は海面から突如攻撃(〝槍波〟)を受けて沈みます。ーーー 待望の
ジンベエの登場です。
「どちらさんもお控(ひけ)えなすって!!!」で始まり、ここでジンベエは任侠の流儀で仁義を切ります。
どちらさんもお控(ひけ)えなすって!!!
手前生国と発しますは海底の国リュウグウ王国「魚人街」
方々のお兄いさんとお姐えさん方に厄介をかけながら
この度〝麦わら〟の親分さんに盃を頂く駆け出し者にござんす!!
人呼んで〝海侠のジンベエ〟
以後面体お見知りおきの上よろしくお頼み申します!!!
要は自己紹介の挨拶の口上でして、時代劇が好きな栄ちゃんらしい描写かと思います。時化の海上でだいぶ距離が離れているのに声が聞こえるはずないだろと野暮なことを思ってはいけません(笑)。このシーンを読んだ時に私の頭の中では『キングダム』の汗明のバトルマーチ?の「ドドンドドンドン!汗明!」のリズムで「
べべんべべんべん!ジンベエ!」の音が鳴っていました(笑)。
万国からの脱出の際に、追ってくるビッグ・マム海賊団に対して殿(しんがり)役を買って出て、そのまま消息不明だったジンベエですが、ルフィとの約束通りこうして無事に生きて戻ってきました。劇中でついにジンベエを加えた麦わらの一味が勢ぞろいすることになります。メタ的な予想になりますが、ネコマムシはまた次のピンチの時の登場になりそうです。