・討ち入り進行中
鬼ヶ島の正面入り口では正体がバレた
ルフィ、
ゾロ、
キッド、
キラーらが百獣海賊団と交戦中です。
前回、
アプーの能力「戦う音楽」について共振という現象で理屈を付けてみたのですが、どうやら違ったようで(やはり悪魔の実の能力に理屈を求めるのはナンセンス…笑)、本話では
耳を塞いで音を遮断することで呆気なく攻略されています。アプーの能力の攻撃範囲は「
音が聞こえる距離」と解説されており、攻撃範囲は攻撃対象の聴力に左右されることになります。つまりインヴィジブル・シンフォニアシステム(耳栓)があれば、アプーはただのオモシロ楽器人間です。ただし、音さえ届けば必中の攻撃という点は注意です。
ルフィ、キッドらは出来るだけ戦闘を避けてカイドウの城を目指すことを選択したため、アプーはこの場で倒されることはありませんでした。アプーがどこかで奇襲を仕掛けてくる展開になりそうです。その一方、キッドに対して「おれ達が手を組んだ程度で四皇を一角でも潰せたと思うか?」と言っていたアプーですが、カイドウとビッグ・マムの形勢が不利になった際には裏切るということもあり得ると思います。それは元々、四皇を討つために海賊同盟を組んだ
ホーキンスにも言えることで、それが最悪の世代でしょう、と。
百獣海賊団はルフィらと侍達をまだ結びつけていません。ローの目論見通り”バカ”が正面で囮になってくれているおかげで(カン十郎がまだオロチの元に辿り着いていないのも然り)、侍達の上陸はまだ敵に気づかれていません。鬼ヶ島の東側を回って裏口に向かっていた
錦えもん率いる東軍は山道半ばで軍を二手に分けます。半分は裏口に向かわず、そこから内部に潜入して襲撃の瞬間を待ち、カイドウとオロチを挟み討ちにする作戦です。想定外だったのは古い「屋敷図」には記されていない遊郭が入り口に構えていたこと。ここは飛び六胞の
ブラックマリアの館なのだとか。
遊郭の前を2千以上の兵が通るのはあまりに不自然なため進むことを躊躇した錦えもんですが、直前まで
夕顔のお蝶とブラキオタンクの上で談笑していた
サンジは遊郭を見ると吸い込まれるように遊郭に入って行きます。そして、凹んだ様子ですぐに出てきます。これを見た錦えもんは遊郭に女がいないと察し、さらに女がいない遊郭には男もいないと判断し、今がチャンスと軍を進めます。これはルフィ達の騒ぎを聞きつけて人が出払っているためです。
ナミ、
しのぶ、
キャロットらは内部潜入組に入り、
モモの助を探すとのこと。
チョッパーと
ウソップは
フランキーと裏口で合流するため、錦えもんの部隊に続いてブラキオタンクを進めます。
誰もいないと思われた遊郭でしたが、実はお粧し中の
ビッグ・マムが残っていました。遊郭に人気を察して、錦えもんはとっさに部隊に水の中に飛び込んで身を隠すように指示しますが、敏捷性に乏しいブラキオタンクは取り残され、チョッパーがビッグ・マムに見つかってしまいます。記憶が戻って以来、ビッグ・マムとチョッパーが出会うのは初めて。本来であれば、ビッグ・マムは珍獣のチョッパーをコレクションに欲しがるところでしょうが、ビッグ・マムのリアクションまでは本話では描かれていません。
・ナンバーズ登場
飛び六胞入りを狙ってルフィらを仕留めようとする百獣海賊団の中に
ナンバーズの
八茶が参戦しています。八茶は
980話のシルエットのナンバーズでしょうか。ナンバーズはSMILEの覚醒能力者と今のところ予想していますが、八茶は全然ケモノ感が無いですね。キッドの発言からも巨人族ではなさそうな
ナンバーズの巨体はSMILEとはまた別の要因があるのでしょうか?
980話
・フーの海賊団
ドレークを除く飛び六胞の中で、元海賊団の船長だと判明している
フーズ・フーと
ササキ。本話ではフーが部下と会話しているシーンがあり、彼らの猫をモチーフにした風貌が百獣海賊団のそれとは異なることから、彼らは元々フーの海賊団の船員で、そのままフーと一緒に海賊団ごと百獣海賊団に取り込まれたと思われます。注目するのは右手前の
顔に紙を貼り付けている男です。
979話
979話に登場したムササビのSMILEの
バオファンも同じ目の図案が描かれた紙を顔に貼り付けていました。また980話にも図に加えて
「目抜」と文字が書かれた同様の紙を顔に貼った百獣海賊団のモブキャラが登場しています。フーの胸にはこれに似た目の図案のタトゥーがあり、どうやら彼らもフーの部下のようです。
顔に紙を貼っている他に
彼らは和装という共通点があります(979話のキャラが和装かどうかは微妙ですが)。ワノ国で和装は不自然なことではありませんが、フーを含めて他のフーの部下達が和装ではないので、その点は不自然です。したがって、顔に紙を貼った彼らはおそらくフーが百獣海賊団加入以降に部下になった者達だと考えられます。どうして顔に紙を貼っているのかは謎ですが、「目抜」というワード、紙の下に目が見えないこと(目があったとして紙で前が見えないこと)、フーも仮面で目が見えないこと、これらがフーの能力に関係するのかもしれません。状況的にフーの元船員達に能力を使っていないことになるので、ホーキンスの能力のように、何かリスクを負わせる能力なのかもしれません。そうすると、おそらくフーは超人系能力者(パラミシア)となるので、百獣海賊団のコンセプトにそぐわない気もしますが、アプーもパラミシアなので可能性がないこともないかなと。そもそも全員ゾオン・SMILEだと戦闘が大味になりますからね。
また、前回の
クイーンの飛び六胞の一人を自らの手で消すという発言に
フーは言ってくれるじゃねーかといった態度で「殺してェ奴なら おれもいるよ」と発言しています。これは返し言葉に大看板の誰かを指しているとも読めなくもないですが、クイーンに直接返した発言ではないので、文脈的に飛び六胞の誰かを指していると考えられます。それが飛び六胞の中のライバル的存在のササキだとすると安直すぎる気がします。フーが元から海賊であることを考えると、百獣海賊団に加入する前、海軍本部少将だったドレークと何らかの因縁があったとしてもおかしくありません。
・援軍
鬼ヶ島での宴では、カイドウとビッグ・マムによる世界最強の海賊同盟の宣言が予定されており、ビッグ・マム海賊団の到着を待っているという状況でした。百獣海賊団としてはビッグ・マム海賊団の船をワノ国の正規の港(「潜(モグラ)港」)で迎えるつもりが、お粧し中のビッグ・マムの会話からは「潜港」の存在がビッグ・マムに知らされていなかったようで、ビッグ・マム海賊団は再び滝登りによるワノ国入国にチャレンジしているところでした。
ペロスペロー「この前はここであの憎きキングに…」
バサッ
ペロスペロー「え!?え〜!?キング!?あの野郎また何しに」
ペロスペロー「…いや違う!!
マルコ!!?」
マルコ「へェ ビッグ・マム海賊団の同盟話は……ホントだったのかよい」
マルコ「じゃあ退場してくれ!!”鳳凰印”」
ペロスペロー「ウッッソだろォ〜〜!!!」
スムージー「また〜!?」
・・てな感じで再び滝の底に落とされたビッグ・マム海賊団(笑)。キングに落とされた1回目の落下からここまで時間が掛かったとなると、どうやら宴はもちろんのこと、ワノ国の戦いに間に合いそうにありません。
マルコは白ひげの故郷であり形見でもあるスフィンクスの村を今は離れられないという理由で、ネコマムシからの誘いを断っていましたが(909話)、一番懸念していた
ウィーブルが王下七武海の制度撤廃により海軍から追われる立場になったため、村を離れることができたのでしょうか。マルコが参戦するとなると、キングVSマルコの空中決戦は見ものですね。
そしてビッグ・マム海賊団の船と入れ替わるように、
ネコマムシ率いる侠客団がワノ国にようやく到着しました。それもマルコとは別の白ひげ海賊団の残党の”彼”を助っ人に迎えたみたいです。
ネコマムシ「何じゃ?でっかい船が落ちてくにゃあ」
???「上を見ろ マルコの仕業だ あの戦争以来だな」
長い前髪、口紅、着物の黒い襟元が見えています。元白ひげ海賊団16番隊隊長の
イゾウで間違い無いでしょう。「あの戦争」とは白ひげ海賊団の残党と黒ひげ海賊団が戦った「落とし前戦争」のこと。
菊之丞の兄であり、
おでんの家臣だったイゾウが祖国の危機に駆けつけない理由はないでしょう。探し出したネコマムシの大手柄です。トキの辞世の句(九つの影)に準えるならば、カン十郎が抜けた代わりにイゾウが戻り、これでおでんの家臣九人がワノ国に揃ったことになるでしょうか。トキは預言者ではないので、このことにあまり意味はないのですが、グッとくるものはあります。
ところで、本話ではワノ国編の結末を占うような示唆的な発言をアプーがしています。
アプー「海賊の同盟がハッピーエンドを迎える事はねェんだ」
例えば、ビッグ・マムが食いわずらいを発症したら百獣海賊団はどうするのでしょう・・・?