『鬼滅の刃』1億2000万部突破へ、1年で累計4.8倍 最終巻は初版395万部で物語の結末に描き足しも
12月4日に発売される人気漫画『鬼滅の刃』のコミックス最終23巻の初版発行部数が395万部になることが決定し、シリーズ累計発行部数が1億2000万部(電子版含む)を突破することが25日、集英社より発表された。昨年4月6日時点(アニメ放送時)では累計350万部、12月4日時点(18巻発売)では2500万部だったため、この約1年半で約34倍、1年で4.8倍増という驚異的なペースで売り伸ばしている。なお、最終23巻は、作者・吾峠呼世晴氏が物語の結末に描き足した14ページのほか、おまけページの描き下ろし25ページも収録される。
同作はこれまで第22巻の初版370万部が最高だったが、第23巻はシリーズ過去最多となる395万部(同梱版含む)。初版300万部は、人気漫画『ONE PIECE』が2010年3月に発売したコミックス第57巻で初めて出した大記録で、当時、国内出版史上最高の数字(集英社調べ)として大きな話題となったが、今回、自己記録をさらに超えることになった。
シリーズ累計1億2000万部突破も、今年2月時点で4000万部、5月時点で6000万部、7月時点で8000万部と、10月時点で1億部と2000万部ずつ増え続け、5月に連載誌『週刊少年ジャンプ』で完結した今もヒットが続いている。なお、コミックス累計1億部を突破している『週刊少年ジャンプ』作品は、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『DRAGON BALL』、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『SLAM DUNK』、『ONE PIECE』、『NARUTO-ナルト-』、『BLEACH』で、これらの人気作に名を連ねている。
また、12月4日には、吾峠氏監修のもと、平野稜二氏の手によって描かれた漫画『冨岡義勇 外伝』と『煉獄杏寿郎 外伝』が収録された『鬼滅の刃 外伝』も発売。なお、『週刊少年ジャンプ』のスピンオフ作品史上初となる初版100万部で発行される。そのほか、23巻帯では、同作初の画集「『鬼滅の刃』吾峠呼世晴画集-幾星霜-」と、ファンブック第2弾となる『鬼滅の刃公式ファンブック第二弾 鬼殺隊最終見聞録(仮)』が、2021年2月4日に発売することも発表された。
2016年2月から20年5月まで『週刊少年ジャンプ』で連載していた同作は、大正時代の人喰い鬼の棲む世界が舞台。炭売りの少年・炭治郎は、人喰い鬼に家族を惨殺されたことで生活が一変し、唯一生き残ったが鬼になってしまった妹の禰豆子を人間に戻すため、家族を殺した鬼を討つために旅に出るストーリー。
コミックス1巻は16年6月に発売され、18年6月にテレビアニメ化されることが発表された際の累計発行部数は11巻までで250万部を超えるくらいだったが、昨年4月から9月にかけてのアニメ放送の影響で大きく人気に火が付き、社会現象化。12月4日発売の最終巻で1億2000万部を突破するが、アニメ放送時(19年4月6日)は350万部だったことから、アニメ化効果で累計発行部数が約34倍になった。
また、現在公開中のアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、公開39日間で動員数1939万7589人、興行収入259億1704万3800円を記録しており、歴代興行収入ランキング(邦画と洋画含む)で、『アナと雪の女王』(255億円)を超え、3位にランクインするなど、コミックスも映画も大ヒットを記録している。
■『鬼滅の刃』最近の累計発行部数の流れ(集英社発表)
19年4月6日:350万部(テレビアニメ放送時)※4月9日発売巻で500万部
19年9月末:1200万部(テレビアニメ終了時)
19年12月4日:2500万部
20年2月4日:4000万部
20年5月13日:6000万部
20年7月3日:8000万部
20年10月2日:1億部
20年12月4日:1億2000万部
(オリコン)
ところで、当然ながら作家名はペンネームである場合が多く、少年誌や青年誌で女性作家は男性のペンネームを使う傾向にあり、敢えて言及もされないため顔出ししない限り、作家の性別は本来分からないものです。そのため作家の性別は度々話題になります。今年からジャンプで初連載が始まった『鬼滅の刃』の吾峠呼世晴先生は絵のタッチから個人的には女性作家であろうと思っていたわけですが、プレゼント企画に提供されたのはウッドストック(ピーナッツの黄色い小鳥)がデザインされた可愛らしいポーチ!・・・やはり女性説が有力になりました。
まぁ、何が言いたいかと言うと『鬼滅の刃』面白いよ、ってことです。当ブログでは『ONE PIECE』以外の話題は基本的に書かないようにしており、他の漫画の話題はこういう記事の時しか隙がないものですから。
『鬼滅の刃』の物語自体はジャンプの王道漫画ですが、作者の吾峠呼世晴先生はおそらく女性で、絵やキャラクターの掛け合い、ギャグ、セリフの間などはジャンプの中でかなり異質で、独特の世界観を持っています。独特の”間”に最初戸惑いましたが(これはギャグなのか真面目なのか?と)、私はすぐにハマってしまいましたし、初連載から読み続けているジャンプ漫画の1つです。しかし、客観的な印象としては、クセが強く食わず嫌いはあるだろうというのと、主人公や周りのキャラクター(少年)たちが可愛らしいので女性向けだろうという感じでしたので、アニメの影響と言えど、これほどヒットするとは想像していませんでした。
『鬼滅の刃』は次世代の少年ジャンプのまさしく”柱”(劇中に登場する鬼滅隊の隊長格の称号)になりつつあるわけですが、連載は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズで言うところのディオに当たるラスボスを追い詰めたクライマックスに突入しており、このまま行けば連載終了の流れです。シリーズを続けるとすれば、それこそディオのように復活して鬼滅隊の子孫の話になるか、舞台を変えてフランス編などとするか。折角大ヒットした漫画シリーズを今後どうするか、作者や編集部も悩んでいることかもしれません。