・ブラックマリアの能力?
前回、屋上を目指す
ルフィらは屋敷の中2階の階段を上って3階に上がろうとしているところで、3階から聞こえてくる「よいではないか」「いけませぬ!あ〜〜れ〜〜」といった時代劇でお約束のような展開(ワンピースの世界では侍の国のセクハラとして認知されている模様)を耳の良い(見聞色の覇気が得意な)
サンジが察知し、サンジは助けを求める女のもとへ駆け出し、ルフィとジンベエから逸れます。
サンジが声の元に駆けつけると、案の定、男が女の着物の帯を解いている姿が障子に映っていました。まず、屋敷の騒乱の中でその状況が怪しすぎる上に、
この男のシルエットが死んだはずの”アイツ”に似ており不信感しかありませんが、サンジはこの時すでに冷静さを欠いていますので(笑)、御構い無しに突入して、見事に敵の罠に引っ掛かるのでした。
男:よいではないか
女:いけませぬ
男:よいではないか
女:おやめくださいまし!あ〜〜〜れ〜〜〜
男:よいでは…
サンジ:よかねェよ!!! やめろォ〜〜〜!!! う!! え!?
何だクモの巣!?
女:あ〜〜〜れ〜〜〜
サンジ:おいやめろ!!
女:(ニヤリ)
男女:
アーレートラップ!!!
かく言う具合にサンジはまんまと「アーレートラップ」の餌食になってしまいます(笑)。予想通り、ここには飛び六胞の
ブラックマリアがおり、サンジを罠に嵌めた男女はブラックマリアの部下でした。シルエットがオロチに似ていた男はお歯黒と引眉(眉を剃る)に殿上眉(丸い眉を描く)という平安時代から室町時代頃の貴族のような格好をしています。骨格や体型、髪型はオロチに似せたデザインになっているのは狙ってのことでしょう。
何となくオロチの気配が感じられる仕掛けになっているので、オロチが実は生きている(カイドウに殺されたのは影武者?)説は満更でもないように感じてきます。
男女のバディによる「アーレートラップ」のフザけた攻撃は
バロックワークスを彷彿させる懐かしさがありますね。ブラックマリアが仕掛けた「アーレートラップ」にはサンジの他にも侍達が何人か引っ掛かっていたようで、部屋の後方には吊るされた様子の侍達が見えます。
ところで、「アーレートラップ」に使われた
クモの巣はただの罠の道具なのかという話です。ブラックマリアの館が遊郭(981話)であること、ブラックマリアのキャラデザイン(衣装、髪型、喋り方)があった上で、ここで「クモの巣」が出てくるとなると、どうやっても
女郎蜘蛛(絡新婦、ジョロウグモ)が頭に浮かんできます。女郎とは遊女のこと、女郎蜘蛛とは節足動物のクモの一種、絡新婦(じょろうぐも、女郎蜘蛛とも書く)とは蜘蛛女の姿の妖怪のことです。
ブラックマリアが百獣海賊団の飛び六胞であることから、おそらくゾオン系能力者だと考えられるわけですが、本話からモデルは蜘蛛が有力となりそうです。蜘蛛のゾオン系能力者と言えば、海軍本部中将のオニグモがいるので(能力名は不明)、オニグモがムシムシの実モデル・オニグモだとすれば(安直だな〜w)、ブラックマリアはムシムシの実モデル・ジョロウグモとなるでしょうか。妖怪の方でムシムシの実幻獣種という可能性もあるかもしれません。
ブラックマリアがサンジを口説いている様子は妖怪の方のジョロウグモよりですね。
・鬼ヶ島の戦い
サンジが離脱した
ルフィ一行は屋敷の3階を進み、サンジが抜けても相変わらず
ジンベエは”生え方”がおかしいSMILE(背中にアヒル?の頭が生えたSMILE)を処理してルフィを援護しています。
4階へ進む階段にも百獣海賊団・真打ちのSMILE(
ポーカーと
ミゼルカ)が陣取っていましたが、兎丼でルフィに助けられた侍達の手助けにより、ルフィらは交戦を避けて手製のハシゴで4階に上っています。ミゼルカ(ゴリラのSMILE)とポーカー(ガラガラヘビのSMILE)は”生え方”をツッコまれることなく、ここではスルーされた形です(笑)。”生え方”のくだりはここまでですかね。
ポーカーのデザインは寧ろカッコいいですけども、ミゼルカは
980話に登場していた”生え方”が明らかにおかしかったゴリラのSMILEですね。露出の多い美女とゴリラの組み合わせはキングコングからの発想でしょうか。ミゼルカの毛深い下半身は色んな意味で際どいです。果たして女性なのかゴリラなのか…。スカート的なものだということでいいんですよね?w
980話
ともかく、ルフィは順調に屋敷の塔を上っており、屋上まで残りのフロアは4階と5階です。998話で4階、999話で5階と進めば、
994話の時点で予想していたように記念すべき1000話でカイドウがいる屋上にルフィが到達します。サンジは中ボスに相当するブラックマリアと対峙する形で離脱しており、まだフロアが2つあるので、ジンベエも同様に離脱するかもしれません。
キッドと
キラーもカイドウのいる屋上を目指して996話の時点ではルフィらよりも先に3階を進んでいましたが、彼らはもう4階に行ったのでしょうか。それとも、まさかキッドとキラーも「アーレートラップ」の餌食に?w
もし、そうだとすればキッドにも可愛いところがあって好感度が上がりそうなのと、サンジの騎士道ではブラックマリアに勝てませんから、思わぬ救援となるかもしれません。先に進んでいるとすれば、4階ないし5階にいる中ボスと交戦して、不本意にもルフィを援護する形になるのかもしれませんし、ルフィと同じく一度カイドウに敗れている者同士で共闘してカイドウと対峙するというのもアツい展開ですね。
一方、「氷鬼」のパニックが続いているライブフロア。
ゾロは屋上から落ちてきた”
ある物”を目撃したことで顔色が変わり、クイーンが仕掛けた「抗体」を巡る鬼ごっこに終止符を打ちます。読者は屋上で起きていた事態を予め知っているのでゾロが目撃したものが明かされた時の衝撃はあまりありませんが、ここでは「氷鬼」のパニックの中で
静かに怒った無言のゾロが2ページに渡って描かれており、無言のままで居合斬りの”獅子歌歌(ししそんそん)”をアプーに喰らわせて決着をつけるという印象的なシーンとなっています。
この居合斬りの2コマは、普段と異なる影が多いタッチのゾロにまず目がいくのと、「そういえば技名を叫んでない!」という驚き、そして”獅子歌歌”の構えを知っているがゆえにそれだけでゾロの動きが読者に見えるという、後から気づく驚きがあります。
『ONE PIECE』のパターンを逆手に取った革新的な描写だと思います。
そして、ゾロはアプーから奪った「抗体」を
チョッパーに託します。
チョッパーは「氷鬼」に感染する前にウイルスについて何か気づいた様子(
995話)でしたが、本話ではその仮説を自分の体で証明します。「氷鬼」のウイルスは体を冷やす”ガス”との融合でできているため、火で暖をとるなどして体の冷却を止めればウイルスは増幅しないとのこと。こちらの世界の科学ではサッパリ理解できませんが、チョッパーが言うからにはそういうことなのでしょう。
体を温めることで発症を抑えることが出来るようなので、やはり
前回、名前だけ出てきた「
百獣の湯」が利用されるのではないかと予想しています。「氷鬼」の争いを治めるため、チョッパーは「抗体」を敵味方問わず全員分作ると宣言するのでした。
一方、そうはさせまいと邪魔を入れようとしたクイーンのガトリング銃をゾロが飛ぶ斬撃で両断しています。カイドウがいる屋上に自分も向かいたいゾロですが、ライブフロアは
キングと
クイーンが睨みを利かせているため、そう簡単には行かなそうです。そんなところにビッグ・マムを追ってライブフロアにやって来たマルコが声をかけます。
マルコ:麦わらの一味!! 主力のお前らが何こんなフロアでくすぶってる!! 何か手伝える事はあるか?
その場にいた
ゾロと
ロビンはマルコとは初対面ですね。マルコに飛んで運んでもらいたいところですが、無防備に飛べばキングの攻撃を受けることになりそうです。となると、マルコにはキングの相手をしてもらい、そのうちにロビンが千紫万紅(ミル・フルール)で、ゾロを屋上への直行ルートで運ぶとかになるのでしょうか。
ゾロもカイドウ戦に参戦するとなると、ルフィ&ゾロ、キッド&キラーという船長とその右腕のコンビによる共闘という、これまたアツい展開も期待されます。
・鬼ヶ島浮上
ドクロドーム屋上の
カイドウと
赤鞘の侍の決戦は決着がついてしまったようで、屋上にはカイドウただ一人が立っています。屋上には
ビッグ・マムも上ったはずですが、ここではビッグ・マムの姿は見えません。
そして、突如として揺れ始めた鬼ヶ島。何も知らない者たちは地震が起きたのかと動揺していますが、実際は鬼ヶ島が浮上しているのでした。島を飛ばしているのは
カイドウです。ヤマト曰く、龍の”
焔雲”でカイドウは島を浮かせているとのこと。フワフワの実…ぇ
ワノ国の本島に拠点を移すという「新鬼ヶ島」計画は、文字通り、物理的に鬼ヶ島を「花の都」に移すという計画だったわけです。屋敷はめちゃくちゃになっていますが、そのまま使うんですね…。鬼ヶ島の巨大なドクロが空に浮かんでいる様子を見ると、花の都で巨大なロボットの体にドッキングしないかとハラハラします(しません)。
そして、最後のコマでカイドウが一言。
カイドウ:
始めよう ”暴力の世界”(ドン!!)
…え、暴力団の標語?w
多分ここは笑うところでは無いシリアスな場面のはずなので、カイドウの発言はスルーするとして、ローや赤鞘の侍達を見送った後、鬼ヶ島に上陸するために裏口から正面入口に向かって海中を潜行していた
ハートの海賊団は鬼ヶ島が浮いたことにより、結局上陸することができなかったようです。……お前ら、まだ上陸してなかったんかい…。
1000話のカウントダウンについては、次号(新年1号)は休載でWJ2021年2号(12月14日発売)からの再開となるので、目指していたという年内での到達は不可能となっています。年末年始の合併号で『ONE PIECE』が連載を落とすことは考えにくいため、休載がなければ年始に発売になるであろう5・6合併号で1000話に到達します。合併号で1000話記念号になるとすると、ONE PIECE単独の表紙ではなく、連載陣のキャラクターも『ONE PIECE』の1000話を祝う集合絵になるのでしょうか。
<年末年始の合併号に休載が無い場合>
12月7日(月)発売 WJ2021年1号・・・休載
12月14日(月)発売 WJ2021年2号・・・998話
12月21日(月)発売 WJ2021年3・4合併号・・・999話
1月4日(月)発売? WJ2021年5・6合併号・・・1000話
年始の合併号は通常は新年を祝う表紙になるのでイレギュラーな形となります。