・お前もな
前回、カイドウとビッグ・マムがいる階下のライブフロアでは、
マルコが
ゾロを運び、屋上に向かって飛んでいます。獣型(ブラキオサウルス)の
クイーンの狙撃(口から砲撃)を受けますが、マルコはロギア系能力者のごとく、弾丸を受け流すのでした。
999話
特殊な不死鳥の能力にクイーンも困惑している様子です。
クイーン:
くそ…!! 無敵かよ 何だコイツの能力!!
そう言う、お前の首はどうなってるんだよ!w
ページワンの獣型(スピノサウルス)の尾のデザインが、最近の研究結果を受けて、途中で変更になったわけですが、ブラキオサウルスの首が
洗濯機のホースみたいな蛇腹構造だったなんて研究結果は確認するまでもなく出てないですよね。
蛇腹構造が見える部分は首の肉が消えたように見えるのですが、蛇腹構造自体は骨というわけでもなく気管だとすると太すぎますし、生物の構造ではないように見えます。だとすると、クイーンは口から砲撃(999話)をしているぐらいですから、これもクイーンの肉体改造を示す描写だと考えられます。クイーンは
ゾオン系能力者のサイボーグという感じでしょうか。百獣海賊団にはクイーン以上の科学者はいないように見えるのですが、となると、フランキーのように自分で改造したのでしょうか。・・・謎です。
マルコはクイーンに加えてプテラノドンの能力者である
キングも翼で絡めとって抑え、ゾロを屋上に向けて放り出しています。百獣海賊団大看板のキングとクイーンの二人を引き受けて、余裕な様子のマルコの底知れない実力を垣間見たエピソードですが、クイーンはともかくキングの本気はまだ見ていないので、この後の戦いが見ものですね。
・VSカイドウ&ビッグ・マム
屋上を目指していた
ルフィは、サポートに付いていたサンジとジンベエが飛び六胞のブラックマリア、フーズ・フーを引き受ける形でそれぞれ3階と4階で離脱し、一人で5階を進んでいました。屋上に上る階段前に待ち構えていたSMILEの軍団は、屋上の決戦から後退した手負いの銃士隊が掃討しており、ルフィはすんなり屋上に進むことになります。
カイドウと
ビッグ・マムがいる屋上には、既に
キッド、
キラー、
ゾロ、
ローが到着していました。
キッドとキラーはルフィとは別のルートでカイドウの城を上り、ゾロは上記の通りマルコの援護によりライブフロアから上がって来ました。
問題はローです。
ローは赤鞘の侍を鬼ヶ島の裏口に送り届けた後は別行動をしていて、キッドやルフィが屋上を目指して3階に上っていた頃、ローは地下2階でカイドウが所有する歴史の本文(ポーネグリフ)を見つけていました(
996話)。間違いなく
オペオペの実の能力によるワープを利用して、ルフィより先に屋上に到達しているわけです。屋上にローが居なければ感じずに済みますが、すかした顔でローがそこに座っているとどうしても思ってしまいます。
(はじめからローのワープを使えば済んだことじゃないのか・・・)
ルフィとゾロは赤鞘の侍のカイドウ戦の助太刀に間に合わなかったというスタンスなわけですが、ローが討ち入りの現場から離れなければ、討ち入りの主力を屋上に送り、赤鞘の侍に助太刀することが十分に可能だったと思われます。演出上、四皇 VS 最悪の世代という構図にするために、便利な能力を持つローにはポーネグリフ探しの別行動をしてもらったということだと思われるのですが、そういう遅延の役回りがローはしばしばあるんですよね。なぁ?、ローよ……
お前、遅延させたな?w
その場にいるローに対して思うところがあるわけですが、カイドウ戦はビッグ・マムが加わった四皇2人に対して、最悪の世代(超新星)の海賊5人が相手するという、アニメ劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』で観たようなアツい展開に突入しています。
ルフィはおでんの仇打ちを果たせなかった赤鞘の侍達の無念を背負い、カイドウの鼻っ柱をへし折る
新技をお見舞いします。
ルフィ:
ギア〝3〟!!!〝ゴムゴムの〟ォ!!
ルフィ:
〝業火拳銃(レッドロック)〟!!!
技名(火→業火)から明らかなように〝火拳銃(レッドホーク)〟の上位技ですね。レッドホークがギア2の〝JET銃(ピストル)〟に武装色の覇気と炎(謎の力)を纏った技であるのに対してレッドロックは
レッドホークにギア3が重ねがけされている技だと思われます。したがって、ルフィはギア3としか言っていませんが、ギア2との重ね技のはずです。
と言うのも、レッドロックのスピード感のある描写がギア2のJET系の技に似ているのと、発火自体は謎ですが、レッドホークの熱源はギア2の心臓ポンプのシステムによるものだと考えられるからです技を放つ前の「キュイン」という擬音はレッドホークの他に、ギア2とギア3を重ねがけした〝JET砲弾(シェル)〟(対モリア戦)でも見られます。
ちなみに、レッドホークが実際にある拳銃の名前であるのに対して、レッドロックはガンケースや銃を携帯するバッグなどを取り扱うメーカー名みたいです。
追記)※ロック(Roc)は伝説の巨鳥を意味しているようです。ホーク(鷹)に対して、ギア3なのでロックという具合ですね。(追記終)
内部から破壊する覇気を会得したルフィの打撃はカイドウに対して有効なダメージを与えています。おそらく通常の打撃が有効でないビッグ・マムにも有効打を与えることができるでしょう。
ヤマトが手に入れた おでんの(航海)日誌には、おでんが最後にトキに宛てた手紙(972話)と同様、「未来」について、こう書かれていたそうです。
”20年以上先の未来に次の時代を担う強力な海賊達が「新世界」へ押し寄せて来る……!! おれがもし死んだなら……!! カイドウを討てるのはそいつらだ!!!”
ところで、キッドはかなり自信満々の様子なのですが、カイドウには一度敗れており、ルフィと違って、カイドウとビッグ・マムに対して有効打を持っているのか疑問です(後から現れたルフィに先手を奪われていますし)。キッドとキラーがサイヤ人と同じ性質で負けるたびに強くなるという設定があれば別ですが。
・夢の果て
前回の
ヤマトのエースとの出会いの回想の続きで、意気投合した二人。酒を酌み交わす中で、
エースは口を滑らせて
ルフィの「
夢の果て」をヤマトに喋ってしまいます。しかし、それこそが、ヤマトが会ったこともないルフィを信用している核心だったようです。
ルフィの「夢の果て」とは、エースが死に際にそれを見れないことが心残りだと語ったもので(574話)、それは幼少期にエース達がお互いの夢を言い合った時にルフィが語ったものです(585話)。
585話
585話
未だにその内容は明かされていませんが、第1話から知られているルフィの夢が「海賊王になる」ことだとすると、「夢の果て」とは
海賊王なったその先にある夢だと考えられます。
そして光月おでんの冒険の回想では、ルフィがエースとサボに自身の夢を語った上記シーン(585話)に酷似した描写で、
ロジャーが白ひげと おでん に自身の夢を語るシーンがあります(
966話)。
966話
この時点で、ロジャーはまだ偉大なる航路を制覇しておらず、最後の島(のちのラフテル)に眠る真実は知りません。ロジャーが偉大なる航路の最後の島を目指した動機は、前人未到の世界一周を達成するという冒険心と
最後の島にあると噂されていた莫大な財宝でした。
最後の島にたどり着けば、富と名声を手に入れることができ、名実ともに世界一の海賊団になるとロジャーは力説します。「そしたらおれはよ……!!」と続けて、ロジャーのその先にさらに夢があることを語っています。
ルフィもロジャーも莫大な財宝を手に入れた先にさらなる夢(夢の果て)を描いており、彼らの夢を初めて聞いたエース、サボ、白ひげ、おでんは呆気にとられています。サボは「面白ェな」と大笑いし、白ひげも「ガキでもあるめェし」と大笑いしています。一方で、エースとサボはルフィの夢の果てを楽しみにしていたようで、おでんはというとあまりのショックに度肝を抜かれたようです。
ルフィとロジャーの「夢の果て」は
側から見るとバカげた大きな夢であることが聞き手のリアクションから想像できる上に、夢を語る描写シーンが酷似していること、ストーリー上、ルフィがロジャーに代わる新時代の人物であることから、
二人の「夢の果て」は同一であることが予想されました。
そして、今回のエピソードでは おでん の航海日誌に書かれていたロジャーの言葉とルフィの「夢の果て」が同じであったことがヤマトの発言により確定しました。
内容的は966話からあまり進展がありませんが、「夢の果て」という言葉が約11年ぶりにハッキリと本編に出てきたために、1000話公開以降、「夢の果て」の検索ワードにより、以前(10年前)書いた考察記事「
【伏線】 ルフィの”本当”の夢 【実は正解でていた件】」へのアクセスが増えており、当該記事へのコメントもまた増えてきています。
その考察記事ではガイモンと約束した「
ワンピースを見つけて世界を買う」(22話)がルフィの夢の果てに通じる内容ではないかと予想しています。
この考察は冗談半分で書いたもので、連載初期に正解が出ているはずがないというメタな指摘もごもっともなのですが、連載当初は連載5年で完結する見込みだったという時間感覚から考えると、そんこともないと思います。また、その後のインタビューや本編で明かされたことから、ラフテルに”莫大な宝”があることは間違いないようですので、10年経った今でも当たらずとも遠からずの考察だと思っています。
今回の回想では、ヤマトは おでん が度肝を抜かれたロジャーの発言と同じ事を言う者がいると知って感動して涙を流しています。
一方、レイリーの回想で、シャンクスがルフィを気に入った理由としてシャンクスは「(ロジャー)
船長のあの言葉」「
ロジャー船長と同じ事」(506話)をルフィが言っていたことを挙げています。この時の読解では「船長のあの言葉」とは507話でルフィがレイリーに答えた「
支配なんかしねェよ この海で一番自由な奴が海賊王だ」に近いものだと考えられます。
ロジャーは白ひげやまだ仲間になる前の おでん に「夢の果て」を語っており、その内容は一緒に最後の島を目指すロジャー海賊団の船員達には当然語っていたと思われます。そう考えると「船長のあの言葉」とは、本話でルフィと同一であることが確定した「夢の果て」のことを指している可能性が高いです。
「夢の果て」が海賊王の先にある夢ですから、ルフィが海賊王について「
支配なんてしない」「
この海で一番自由な奴」と語っていることは注目に値します。これについてはレイリーが感銘を受けていることから分かるようにロジャーも同じような考え方を持っていたことが想像でき、二人の「夢の果て」は
それを体現するものだと予想されます。だからこそ、シャンクスもレイリーも、ルフィがロジャー船長に代わる”D”になることを期待しているわけですよね。
自由をモットーとする海賊王が莫大な財宝と名声を手に入れてすることとは何なのか。
上記の10年前の考察記事のコメントでは色々な予想が挙げられているのですけど、ポイントとしては次の2点にも注意しておく必要があります。
まず1つは、エースがルフィの「夢の果て」を見れずに死ぬことが心残りだと言ったように「夢の果て」は
抽象的であったり曖昧なものではなく事実として明確なものであり、漫画の1コマあるいは数コマで描くことができるものだと思われます。
もう1つは、当初のロジャーとルフィの意志とは関係ない部分で、「夢の果て」が偉大なる航路の最後の島に到達した先の夢であること、その内容が現時点で隠されていることから、それは現時点で明らかになっていない
ワンピースの正体やDの意志に通じるものだと考えられます。
偉大なる航路を制覇したロジャーと会った白ひげ(576話)や、おでんがトキ宛の手紙(972話)で予想しているようにワンピースが見つかれば「
世界では大海を分かつ程の”巨大な戦”が起きる」「
この世界に戦いを挑む者が現れる」とされています。
『ONE PIECE』の最終章はこの”巨大な戦い”が描かれはずで、示唆されている麦わら大船団の活躍(800話)もそこで描かれると思われます。相手にするのは世界政府であり、挑むのはルフィが率いることになる一大勢力です。
100話の話タイトル(「伝説は始まった」)でルフィの冒険が伝説になることは予言されていますので、そこでルフィ側の勢力が敗れる未来は無いのでしょう。
問題はルフィが世界政府に勝った後の世界です。
ルフィは海賊王として世界に君臨することになるのでしょうか。
しかし、ルフィは海賊王は「支配はしない」と言っています。
しかし、それでは世界は無政府状態になり混乱が起きてしまいます。
ルフィが王になったとしても世界は混乱しそうなものですが、政治はビビのような適した人材に任せればいいことです。
そこで注目するのはワンピース世界の海賊の「
ナワバリ」というものです。
ナワバリはその海賊団の脅威によって、他の海賊団から守られることになります。
ビッグ・マム海賊団の例では、海賊旗をナワバリに貸す代わりに、お菓子を貢物として回収していました。一方で、白ひげ海賊団は見返りを求めていたようではありません。
ルフィは魚人島をナワバリにすると宣言し(651話)、ネプチューンは自ら望んで麦わらの一味の海賊旗を魚人島に掲げることになります。ルフィとネプチューンの間でナワバリについて取引は行われていません。さらに
麦わらの一味のナワバリになった魚人島ではルフィが被っている麦わら帽子が子供達の間で流行します(828話扉絵連載)。ここにヒントがあると予想します。
つまり、「夢の果て」として描かれるのは
世界中の人々が麦わら帽子を被っている情景ではないでしょうか。
それが意味するのは
全世界が麦わらの一味のナワバリになった世界です。
つまり、
海賊王の「夢の果て」は「全世界をナワバリにする」ことだと予想します。
それは海賊王よりもさらに上の段階であり、バカげた大きな夢です。
ルフィが言うナワバリの性質上、これは世界を支配するものではありません。
それは世界が一つになったことを意味しており、そんな世界には差別も戦争もないでしょう。貧富の差もなくなっているかもしれません。そんなユートピアって感じですが、海賊であるのに、全世界がナワバリなので略奪することができないというのはワンピース世界の海賊らしいところです。
そして、それは「世界を買う」というガイモンとの約束に通じるものです。
また、
マリージョアにある麦わら帽子(
906話)も謎のままですから、麦わら帽子が何らかの形で最終章に関わってくるのは間違いなさそうです。
「夢の果て」の真相はさておき、エースはルフィのその夢を本気で応援しており、他人のヤマトには笑わせないと言っています。これはアラバスタ編のMr.4ペア戦(186話)でのウソップの台詞が思い出されます。
「あいつ(ルフィ)はいずれ”海賊王”にきっとなるから そいづだげは笑わせね"ェ」
空島を目指すことを笑われた後の黒ひげの台詞も思い出されますが、ワンピース世界には海賊道みたいなものが根幹にあることが感じさせられる台詞でした。
また、本話の回想ではエースのビブルカードはヤマトが作ったものであることが明らかになっています。ちなみにエースはルフィと同じ夢を語ったという「偉大な男」が父親であるロジャーとは知らずにヤマトと別れたようです。