編集協力の依頼メールが届いたのは昨年の9月上旬でした。
まだ、依頼の段階でしたので、
「集英社公認のムック」
「ワンピースの舞台に似ているスポットを紹介する」
といった内容であることだけ伝えれ、ネタ出しや監修など一部、編集の協力をして欲しいとのことでした。この依頼が私に来るのには心当たりがありました。と言うのも、そういうコンセプトの記事を書いたことがあるからです。
【原作ネタ】 漫画紀行~ONE PIECEな風景~ 【街並み編】
この手のネタにおいて検索順位がかなり高い記事ですので、リサーチを始めてまもなく、この記事にたどり着いたのだと思われます。私に協力依頼が来る理由は明らかで、文面に怪しい感じはなく、興味がある内容だったのですけども、
最初は断るつもりでした。
そう思ったのも、私より適している人材に心当たりがあったからです。その人の方が私よりきっと知識が深いですし、デザイン面でも協力されて良い本ができると期待できました。しかし、その方を紹介しようにも、唯一の手がかりだったサイトは久しぶりに開くと一般公開されておらず(?)、連絡手段がありませんでした。一応、先方にそのサイト名とURLを伝え、「探してみます」ということでしたが、結局、連絡はつかなかったみたいです。
その方以外に任せるのであれば、自分がやった方が良いだろうという自負もあり、結局、依頼を受けることに決めました。まさかあんなにどっぷり協力する形になるとは想像していませんでしたけども。
私に依頼のメールを送ってきたのは、アーク・コミュニケーションズという編集プロダクションの
竹内さん(仮名)という方でした。「打ち合わせはZoom会議が可能ですか?」と聞かれましたが、日中は夜遅くまで仕事をしているので、メールでの打ち合わせを希望しました。その後、竹内さんとは最後までワン・オン・ワンでやり取りすることになり、メールの件数は100を超えました。
メールの文面だけの印象ですが、私から見た竹内さんの印象は、
・明るい
・めげない
・ちょっとズレてる
という感じです。
ちょっとズレてるなぁと感じたのは最初のメールからでして、竹内さんから私へのメールの宛名が毎回、
「ロイダー様」
なんですよね(笑)。
私のハンドルネームは「
シャボンディ島民」なので、知らない人から来る私宛のメール(
一時期「サイトを買い取らせてください」という怪しいメールが沢山来て、全部無視した)の宛名は通常、ブログ名の「LOGPIECE」かハンドルネームが使われています。ブログ上で皆さんは「島民さん」とか「管理人」とか、あと一部の人が「
ロイダーさん」とか「
Dさん」と呼んでくれます。
「ロイダー」というのはブログの問い合わせページに、確かに、私のハンドルネームの下に”
本名”として記載しているものです。
しかし、私の本名が決してロイダーというわけではなく、これはどういうものかと言うと、私が10年前にこのブログを始めた時から勝手にアバターとして使っているONE PIECEのキャラクターにまつわるものです。このキャラクターは頂上戦争編にてシャボンディ諸島にいた記者の一人なのですが、私がブログを始めた当時は名も無いキャラクターでした。
しかしその後、連載15周年記念の公式ファンブック『ONE PIECE BLUE DEEP』が発行され、このキャラクターの名前が「ロイダー」だと判明することになります(由来はおそらく通信社のロイター)。なので、
キャラクター名が本名になるという珍妙な現象が起きました(笑)。
ちなみに「Dさん」と呼ばれるのは、「
シャボンディ島民の真実」というネタ記事で、実は「シャボン・
D・島民」だったと明かしたことがあるからです。
10年近く前の記事なので、ゴールド・ロジャーのように原作を踏襲して、リアルに知らない人の方が多いと思います(笑)。
あと、竹内さんの最初の依頼メールでは本の内容が「
ワンピースのロケ地を紹介する」ものと説明されていました。『ONE PIECE』にロケ地は無いでしょうに、と心の中で突っ込んでいました。
そして私はメールの最後に「シャボンディ島民(ロイダー)」と、カッコ付でロイダーを表記して返信メールを送りました。
ともかく、こうして私と竹内さんはタッグを組み、特集に取り組むことになりました。
依頼を承諾すると、竹内さんから今回作るムックがJTBの「
るるぶ」から出るものだと明かされます。このコンセプトで集英社公認、つまり集英社からの出版ではないムックという話だったので、「るるぶ」であることは予想していました。「るるぶ」からはアニメの聖地巡礼本の類が多く出版されていますからね。
そして早速、竹内さんからエクセルで作られた「
モデル地リスト」というファイルが送られてきます。
このリストは
私が既に記事にしていた物件でほぼ構成されているものでした。リストの最後には私の記事も含めて出典元のサイトURLやコミックスSBS、非公式本が記載されていました。しかし、そのサイトURLや非公式本をチェックしてみましたが、いずれも私の記事より後年に書かれたものでした。おそらく、私が依頼を断ったパターンのために、代替案として色々な出典元を準備していたのではないかと思われます。このリストを見て、断らなくて本当に良かったなぁと思いました。出来上がった『るるぶ ONE PIECE』は随分薄い内容になっていたはずです。
私が記事を書いた当時(2014年)は、リサーチする中で、アラバスタの時計台についてはいくつか記事が見当たりましたが、 コミックスSBSで言及されていないものについてモデルを言及した記事はほとんどありませんでした。
私が記事を書いたきっかけは「ワンピースの国や街のモデルになっている場所へ旅行に行きたい」というブログ読者からのメールがあったからです。そこで、実際にモデルかどうか関係なく、
現実にある風景や建物がいかにONE PIECEっぽいかというコンセプトでまとめ記事を書くことにしました。『ONE PIECE』ファンの中で、これが当時は斬新な発想だったように思います。
実際それについて言及する記述は当時ありませんでしたので、自力で探すことになりました。コミックス1巻から始めて、自分の中にある知識や画像検索を駆使して似ているものをリストアップしていき、確か丸二日ぐらいかかって書き上げました。
探してみると、シロップ村やウイスキーピーク、ドラム王国のビッグホーンとドラム城、シャンドラ、マリージョア(パンゲア城)など、モデルとなったであろう似ている建物が現実世界に次々と見つかり驚きました。特にウイスキーピークとマリージョア(パンゲア城)はそのまんまだというのに、これまで言及されていなかったのですから。
ブログに記事を上げると大変好評で、他にもローグタウンやアマゾン・リリーがあるとコメントで教えてもらい記事が充実しました。『ONE PIECE』で新しい土地に着いた時、どこがモデルなのだろうと考えるようになったのは、この時から広まっていったように感じます。
話を戻して、「
モデル地リスト」を貰った私は、
リストに載っていない物件を書き出して竹内さんに送りました。ブログのまとめ記事はモコモ公国の追記以来、更新を止めており、新しく見つかったネタは別の記事に書いていたり、旅行記事のためにストックしていたからです。
さらに、この機会に改めてリサーチを開始しました。今度は以前記事を書いた時と違い、じっくり時間をかけて調べていきました。自分が関わった限り、胸を張ってブログで本を紹介したいという気持ちがありましたから。
リストに新しい物件を追加していくと、竹内さんに「どうやって探されてるんですか?」と質問されました。これは最初にまとめ記事を書いた時にもコメントで聞かれたのですけど、
普通に手作業で画像検索しています。多分、私はこの手の作業が普通の人より得意なんだと思います。自分の中にあるコツみたいなものを書き記して返信しました。
『るるぶONE PIECE』に掲載されている物件のほとんどは私が出したネタですが、それ以外は竹内さんが所属する編集プロダクション(アーク・コミュニケーションズ)内で出たもののようです。私が教えたコツが役立ったかは定かではありませんが、こうしてネタ出し作業が行われていきました。
また最初の段階で、
誌面企画の案についての意見も尋ねられました。
竹内さんは「
るるぶ」なのでと断って、それはそれは「るるぶ」らしい企画をぼんやり描いていることを教えてくれました。「この国でルフィが食べそうなものとか、行きそうな場所とか」といった旅のプランニングです。
それに加えて、
・ワンピース好きの芸人やYouTuberの座談会
・サンジ飯のレシピ
など色々な企画を盛り込みたい、と。
島民「そういうのは興味ないです」
はっきり言いました。
「るるぶ」のアニメの聖地巡礼本の類はいくつか出ており、レビューは拝見していました。そこに大体書かれている批評は
旅行ガイドとして現地情報が薄いという批判です。一方で、旅行ガイド情報以外の誌面企画のインタビューなどに言及して評価しているレビューは見当たりませんでした。
私はワンピースが好きで、旅行も好きなので、まさしく今回のようなムックを求めていた読者の一人です。編集段階で読者としての意見を届けられるのはここしかいないと思いました。
私は雑多なコンテンツは要らないということを、集英社から発行されたサンジのレシピ本「
サンジの満腹ごはん」を例にして説明しました。「サンジの満腹ごはん」が8年間売れ続けて累計21万部に達したというニュースがちょうど出ていた時でした。このレシピ本が売れ続けている理由はひとえに、レシピ本として中身がしっかりしており、原作の『ONE PIECE』のように色褪せない内容だからです。
『るるぶONE PIECE』の掲載物件は世界各国に及ぶため、とてもじゃないですが旅行ガイド本として十分な内容のものを作ることはできません。しかし、出来る限りONE PIECEと関連づけて現地の情報を盛り込み、『ONE PIECE』をきっかけに現地に興味を持ってもらえる内容であるべきだと考えました。
そこで、私からは麦わらの一味で旅行ガイド記事の内容を分担するという案を出しました。集英社から出版されているワンピースマガジン等で使われている手法です。
ロビン→歴史、文化、遺跡
フランキー→建築様式
ナミ→ファッション(民族衣装)
サンジ(ルフィ)→食事
ゾロ→酒
チョッパー→スイーツ、動物
ウソップ→伝説、迷信、非公認のこじつけ
旅行ガイド記事を拡張したこの案は結局、誌面のスペースの都合で採用されることはありませんでした。このリストは竹内さんに送ったものをそのままコピーしたものなのですが、ロビンの「歴史」とフランキーの「建築様式」がリストの上にあることに注目して欲しいです。「歴史」と「建築様式」は私自身が旅行ガイド本の読み物として一番好きな部分であり、それらの色々な要素がワンピースに取り入れられていることに気づく面白さがあります。ここが一番推したい部分でした。
旅行ガイド本といえば、私は
「地球の歩き方」派なんです。
海外旅行が好きな私ですけども、普段、旅行ガイド本で「るるぶ」は手に取ることもありません。女性に訴求したガイド本ですしね。日本だと写真が盛り沢山のガイド誌が好まれていますが、海外だと写真がほぼ掲載されていない「ロンリープラネット」という旅行ガイド本が主流なんです(日本語版はない)。そこまで硬派なものを私は求めていませんが、「地球の歩き方」のコラムにある歴史や文化の話を旅行の合間に読むのが好きなんですよね。
「
歴史」と「
建築様式」は、おそらく本来の「るるぶ」とは程遠いものですが、『るるぶONE PIECE』のテキストにはそういった内容が十分ではないですが、盛り込まれています。ネタ出しの際に、記事に盛り込まれやすいように「歴史」と「建築様式」のエッセンスを入れて伝えたのが功を奏したのかもしれません。物件とは別に歴史や文化と関係するワンピースネタもどんどん出していくことにしました。
これは「るるぶ」にウケるだろうと思って、ONE PIECEキャラクター図鑑(ビブルカード)掲載の
キャラクターの好物のリストも送りました。
案の定、キャラクターの好物は好評で、私が担当した以外の別の特集でも使われていました。この本ではキャラクターの原画を添えれば成立するので、使いやすいネタですよね。
しばらくやりとりを続けると、竹内さんが簡単に作ったというレイアウトが送られてきました。
これです↓
完成版の誌面を知っている今から見るとすごくアレな印象ですが、この時はすごいイメージが膨らみました。こんな感じの誌面になるんだと。
この時、私からは
原画となるべく同じアングルの写真を使って欲しいという要望と、
誌面においてONE PIECEの割合は小さくて良いという意見を出しました。上でも述べたように旅行ガイド本としてしっかりしたものにしたいという意図があったからです。このガイドブックから『ONE PIECE』に初めて触れる人は滅多にいないでしょうから、ONE PIECEよりも現地の魅力が伝わる誌面であるべきだと考えていました。こんな感じで、実際に誌面のレイアウト作業が進んでいく過程でも何度かやりとりをして、私が意見を出す機会がありました。
竹内さんは私(ワンピース読者)の意見をかなり取り入れてくれますが、『るるぶONE PIECE』は
JTBから出版される本であり、版権元は
集英社です。これら2社の意向で、私の意見は簡単に覆ってしまいます。私が担当した『るるぶONE PIECE』のメインの特集に関しては、大体こんな感じ↓で制作が行われたものと見られます。
(誌面デザインもキャラメル・ママかもしれません)
キャラメル・ママは集英社御用達の編集プロダクションですね。
このように色々な立場の意向が入ってくるわけでして、モノづくりの難しさを感じます。なんだか「BUSTERCALL」プロジェクトがまだ
非公式の体だった頃のインタビューの内容が思い出されます。
「地球の歩き方」派の私としては、旅のプランニングは自分で考える(寧ろ、そこが一番楽しい)から不要と感じますが、そこはJTBの「るるぶ」のマストな部分であることは承知していますし、原画のサイズはもっと小さくて良いし、各エピソードのあらすじは特集誌面に不要と感じますが、そこは集英社の意向らしいです。
またしばらくすると、竹内さんから「
台割り表」と呼ばれる本のページ構成案の第1稿が送られてきました。ここで、この本のページ数が112であることが分かりました。「ロイダーさんのご意見をガッツリ盛り込んだ」という、その台割り表から見えた『るるぶONE PIECE』は現地情報と関係ない特集を削ぎ落とした、
私が理想としていた本でした。
しかし、実際の『るるぶONE PIECE』がどうなっているかというと、リリース情報の通りです。
制作が結構進んだところで「ページ構成はどうなりましたか?」と尋ねたことがありましたが、その質問はスルーされて、竹内さんから第2稿以降の台割り表が送られてくることはありませんでした。この時点で私は察するわけですが、校了近くになって竹内さんから私の「
意に反した」企画が入ってしまったと、他の特集について明かされました。
当然「るるぶ」の本であって、その中で私が足掻いただけのことですから、仕方ないことです。それでもJTBと集英社の意向がある中で、そして制作準備期間が短い中で(連載1000話記念でリリースするために急いだ?)、合間を縫って出来る限りのことを提案して、理想に少しでも近づけたのではないかなとは思っています。竹内さんが調整を頑張ってくれました。
逆にグレイ・ターミナルのモデルとしてコミックスSBSで言及されているスモーキーマウンテンについては、「るるぶ」的に旅行ガイド本として(コンプレイアンス的に)掲載しない方がいいという見方があったようなのですが、そこは入れるべきと意見して入れてもらいました。モデルとして公認されているものは、この本では絶対に外せない。そういう感覚って、ワンピースファンの目線をしっかり持っていないと分からないのだと思います。
竹内さんがページ構成とレイアウト作業を進めている間、私は常にネタ探しを続けていました。最初の頃は返信の度に新しいネタを出していたので、嫌がらせみたいになっていましたけども(笑)。さらに締め切り間近のところで、立て続けに新たな物件を見つけたりして迷惑をかけたのですが、なんとかねじ込んでもらいました。きっと悔いが残りましたから、間に合って良かったです。
ページが余りそうということで、ネタをたくさん出したのですが、結局、ページの都合で入らなかった物件やテキストもいくつかあります。ネタ探しの苦労話や掲載から漏れたネタ、会心のネタについては、また次の機会に話そうと思います。お手元に『るるぶONE PIECE』があると楽しめると思います。
最初の依頼メールから2ヶ月が経過した頃(11月上旬)、
レイアウト作業とテキスト作業が急ピッチで進められていました。
締め切りについては特に聞いていませんでしたが、竹内さんの文面から急いでいる感じが伝わったので、この頃から仕事中でもなるべく早くメールを返信するようにしました。また、この頃から写真素材の確保や原画の選定が始まり、私も差し替え案を原画のページ数とコマを指定したり、写真素材のURLを貼って送ったりして編集作業を手伝っていきました。
同様に、新しく見つけたネタは原画のページ数や写真素材のURLを添えて伝えるようにしました。
12月上旬、誌面のデザイン案が初めて集英社に提出されます。
それは竹内さんがデザインしたレイアウトを元に
プロがデザインした誌面です。
各記事のデザインは順次進められていき、これも竹内さんが送ってくれ、私もチェックして、滑り込みで何点か修正作業が行われました。
集英社ではOP担当編集の内藤さんがチェックした模様です。
デザイン担当:キャロット
このゾウの誌面はほぼ完成版に近いです。レイアウト作業の際に竹内さんもプロがデザインすると変わると言っていたのですけど、本当に見違えるようですよね。原画のサイズはこれでも、レイアウト原案に比べるとかなり小さくしてもらいました。
集英社に誌面デザイン案を提出した報告を受けた際に、竹内さんからお願いがあると言われました。
それは何かと言うと、ブログ記事に掲載している
白川郷の喫茶店「落人」の外観とチョッパーのイラストの写真を使わせてくれないかというものでした。
「落人様にも連絡をしたのですが、写真を送る術がなく送れないと言われてしまいまして・・」
そんなバカなw
そんなわけで、落人のマスター(と奥さん)が機械音痴だったことが原因で、私が撮った写真が誌面に使われています。雨の日に撮った写真で、綺麗な写真じゃないですけど、我慢してくださいw
このぐらいで私が協力できる作業は終わりました。
あとは細かい修正と校正が進められていきました。
OP担当編集のチェックでは「
モデル地」という言葉が誌面でNGになったそうで、その修正が大きかった模様です。竹内さんは「
尾田先生にモデル地の公認がもらえるように」と始めから意気込んでいたので、これは私も少し残念でした(あと、欲を言えばモデルについてコメントが欲しかった)。
本誌のインタビューで、OP担当編集の内藤さんは「
尾田さんは、様々な国の様々な時代の建物を参考にしているのだと思います。仕事場にもそういう資料が山ほどありますし、いろんなデータをストックしているとも言っていました」と語っており、ワンピースの建物は色々なものが確かにモデルになっていることは窺え知れます。
しかし、それから容易に想像できることですが、何をどう参考にしたかまで、昔のことを作者当人もあまり覚えていないようなんですよね。なので、『るるぶONE PIECE』に掲載されている物件について、どれがモデルだったかということを一件一件、検証することはもう不可能なようです。
最近描いたものについては覚えているそうですが、それだと統一性に欠けます。
そこで、OP担当編集の内藤さんは先程の発言に続けて「
それはもう読者のみなさんにいろいろと想像をしていただけたらと思っています」と投げっぱなしジャーマンを決めています。
実は企画のスタート段階で既に、集英社側が掲載物件について「編集部の想像レベルで構わない」という旨で許諾していたようなんですよね。というわけで『るるぶONE PIECE』では、モデルかどうかということに主眼を置かず、いかに「そっくりか」「ONE PIECEっぽいか」という、私が書いたまとめ記事と同じコンセプトに収まることになりました。
前の記事でも書きましたが、そういうわけで、
『るるぶONE PIECE』に掲載されている=集英社公認のモデルというわけではないので、ご注意ください。とは言っても、瓜二つのものは検証する必要なく言わずもがなモデルだと思うのですけど。
竹内さん「リリースでました!」
2021年1月4日、
連載1000話記念企画の1つとして『るるぶONE PIECE』の情報がリリースされました。
校了はあと少しだと竹内さんから報告を受けます。
この時点で、発売は3月上旬と発表されていましたが、
発売日は3月4日に決まりました。
2月末、私のもとに見本誌が届きました。
頂いた見本誌の誌面を眺めていると、一ワンピースファンとして貴重な経験ができたなととても感慨深いです。
見本誌には竹内さんから直筆メッセージが添えられた感謝の手紙が同封されていました。
こちらこそ、貴重な経験をさせていただきありがとうございました。
奥付の打ち合わせは1月の下旬にあり、竹内さんから、
「ロイダー様のお名前を編集協力として、奥付に入れさせていただきたいのですが、
シャボンディ島民(ロイダー)
とさせていただいてよいでしょうか?」
と。
ロイダーは私が勝手にアバターとして使っているキャラクター名なのでと丁重にお断りし(
危ないところでしたw)、無難に「シャボンディ島民(LOGPIECE)」としてもらいました。
また、私からは建物のモデルを探す形での編集協力であることが分かるようにと希望を出したことと、モデル地という言葉が誌面で基本的にNGであることから、「
掲載物件リサーチ」という珍妙な名義になっています(笑)。
本来なら、おそらく「編集協力」の欄に私の名前も列記されていたはずですが、多分、私がワガママを言ったために特別にこういう形になったのだと思われます。でも、ワガママ言っといて良かったです。
『
るるぶONE PIECE』は旅行ガイド誌と見れば、現地情報は非常に乏しいです。
これ一冊だけで海外旅行を計画することは出来ません。
一般の観光客が旅行できない場所も載っています。
この点を知らずに期待して買うとがっかりする部分ですが、今、世の中はコロナ禍でどのみち旅行には行けません。その結果、
旅行に出ず家で楽しむ旅行ガイド誌という新しいジャンル本になっています。キャッチフレーズの「
脳内大航海」とは言い得て妙です。
企画を聞いた時から私は、『るるぶONE PIECE』はONE PIECEをきっかけに現地に興味を持つ旅行入門と捉えていたので、良い感じに収まったと感じています。索引に掲載物件が国ごとにまとめられているので、私もこの本があれば海外旅行を計画する際に役立ちます。
是非、手に取ってみてくださいね^^
最後に、竹内さんからの手紙の宛名だけ載せておきますね。
次回は、誌面から漏れたネタやネタ探しの話をしようと思います。
『るるぶONE PIECE』解説シリーズ 〜ネタ探しの苦労編〜(次の話)