・女難のサンジ
城内3階「宴会場」。百獣海賊団の飛び六胞で、クモクモの実(古代種 モデル ロサミガレ・グラウボゲリィ)の能力者の
ブラックマリアは、捕らえた
サンジを拷問して、
ロビンを呼ぶように要求します。歴史の本文(ポーネグリフ)を解読できるロビンを手に入れたいカイドウからの命令のようです(
1004話)。
ブラックマリア:〝
カイマンレディ〟島中に声を届ける準備は?
カイマンレディ:できてます!
ブラックマリア:〝黒足〟…すぐに〝ニコ・ロビン〟をここに呼んで貰える?
ブラックマリアが花魁の姿をしていて、屋敷は遊郭だったりするものですから、「かいまんレディ」と聞くと
卑猥な隠語(ぇw)に聞こえるのですけど、カイマンってワニの一種のことですね。カイマンレディは足元がワニのSMILEのようです。
島中に通信できる
メアリーズ(後述)は、その場にカイマンレディしかいないので、特に名前を呼ぶ必要がなく、なんか「カイマンレディ」の名前が目立っています。栄ちゃんが最近、アニメ「ドロヘドロ」(主人公がカイマン)にハマっているのかな、とか思ってしまいます。
前回、ブラックマリアが誘き寄せたロビンを捕まえて自由を奪うと言ったことに対してサンジは「
〝ニコ・ロビン〟をナメんなよ…」と発言していました。
仲間を危険にさらすまいとロビンを呼ぶことはないだろうという、ブラックマリアの部下たちの予想に反してサンジはロビンに助けを求めるのでした。サンジは死んでも女に攻撃できません。でも、ロビンの強さを知っています。
サンジ「助けて!!! ロビンちゃーーーん!!!」
サンジ「ロビンちゃんが来てくれなかったら おれは殺される〜〜!!!」
メアリーズを介して島中に響き渡るサンジがロビンに助けを求める声ーー。
百獣海賊団やサンジをよく知らない者たちには、女々くてみっともない発言だと受け止められますが、サンジをよく知っている者たちにはサンジの相手が女性だと容易に想像がつく内容で、潔い発言と受け止められた模様です。
サンジはエニエス・ロビー編でウソップ(そげキング)に対して(414話)、
「誰にでもできる事とできねェ事がある」
「お前にできねェ事はおれがやる おれにできねェ事をお前がやれ」
と発言しており、そこは全然ブレていません。
ただし、クモの糸の罠が張られた部屋にロビンをあっさり呼んだことは少し意外でしたが、そこはロビンの性格と能力(中の様子を窺うことができる)を信頼してのことでしょうか。実際、サンジの声を聞いた
ロビンは入り口のクモの糸の罠にかかることなく、ブラックマリアに不意打ちを仕掛けています。
ここで興味深いのは、現れたロビンにブラックマリアが「
どこから入ったんだい!?」と問いかけ、それに対してロビンが「
どこにでも咲けるわ」と返答していることです。
入り口のクモの糸の罠は
ブルックが黄泉の冷気で凍らせて破っています。ブラックマリアが能力で生み出すクモの糸〝
私の糸(ハードガム)〟は一度ついたら二度と取れないほどの粘着性があるそうですが、通常の粘着性物質と同じく凍らせてしまえば粘着力は無くなってしまうようです。
しかし、ブルックが入り口の罠を破った後にロビンが侵入したとすると奇襲にはなりませんし、ブラックマリアの「どこから入った」という問いかけに対して「どこにでも咲けるわ」という返答はズレています。また、ハナハナの能力で遠隔攻撃→ブルックが罠を破壊→ロビンが部屋に侵入の順であれば、「あら?そこは入り口じゃなくて?」とか答えそうなものです。
ロビンは「どこにでも咲けるわ」と言っているわけですから、ハナハナの実の能力を使用することで罠を避けて部屋に侵入したと理解されます。ロビンが自身の分身を咲かせる技に
体咲き(クエルポフルール)がありますが、状況的にサンジを助けに現れたロビンは分身ではなくロビン本人のようです。
これはつまり、
ハナハナの実の能力で咲かすことができるのは能力者の体の一部あるいは全身の分身だけでなく、能力者自身も咲かすことができると解釈されます。
体咲きとは別の技に相当するかどうかは定かではありませんが、要するに、
ハナハナの実の能力を応用すれば瞬間移動ができるということになりそうです。
どこまで便利なの!?
1005話
その真相はさておき、ドクロドーム屋上を目指して屋敷を登っていたロビンとブルック(
999話)が、ちょうどサンジの通信を受けて駆けつけ、サンジと交代する形でブラックマリア戦に臨むことになりました。
ブラックマリアはサンジを痛めつける時はメリケンサックで殴っていましたが、今度は妖怪の
輪入道が棒の先に付いた
謎の武器を取り出しています。ブラックマリアが蜘蛛女の姿の妖怪「
絡新婦(じょろうぐも)」と見れば、部下のSMILEには
ろくろ首っぽい奴もいますし、ブラックマリア軍は妖怪のデザインでまとめられている感じですね。
とは言え、
輪入道の首は一体何なのかw
ブラックマリアが籠絡した
グルグルの実の類似能力者だったりするのでしょうか。謎です。
あと、なぜかブラックマリアが
上裸になっています。本気を出すと脱いじゃうタイプですか?w
ブルックが助兵衛な顔をしている一方で、上手いこと乳首が隠れるような感じで戦闘シーンが描かれたら、きっと面白いでしょうね。
・メアリーズ
979話登場の百獣海賊団真打ちのムササビのSMILEバオファンに始まり謎だった、
一つ目の模様が描かれた張り紙を顔につけた者たちや動物たちが何者かが明らかになっています。
彼らは百獣海賊団の偵察部隊で、「
メアリーズ」と呼ばれており、動物に見えるそれは「
絡繰動物(サイボーグ)」とのこと。ただの絡繰(つまりロボット)ではなく、絡繰動物と書いて「サイボーグ」と表記していることから、機械的に改造された動物のようです。
未来国バルジモアのサイボーグ動物を彷彿させるため、ベガパンクの技術だろうかと思ったりもするわけですが、人体改造はフランキーもやっていますし、この技術はきっとクイーンの範疇でしょうね。部隊名の「メアリーズ」は名前的にブラックマリアの小隊なのかなとも思ったりするのですが、これはきっと「
壁に耳あり障子に目あり(メアリー)」という駄洒落だろうと思われます(笑)。
絡繰動物のメアリーズは目的もなく鬼ヶ島中をうろついているようで、普通に動物として生きているのかもしれません。そうすると、ネズミのメアリーズが猫のメアリーズに捕食されることもあったり?なかったり?
絡繰動物のメアリーズの視界は人間のメアリーズと共有されており、島中をうろつく絡繰動物のメアリーズは監視カメラの役割を担っているわけです。そうなると当然、
人間のメアリーズも改造人間(サイボーグ)ということになります。
1005話
また、絡繰動物にはスピーカーが内臓されているようで、メアリーズを介して通話やアナウンスをすることが可能となっています。上のコマで、猫のメアリーズが通話の音声にビク!となっているところが絡繰動物に動物の部分が残っている証拠ですね。
普通に監視カメラ(映像電伝虫)でよくない?というツッコミはさておいて、この強力な監視網を欺くことができるのはやはり、おそばマスクこと
ステルスブラックでしょうか。
ロビンとブルックに救出された
サンジは、メアリーズの屋敷内アナウンスの情報から天守裏「宝物殿」にいる錦えもん達(
1004話)を助けに上に登るか、モモの助としのぶを助けるために下に降りるか選択に迫られていました。
サンジ「どっちにおれは必要だ!?」
サンジ「あっちか!?こっちか!?ん〜〜・・・・!!!」
サンジ「こっちだ!!!」
どっちや?w
サンジは通話の内容からモモの助と一緒に「ヤマトぼっちゃん」がいることを聞き取っていますが、「ヤマトぼっちゃん」が誰か認知していませんのでどういう状況か判断するのは通常であれば困難です。
しかし、サンジとヤマトは面識はないはずですが、モモの助が磔にされていたライブフロア(986-988話)で同じ空間におり、サンジはこの時ステルスブラックに変身してステルス状態でした。この時、ルフィと一緒に行動していたヤマト(女性)を認知していた可能性はあります(首輪の爆風と共に会場に現れたため二人は目立っている)。また、キングの攻撃でサンジが吹っ飛ばされた時(988話)、ルフィは「ヤマ男!! モモを任せる!! しのぶと一緒に守れ!!!」と発言しています。地獄耳の(見聞色の覇気に優れた)サンジなら、もしかしたら聞き取っている可能性もあるのかなとも思います。
サンジが名推理でこの謎を解き明かせば、モモの助はヤマトに任せて、サンジが行くべき場所は天守裏だということが分かるはずです。しかし、おでんに憧れて男として振る舞っているヤマトに対して、サンジが思いっきり女性として接して、困惑するヤマトを見てみたいという気持ちもあります。
ん〜〜〜、悩みますw
・大将モモの助の戦い
「開かずの倉庫」に身を隠していた
ヤマト、
モモの助、
しのぶの居場所は、ネズミのメアリーズに見つかってバレてしまいます。モモの助を守るため、ヤマトはモモの助を自分の服の中に隠し、追っ手から逃げるのでした。
1006話
モモの助は大丈夫だろうか・・・色んな意味でw
言わずもがな、インペルダウン編のアレなわけですけども、鬼ヶ島の戦いは過去の懐かしいエピソードのエッセンスが散りばめられている感じがしますね。
・ライブフロアの戦い
マルコが「氷鬼」感染者に不死鳥の青い炎を授けて、体温低下を食い止めて発症を抑えていましたが、青い炎が引き出す感染者の体力そのものがもう限界に近づいていました。
チョッパーによる抗体量産作業はまだ続いています(普通なら、そんな短時間で出来るものではありません)。
チョッパーの抗体量産作業を護衛しているのは
ドレークと
なぜか在りし日の勇ましい姿に戻ったヒョウ五郎でした。
ヒョウ五郎はうっかり「氷鬼」に感染してしまい、ウイルスが感染者の力を引き出して凶暴化させる作用が上手いこと働いたおかげで、寿命と引き換えに昔の姿に戻ったようです。亀仙人感あります。かつての力を取り戻したヒョウ五郎はそれは強く、フロアに敵なしの様子です。
しかし、その寿命はもう尽きようとしていました。
ヒョウ五郎は自身が氷鬼化してしまえば無差別にフロアの人間を斬り尽くしてしまうからと、ワノ国の親分衆にそうなる前に自分を殺すよう命令します。
チョッパーが作る抗体が果たして間に合うのか、というところです。
1006話
また、本話ではライブフロアの頭上で展開する
マルコと
キング、
クイーンの戦いが5ページに渡って描かれているわけですが、マルコがめちゃくちゃ格好いいです。
『ONE PIECE』におけるバトル描写は端的で、その部分については私は特に評価していないのですけど(ジャンプの位置付け的にバトル漫画でもないですし)、今回のバトルシーンは動きがよく分かる上に速さが伝わってきます。マルコの能力は相変わらず意味不明ですけども(笑)。
最終章の巨大な戦いで能力者同士の戦いをこのクオリティで描いたらと想像すると、興奮が止まりません。ただし、そんなテンポで描いていたら、それこそ一体何年かかるか分かりませんねw
なお、屋敷の外で行われていた
ペロスペローと
キャロット、
ワンダの戦いは、天候の不運によって満月が陰り、月の獅子(スーロン)を維持できなかったようで、キャロットとワンダが惜しくも敗れたようです。無念。