・たぬきさん
「氷鬼」の混乱が続いているライブフロア。
前回は
ヒョウ五郎がうっかり「氷鬼」に感染してしまい、ウイルスが感染者の力を引き出して凶暴化させる作用が上手いこと働いたおかげで、寿命と引き換えに昔の姿に戻り、抗体を量産している
チョッパーの護衛に力を発揮しましたが、氷鬼の症状が進行していました。
ヒョウ五郎は自身が氷鬼化してしまえば無差別にフロアの人間を斬り尽くしてしまうからと、ワノ国の親分衆にそうなる前に自分を殺すよう命令します。
弥太っぺ「ヒョウ五郎親分!! いずれ追いやす!!」
ヒョウ五郎「フフ…なるべくゆっくり来いよ」
ヒョウ五郎(さらばだ・・・!!)
チョッパー「待てー!!!」
素手で刀を受け止めただと!?w
と、びっくりするシーンだったのですけど、どうやら帯刀していた鞘で受け止めている模様です。それでも人獣型のチョッパーが侍の一太刀を片腕で軽く受け止めているのは驚きです。
本話はチョッパーによる「氷鬼」の治療薬が間に合い、
チョッパーが医療技術、戦闘面、可愛さ、格好良さ、人望、ギャグにおいて大活躍するエピソードでした。
チョパファージ霧砲(ネブライザー)
クイーンも本話で言及していましたが、短時間で抗体を量産することは不可能であり、それはチョッパーも承知していたようで、また何万もの兵士がいるライブフロアで薬を投与して回るのは不可能であることから、「氷鬼」の治療薬には抗体を元にして治療薬のウイルスを作ったと言います。
ネブライザーでエアロゾルとなった治療ウイルス(チョッパーは「いいウイルス」と表現)はフロア中に広がり、体内に取り込まれると即効性に治療効果が出ているため、生ワクチンの類ではありません。原理としては「氷鬼」のウイルスのように急速に体内で増殖して、「氷鬼」のウイルスを中和しているのだと思われます(もちろん、現代の医科学を超越しています)。
「
ファージ」というのは細菌に対するウイルスのことで、細菌のコントロールにファージが利用できないということが検討されていたりします。ウイルスに対するウイルスなので、これをファージとは言いませんが、「いいウイルス」という発想はファージから着想したのだと思われます。
SMILEが手に入らなくなった今、プレジャーズは元よりウェイターズも、最強の「百獣海賊団」にとってはただの穀潰しだとぶっちゃけ、氷鬼になって死ねと部下たちに無情な宣告をした
クイーンに対して、敵味方問わず氷鬼から救った
チョッパーはライブフロアにおいて大きな求心力を得て、
ライブフロアにいたプレジャーズとウェイターズらが百獣海賊団から寝返ってチョッパーの味方についています。
アプーはどうなのでしょうか。
鬼ヶ島の勢力図は、当初5,400あった侍達の軍勢が5,000、当初30,000あった百獣海賊団の軍勢が27,000となっていました(1003話)。お玉のきびだんごの作戦で仮に百獣海賊団の船員1000人ほど(真打ちを中心としたギフターズ以上の面々)が侍側に寝返ったとすると、6,000対26,000ほどになっていると予想されます。今回、ライブフロアには敵味方合わせて兵が何万といると見積もられているので、
数だけで言うと勢力図は均衡したか、逆転した可能性もあります。
・人工悪魔の実
パンクハザードにて、
モモの助が食べてしまった人工(人造)悪魔の実は
ベガパンクが作ったものです。「
失敗作だと聞いていた」というシーザーの部下の発言(685話)がありましたが、人工悪魔の実を食べたモモの助は完全な獣型(龍)に変身でき、ウオウオの実・幻獣種と同じく焔雲で空を飛ぶことができるという点で、シーザーとドフラミンゴにより作られていた「SMILE」よりも動物系悪魔の実の再現度は遥かに高いです。
したがって、「失敗作」というのはシーザーの妬みとも受け取れました。しかし、本話の
CP-0の発言から、ベガパンクにとっては本当に納得のいかない「失敗作」であったようです。
また、この人工悪魔の実は、
カイドウが昔、海軍に捕まった際に、
ベガパンクがカイドウから「血統因子」を抽出して作成したものだと言います。
「SMILE」が血統因子の応用(698話)とされる「SAD」を原料にして作られたものであるのに対して、ベガパンクは能力者から直接「血統因子」を抽出して人工悪魔の実を作ったわけですから、品質の点で、ベガパンクが作ったものの方が優れているのは当たり前のような気はします。
ベガパンクが発見した「血統因子」はこちらの世界で言う「ゲノムDNA」や「遺伝子」「染色体」のことを意味しています。
カイドウの「血統因子」を抽出して人工悪魔の実を作ったのであれば、
(動物系)能力者の「血統因子」の中に悪魔の実の言わば〝悪魔〟の「血統因子」が組み込まれているということになりそうです。これは以前、悪魔の実のルールについて考察した仮説(
悪魔の実の〝悪魔〟の受け皿は「血統因子」)を支持するものです。
「血統因子」から考える悪魔の実と黒ひげが能力を2つ持つ謎
上記の考察記事はやや難解なのでここでの説明は割愛しますが、上記の考察から
〝悪魔〟自体が「血統因子」を持っているのは動物系悪魔の実のみだと私は予想していますので、能力者から「血統因子」を抽出して人工悪魔の実を作ることができるのは動物系悪魔の実だけだと考えられます。
また、現状知られている悪魔の実のルールにおいて、能力者から〝悪魔〟の「血統因子」を抽出して他の者にそれを移植し、同一の悪魔の実の能力者のコピー(カイドウに対するモモの助)を作ることが可能である場合、
その行為は悪魔の実のルールに抵触していません。
つまり、
ベガパンクの方法による人工悪魔の実の場合、動物系能力者を複製することが出来ると言えます。ただし、コピー元のオリジナルの能力者が死亡した場合、悪魔の実のルールが発動して、コピー能力者の能力が失われるという可能性は十分あり得ます。
世界政府はこの技術によって、とてつもない軍事力を手に入れていたはずですが、ベガパンクは「失敗作」だと言って納得いかず、この技術をお蔵入りにさせたように受け取れます。
CP-0はパンクハザードで保管されていた人工悪魔の実が流出した可能性に触れて、ベガパンクが言う「失敗作」という話を真に受けて、「
失敗作でよかった」と語っています。しかし、モモの助を見る限り、ベガパンクが作った人工悪魔の実が「失敗作」のようには見えません。
これにはベガパンクの科学者らしい偏屈があったのかもしれません。
そもそも、作った人工悪魔の実は誰かが食べて実験をしたわけではないので、「失敗作」と言っても「SMILE」における10分の9の割合で作られる不良品とはわけが違います。
ベガパンクが自分で作った人工悪魔の実について「失敗作」と言えるのは、作成以前に理論や技術が不完全だと結論づけているからでしょう。
例えば、
悪魔の実の呪いまで再現できないとか、
色味を再現できないとか(モモの助の龍はピンク色)、
世界政府にとってはそんな些細な問題が理由だったりするのかもしれません。
ところで、
ヤマトは
モモの助を連れて、城の天井裏に隠れようとしているようです。
モモの助「せっしゃは不マジメでバカで…弱くて…おろかで……イヤになる」
しのぶ「モモの助様は立派です!!」
(むくっ)
ヤマト「え」
(ぼわん!!)
モモの助「りっぱなものかー!!」
このシーンは「ポケモン」とか「どうぶつの森」とかでよくある大人だけ反応しちゃう隠れた下ネタっぽい感じがあります(笑)。小学生が大人になって読み返した時に気づく楽しさがあるんじゃないでしょうか。モモの助の龍の姿を見たヤマトの感想が「
うなぎ」というのはルフィと同じわけですが、カイドウが父親のヤマトのリアクションとしては不自然ですね。
・衝撃のラスト
ローの能力により天守裏の宝物殿に退避していた
錦えもんら赤鞘の侍達を、
日和らしき人物が手当てをしていましたが(
1004話)、錦えもんらが目を覚ますとその姿は消えていました。
河松はかすかにその人物を見たようですが「そんな筈はない」と、思い浮かんだ人物を否定しています。日和は討ち入りに参戦していないはずですし、トキは亡くなっているので、そう思って当然です。
ともかく赤鞘の侍達が戦いの場に戻ろうしたその時、まさかの人物が登場します。
光月おでんの登場です。
ぎょっとする赤鞘の侍達。そして次回に続く、という衝撃のラストでした。
姿や衣装は20年前の光月おでんと違いないわけですが、
まず注目するのは、腰に差している刀の鍔がおでんの愛刀「天羽々斬」と「閻魔」のそれではないということです。「天羽々斬」と「閻魔」はモモの助と日和に託されていましたので、登場した おでん が「天羽々斬」と「閻魔」を帯刀していた場合、リアリティは薄くなります。セリフも非常に おでん らしく、簡単には偽物だと言い切れないリアリティがあります。
そこで、おでん生存ルートも含めて、登場した
おでんの正体について、いくつか考えてみました。
1. 福ロクジュ変化説
一番妥当な説だと思っています。
カイドウによりオロチが斬られた後、福ロクジュは百獣海賊団に従うことを表明しました。しかし、福ロクジュがライブフロアから立ち去る姿が目撃された以降(990話)、その後の動向は不明です。変化の術は福ロクジュの得意な忍術ではないですが、出来ないというわけではないでしょう。
2. カン十郎の能力説1
カン十郎は赤鞘の侍達に敗れて斬り捨てられましたが、首ははねられていないため、まだ生きている可能性は否定できません(986話)。カン十郎の能力で描いた絵ならば説明はつきます。赤鞘の侍達はまたしても騙されてしまったのでしょうか。
3. カン十郎の能力説2
カン十郎が死亡している場合のルートです。カン十郎が死亡する間際に誰かが能力が奪ったとすれば、可能です。一体それは誰なんだという話ですが、それが福ロクジュであれば話が早いです。その場合、オロチ生存説も浮上します。
4. おでん生存説
粋な最期が描かれているので、あの時処刑された おでん が偽物だと考えるのは非常に野暮です。そこで、あの時処刑された おでん は本物だという前提で生存ルートを考えます。
まず、すぐに考えつくのは、白ひげやロジャーと旅をした おでん が実は能力者になっていたということです。悪魔の実の能力には類似した能力が存在しているため、ブルックのヨミヨミの実に類似した能力者であれば、蘇生は可能です。また、おでん本人が能力者でなくとも、誰かを1度だけ生き返らせる能力者がいてもおかしくはありません。おでんは処刑時に釜茹でにされているため、後者の方が現実的かもしれません。
しかし、それだけでは おでん生存ルートは成立しません。登場したおでんは20年前の姿のままですから、トキの能力により20年後の未来にタイムスリップさせる必要があります。仮に おでん が蘇生していたとしたら、九里であんな結末になっただろうかという疑問があります。
そこでもう一つ考えるのは
悪魔の実の能力の裏技です。オペオペの実の能力は能力者の命を懸けると不老不死の力を与えることができると言われています。もし、トキの能力でもそのような能力者の命をかけた大技が可能であれば、トキは自分の命を懸けて、まだ生きていた
過去のおでんを20年後の未来に送ったのかもしれません。結果的に
タイムパラドックスものになりますね。しかし、ここで刀が違うという矛盾が生じます。
おでん生存ルートはかなり苦しいです。
5. 未知の能力説
敵味方問わず、未知の能力によるものとする説です。例えば幻影を見せる能力であったり(しかし、この場合は刀が違うのは変)。日和が実は能力者で赤鞘の侍達を鼓舞するためにやったこととか、まだ登場していない未知の能力であれば色々と考えられます。
追記)6. キツネが化けている説
コメントでまだあるよと教えられて追記です。
狛狐のオニ丸は牛鬼丸に化けていたわけですが、これが悪魔の実の能力ではなく、キツネの化ける力であれば(それも能力かもしれないが)、おでんの姿にもなれるというわけです。しかし、牛鬼丸の武器自体もオニ丸の変化によるものと思われるので(953話)、やはり刀が違うところが引っかかります。(追記終)
あと、次号は休載なんですよね。
なんという最終ページの引き!!