蓬田沖でナマコ800キロ密漁疑い/青森海保、男9人逮捕
青森県蓬田村の蓬田漁港沖でナマコ約800キロ(約320万円相当)を密漁したとして、青森海上保安部などは24日、漁業法違反の疑いで、野辺地町や青森市、宮城県などの男9人を逮捕したと発表した。ナマコやアワビの密漁を厳罰化した改正漁業法が施行された昨年12月以降、県内初の逮捕。
逮捕されたのは、住所不定無職(29)、野辺地町の会社員(29)、宮城県石巻市の無職(56)、石巻市の無職(48)、住所不定無職(34)、青森市の無職(29)、宮城県東松島市の無職(51)、石巻市の無職(53)、住所不定無職(48)の各容疑者。
逮捕容疑は3月8日午後9時ごろ、蓬田漁港から南東約1.7キロ付近の海域で、共謀してナマコ802.5キログラムを採取した疑い。
青森海保に昨年3月、「陸奥湾内で密漁が行われている」と情報提供があり、捜査に着手。県警の協力を得て、周辺海域の警戒を強化してきた。同海保によると、容疑者らがプレジャーボート「ゴーイングメリー号」(全長約6メートル)に乗り、潜水してナマコを取るなどしているところを確認し、現場にいた9人のうち5人を現行犯逮捕。4人は現場から逃走したため、17~23日にかけて逮捕した。
ナマコは「黒いダイヤ」とも呼ばれ、各地で密漁が横行。県内でも2014~16年、陸奥湾内のナマコを大規模に密漁していた二つの組織を漁業法違反などで摘発している。
密漁で得た利益は暴力団の資金源になっているとされ、改正漁業法では罰金の上限が200万円から3千万円に引き上げられた。同海保は、グループと暴力団とのつながりの有無や、流通ルートの解明など捜査を進める方針。
(東奥日報)