・戦況
前回、捕獲したメアリーズのバオファンを介して、
お玉はきびだんごを食べたギフターズ達に一挙に号令をかけることに成功し、百獣海賊団の軍勢3万、討ち入りの侍達5400で始まった鬼ヶ島の戦いは総力的にはほぼ互角か逆転していると思われます。
百獣海賊団3万 VS 侍5400
↓
百獣海賊団2万7000 VS 侍5000(〜1003話)
↓
百獣海賊団2万4000 VS 侍3000(〜1016話)
↓
百獣海賊団2万 VS 侍7000(1007話)
※ライブフロアのウェイターズとプレジャーズがクイーンに反発して寝返り
↓
百獣海賊団1万6000 VS 侍9000(1018話)
※お玉の号令により真打ちを含むギフターズ約300名とその部下約1000名が寝返り
お玉の号令によりギフターズ達に異変が起きたため、百獣海賊団から何かしらの能力の発動を疑われた
お玉は命を狙われることになりますが、お玉とナミはウマ美こと
スピードの背に乗りライブフロアから快足で脱出しています(ウソップは走りw)。
クリマ・タクトに転生した
ゼウスは「
ナミの右腕」と自ら名乗り、ナミとの関係性において以前と違って割と強気な態度をとっていましたが(
1016話)、自重したのか(反響が良くなかったためか)、今回は一転して「ねーナミ おいら昔みたいにしもべにしてくれるーー?」と下手に出ています。
ナミはゼウスの申し出を受け入れず、「”相棒”なんてどう?」と切り返しています。かくして、早くもゼウスは「
ナミの相棒」となりました。クリマ・タクトなので、やっぱり右肩よりも相棒ですよね。
・太陽の神
城内4階「ネコ科フェ」にて、
ジンベエは
フーズ・フー(
ネコネコの実 古代種 モデル サーベルタイガー)とサシで戦闘中。
前回、フーが
脱獄した異例の元CP9であることが判明しています。
CP9だったフーが捕まって牢獄に入った経緯は不明ですが、ロブ・ルッチに引けを取らないほど有望と言われていたというフーが落ちぶれたきっかけは、12年前に政府の船で護送中だった「
ゴムゴムの実」を赤髪の
シャンクスに奪われたことでした。
ゴムゴムの実は赤髪海賊団が「
敵船から奪った」ものと言われていましたが(第1話)、悪魔の実を護送していたフーの証言によれば、シャンクスが政府の船を襲撃してゴムゴムの実を奪ったことになります。
前回の最終コマの誌面アオリ(「政府が護送する程の実…!?」)からゴムゴムの実に隠された真価を前回考察してみたわけですが、フーの正体が脱獄して逃亡中のCP9だと気づいた模様の
CP0達は、CP9として知り得たフーが持っている機密情報は古いもので「
特に政府に害はない」と言っています。
彼らが問題視しているのは、逃亡したCP9が生きていけるという前例があることのようです。
世界政府がゴムゴムの実を護送していたこと、シャンクスに奪われたという事実が「特に政府に害はない」のであれば、ゴムゴムの実に隠された真価が本当にあるのか、もしくは政府が悪魔の実を護送していたことに隠された事実があるのか、という点については否定的になり、今のところ、フーとジンベエ(ルフィ)に因縁があったという程度のエピソードという認識です。フーが投獄された理由がゴムゴムの実を奪われたことであれば、また話は変わってくるのですが、そうではないようですので。
戦い中にペラペラ喋るフーは今回、
それよりも重大そうな話をジンベエにしています。
フーは牢獄に捕まっていた時、看守から酷い懲罰を受けながら、「
太陽の神ニカ」に祈れと笑われたと言います。
フー:太古の昔に…奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士だそうだ
フー:実在したのか妄想か…人を笑わせ苦悩から解放してくれる戦士
フーにこの話をした看守は後日、消されたらしく、フーは自分の身も危険と感じたために命懸けで脱獄をしたそうです。
「太陽の神ニカ」の話はどうやら政府にとって都合の悪い話のようですが、CP0はフーがその話を看守から聞いていたことまでは認知していなかったようです。
「
魚人の歴史は奴隷の歴史」だと言うフーは、太陽の神ニカについて何か知っていないか、魚人のジンベエに尋ねるのでした。しかし、魚人のつらい歴史を軽んじたフーの言動に完全にキレてしまったジンベエはフーの質問には一切答えず、フーの体技を武装色の覇気で跳ね返し(フーが指銃で指を骨折)、魚人空手でフーを一蹴しています。
フーの話を聞いているジンベエの反応から察するに、「
太陽の神ニカ」は魚人族には知られている話のようです。ただし、あまり口には出さない類のものなのでしょうか。消された看守は投獄された魚人族からニカの話を聞いたのかもしれません。
魚人島の先祖たちの夢が「タイヨウの下に王国を移す」ことであったり(621話)、魚人海賊団が「タイヨウの海賊団」と名乗っていたりと、魚人族にとって元々、
太陽は憧れや信仰の対象であることは窺え知れますので「太陽の神ニカ」のような信仰が太古からあっても自然なことです。
しかし、「太陽の神ニカ」の話をしただけの看守が消されたとなると、
これが「空白の100年」に関わるものだと自ずと推察されます。オハラの学者のクローバーは空白の100年に存在し、世界政府に滅ぼされた「巨大な王国」の名前を言おうとしただけで政府に消されました。
「太陽の神ニカ」について「実在したのか妄想か」と語られていますが、その点で見れば、空白の100年に
実在した人物がモデルだと考えられます。しかし、
そこまでのことは今の魚人族には伝わっておらず伝説化しているのだと考えられます。
フーが言うように「魚人の歴史は奴隷の歴史」であるのであれば、太古の地上にいた魚人族はほとんど奴隷だったと考えられます。その「
奴隷達がいつか自分達を救ってくれると信じた伝説の戦士」が太陽の神ニカとなるわけでして、今のところ知り得る情報で太陽の神ニカのモデルだと考えられるのはやはり
ジョイボーイとなってくるでしょう。
「
人を笑わせ苦悩から解放してくれる戦士」という形容はジョイボーイの名前にもピッタリです。
世界政府に滅ぼされた「巨大な王国」の思想は世界政府にとって危険なものだったとされていますが(395話)、それが仮に
奴隷の解放(人種差別打倒)であり、その先陣に立ったのが
太陽の神ニカ=ジョイボーイだったとすれば、
巨大な王国は世界政府と敵対して滅び(395話)、地上で奴隷を解放できなかったために魚人族の「タイヨウの下に王国を移す」という夢(621話)を叶えることができず(魚人族にとって地上を安全な場所にすることができなかった)、ジョイボーイが伝説の人魚宛てに、約束を守れなかった謝罪文を歴史の本文(ポーネグリフ)に記す(628話、649話)、
という具合につながります。
その場合、やはり
ジョイボーイは「巨大な王国」の王族(国王)であると考えられ、Dの一族がその王族の子孫であれば、ロックスやロジャー、ルフィがジョイボーイに成り得るわけです。ロックスの野望は「世界の王」(957話)でしたが、世界政府を倒して奴隷を完全に解放すれば、それもまたDの意志を成したと言えるのかもしれません(
1014話考察)。