今回は
二人の女海賊アン・ボニーと
メアリー・リードです。
彼女たちは黒ひげと同じく海賊黄金期(1700~30年ごろ)の海賊で、アン・ボニーは
ジュエリー・ボニーの名前の由来となっています。
彼女たちがともに乗っていた海賊船の船長が
ジョン・ラッカムで、いつもキャラコ(Calico;白木綿)の縞ズボンを履いていたことから
キャラコのジャックというあだ名で知られています。おそらく、ルンバー海賊団船長
キャラコのヨーキの通り名はここから来ています。
また、はっちゃんにとって替えられた女剣士
メイプル・リードの名前はメアリー・リードによく似ています。
メイプル・リードは魚人島編で出てくるかも!?です。詳細はこちら→
【原作ネタ】 ワンピースGREEN 構想ノート&製作秘話 【これは伏線なのか】
ジョン・ラッカムのジョリー・ロジャー
この二人の女海賊は男装をして男として振る舞っており、仲間の船乗りたちも二人が女だとは知らず、戦闘では男勝りに大胆不敵に戦ったと伝えられています。
メアリー・リードの生い立ち
メアリー・リードはイギリスに生まれました。
メアリーの母は若い船乗りと結婚して男の子を生みましたが、その船乗りはふたたび航海に出ました。
この若い浮気な妻は夫がいないうちに、また身ごもってしまいました。結局、どういう理由があったか知りませんが、夫は航海から帰ってこず、男の子は亡くなり、そのかわりに女の子が生まれました。
それがメアリー・リードです。
この母子は3、4年暮らしていましたが、貯えも使い果たしたので、夫の母親を頼りにすることにしました。
しかし、先方は夫の間にできた子供が男の子であることぐらいは知っていたので、
メアリーに男らしい身なりをさせて、その義母を訪れました。
義母は男の子の格好をしたメアリーが自分の孫だと信じたらしく、保育費を出してもらうことに成功しました。
そのため、
メアリーはそのまま男の子として育てられたわけです。
その後、義母は亡くなり、男の子として振舞う必要がなくなりましたが、メアリーはすでに13歳。大胆で、気性が激しく丈夫、冒険心の強い立派な女の子に育っていました。
まもなく家を飛び出し、
男装をして軍隊に飛び込みました。そして、いくつかの部隊(海兵→歩兵→騎兵)を渡り歩いた先で出会った一人の美青年に恋をしました。
メアリーは自分が女であることをそれとなく相手に感づかせるように仕向けて男の心を惹き、狙い通り結婚の運びとなりました。この奇妙な結婚は隊中で評判となり、一兵卒の結婚式にしては盛大なものになったそうです。
アン・ボニーの生い立ち
アン・ボニーはアイルランドに生まれました。
アンは父が女中との間につくった私生児です。彼女の父は浮気が原因で妻と別れ、この女中と一緒に暮らすことになりました。
世間体を気にした父は
娘にズボンをはかせ親戚の男の子だといってしばらく暮らしていましたが、これはすぐにばれてしまったので家族は新天地を求めてアメリカ植民地のカロライナに渡りました。
父はこの地で商売をはじめ、それなりの財を築いたのですが、成長したアンはその辺のつまらない船乗りと関係してしまい、怒った父はアンを家から追い出してしまいました。
しょうがないので二人は職を求めてプロヴィンス島(海賊の拠点)に渡るのですが、そこで海賊ラッカムと出会います。
ラッカムはアンが好きになり、若い船乗りから彼女を奪い取り、彼女に
男装をさせて海賊船に乗り込むこととなりました。
アンはカロライナにいたときから、いい寄る男は多かったようで、結構なモテ女だったみたいです。
アン・ボニー
メアリーのときに説明し忘れましたが、船乗りは男の仕事で、女性は避けられる世界です。それは海賊も同じなので、彼女たちは正体を隠して男装をするのです。
自身の冒険心から率先して男装をしていたメアリーと異なり、なりゆきで男装することになったアンですが、
幼少期に男装をする機会があったことが共通しているところが面白いと思います。
アンとメアリーの出会い
すっかり女性らしく幸せに暮らしていたメアリーでしたが、まもなく夫は病死し、未亡人になったメアリーはふたたび
男装をして、西インド諸島に向かうオランダ船に水夫として乗り込みました。
ところが、この船はイギリスの海賊に捕まってしまいました。
そして、この海賊船こそ、アンが乗るラッカムの船だったわけです。
乗組員でイギリス人はメアリーだけだったので、彼女は海賊船に迎え入れられました。
恋愛体質のアンは、この新入りの”
若い美青年”に夢中になり、
男装はしているが、実は女であることを打ち明けて誘惑しようとしました。
メアリーはこれに困り、ついに自分も女であることを告白します。
アンは真相を知ってがっかりしましたが、似た境遇の彼女たちはすっかり仲良くなりました。
メアリー・リード
見た目は青年同士が仲良くしているだけですが、これにすっかり怒ってしまったのがラッカムで、アンに向かって「お前の新しい恋人の喉を掻っ切ってやる」と言うものですから、仕方なくラカムにメアリーの秘密を知らせました。
こうして彼女たちの性の秘密は船内ではラカムだけが知るところになりました。
メアリーの恋
あるとき、拿捕した船から仲間に取り込んだ者のなかに際立って魅力ある青年が一人いました。
メアリーはその青年に恋をしてしまい、亡くした夫のときと同じように、それとなく自分が女であることを知らせようとしました。
具体的にどういうことかというと、つまるところ、
ぱいチラです。
さりげなく自分の胸元をのぞかせ、青年の目には白くて綺麗な膨らみが映りました。
周りに男しかいない環境の連中には、これがどうも効くみたいで、青年はすっかりメアリーに夢中になるのでした。
上の版画は「乳出てるやん」とお思いでしょうが、イメージ図なのでね。
ちぶさを見せつけるメアリー
倒れている男は恋人ではなく、恋人の敵です。
恋人の青年はこの船乗りと喧嘩をはじめ、海賊のしきたりで決闘をすることになりました。
相手の男は恋人が到底勝てる相手ではないと思ったメアリーは、彼の命を心配して、自らこの男に喧嘩をふっかけ、恋人との決闘の時間前に首尾よく殺ってしまいました。
勝負がついた後にわざわざ、おっぱいを見せたかどうかは知りません・。・
捕らえられた後
後に捕らえられて、彼女たちが女とわかると、裁判はラカムらとは別に行われ、さらに
二人とも妊娠しているとわかったので彼女たちの刑の執行は延期されました。
母親の処刑によって胎児の命が絶たれることが法律で禁じられていたからです。
ラッカムをはじめ他の海賊連中は絞首刑を宣告され、処刑の日、アンは特別に面会を許されラッカムに吐いた言葉が次の通りです。
「そんな姿を見るのは残念だわ。
もし男らしく戦っていたら、犬みたいにつるし首にならなくてもすんだんだよ。カァー(゚Д゚)≡゚д゚)、ペッ」
捕まることになった戦闘で、最後まで戦い続けたのがアンとメアリーの2人だったからです。
メアリーは執行延期中に病気で獄中死しますが、アンは特赦を受けました。
彼女のその後を知る者はいません。
キャラクター 名前の由来&モデル のまとめ