・神の国
951話のビッグ・マムの発言から
希少な種族であることが判明していた
キングについて、
前回のマルコの発言から、キングの種族とは「赤い壁のその上」すなわち、
赤い土の大陸(レッドライン)の頂上にかつて住んでいた「
発火する種族」であることが判明していました。
本話ではさらに、サンジの悪魔風脚(ディアブルジャンブ)を見た
クイーンが「人が燃えるか!? バカ野郎ォ!! ”
ルナーリア族”じゃあるめェし!!!」と発言し、発火する種族の名前がルナーリア族だと判明しています。
ルナーリア族の話は
白ひげが船員によく話していたようです。白ひげの与太話を思い出してキングを見るマルコは何だか嬉しそうです。正確にはルナーリア族と明言されていませんが、前話の文脈からルナーリア族について以下のようなことが言及されています。
1)ルナーリア族がレッドラインの頂上に住んでいたのはマリージョアができる(約800年前)より
ずっと昔のこと。
2)ルナーリア族の国は「
神の国」と呼ばれていた。
当時の地上の人間にはルナーリア族は神に近い存在と見られていたようです。まぁ、雲より高い場所に住んでいて翼を持っていますし、燃えていますし、無理もないでしょう。
燃えている神というと「
太陽の神ニカ」(1018話)が連想されますが、関係性はあるのでしょうか。1018話の想像図(?)ではニカは翼を持っていませんが、頭は燃えているように見えなくもないです。
1018話
空の民のように翼を持ったルナーリア族は、スカイピアのような空島の制度の「
神」として当時、存在していた可能性もあります。
月の遺跡の壁画(エネルのスペース大作戦:470話・472話)によると、
太古に生きた翼を持った”月の人”は資源不足のために月から降りてきたとされ、その子孫が空の民やシャンディアだと考えられます(月の都市「ビルカ」の名前はエネルの故郷の空島と同じ)。地上のカラクリ島には月のロボット技術が伝わっており、ツキミ博士は月のロボットと同じタイプのロボットを作っていました(エネルのスペース大作戦:448話)。しかし、空島、シャンディア、カラクリ島の文化は共通していないことから、
月の人の部族ごとで定住先が異なっていたのではないかと推察されます。
壁画には発火している人物は描かれていませんが、
ルナーリア族もまた月から降り立った種族の1つで、彼らはレッドラインの頂上に住み着いたということなのかもしれません。そもそも種族名が「
ルナーリア」と、月を隠しきれていません。ルナーリアとはラテン語で「月のような」という意味らしいです。
仮に、月からレッドラインの頂上に降り立ったルナーリア族が「神」として統治していたとして、その「神の国」が滅んだ後に、神と呼ばれる天竜人が住むマリージョアが作られたというのは相当臭う話です。
そして気になるのは、世界政府に滅ぼされたという「
巨大な王国」との関連性です。「巨大な王国」とはオハラの学者達が遥か昔の文献といくつかのポーネグリフを読み解くことで空白の100年に存在したと類推した王国です(395話)。「巨大な王国」は歴史に一切残っていないため、白ひげが言う「神の国」と「巨大な王国」は同じものではないはずです。
しかし、オハラの学者達が遥か昔の文献からその存在を類推したのであれば、空白の100年以前に存在した
「神の国」が「巨大な王国」の前身だった可能性は考えられます。
ここからはさらに仮の話で、大胆に踏み込んで考察してみます。
まず、仮に「巨大な王国」に神と呼ばれたらしい
月の人が関わっているとすると、Dの一族が宙ぶらりんになってしまうような気もするのですが、
Dの一族は空白の100年にルナーリア族も含めて様々な種族の国をまとめ上げて「巨大な王国」を作った人間族だと仮定します。
これに対して、
世界政府の前身は人間族の国がまとまった連合国と言えるでしょう。
民族融和を成し遂げた「巨大な王国」の存在、そして太陽の神ニカ(
1018話考察)から予想される
奴隷の解放(人種差別打倒)という思想は、
人間族の優位性を尊重する人種主義(レイシズム)の連合国側にとっては脅威だったわけです。その点を指摘しようとしたと見られるクローバー博士は五老星の命令で殺されました(395話)。
その王国の”存在”と”思想”こそが お前達「世界政府」にとっての脅威なのではないのか!!!
太陽の神ニカはDの一族(ジョイボーイ)の思想と「巨大な王国」のシンボル的な存在のルナーリア族が融合して伝説化したものなのかもしれません。「巨大な王国」の名前が
タイヨウの王国であれば、しっくりきます。太陽→タイヨウ→多異様・・・そんなダジャレ、ワンピースならあり得るかも?w
そして、もう一点。
ルフィによって壊された約束の船
ノアについて、海王類たちは「ちゃんと使えるかな」「さぁ」「直すには
あの一族の力が必要だがーー時代が代わった」(648話)と話しており、この一族とはこれまでの考察と同じで「巨大な王国」のDの一族だと考えられますが、
実際に直すことができるのは月の人なのかもしれません。
そもそも、ノアは海王類が引くために作られたものなので(648話)、船大工であれば直せそうなものですが、海王類が「ちゃんと使えるかな」と発言しているように、ノアには魚人族を地上に運ぶだけの箱としてだけでなく、
何か機能があると思われます。魚人族であれば、泳いで地上まで行けますからね。
そこで、
ノアの動力源は月の古代都市と同じ技術(エネルのスペース大作戦:467〜469話)で作られたものなのではなかろうかと。
この月の都市ビルカの技術は、エネルが作った
方舟マクシムの動力源の技術に類似していることから、エネルの故郷である空島ビルカにその技術が伝わっているものと推察されます。ノアは旧約聖書の「ノアの方舟」に由来する名前だと思われ、637話の話タイトルで「古の方舟」とも称されているわけですが、マクシムも方舟ということで名前と船の形状にも?共通点が一応あるわけです。
しかし、ノアの動力源が月の古代都市と同じ技術だったとして、その出力の問題が別に浮上してきそうなものです。そもそも、月の都市ビルカは資源不足で放棄されたようですが、都市の動力の燃料はどうなっていたのだろうかと・・・。
ここでさらに妄想。
951話でビッグ・マムが言及していた
歴史のかなたに滅んだかもしれないという種族もまた月出身の種族の1つで、
発電する種族だったと仮定します。これで燃料問題は解決。しかし、この種族は既に滅んでいるようなので、ノアの動力源を起動するのは
エネルという展開があったりなかったり。連合国(世界政府)側が
ゴムゴムの実を手に入れて発電する種族を滅ぼしたという隠された歴史があるとすれば、ゴムゴムの実が特別に護送されていた(1017話・1018話)という理由づけになるのかもしれません。
・ゾロの血筋
ヒョウ五郎と
河松が、
ゾロが亡くなった「鈴後」の大名・
霜月牛丸に
瓜二つだという話をしています。オニ丸は狐なので目が悪く顔で主人を判別していなかったとして、トの康こと霜月康イエとゾロの絡みを見てもそんな伏線はなかったはずですが、これまでゾロについては、故郷の
シモツキ村が霜月家と縁のあることが明らかになっていました。
・名工・霜月コウ三郎が50年以上前にワノ国を違法出国(955話)
・「和道一文字」「閻魔」はコウ三郎の作品(955話)
・ゾロが「捨名知(スナッチ)」という古いワノ国の方言を「村のジジー」に習った(955話)
・シモツキ村の一心道場の師範はコウシロウ
・ゾロはコウシロウから くいな の形見「和道一文字」を譲り受ける(5話)
このことから、シモツキ村はワノ国を出国した霜月コウ三郎とその仲間?が移り住んで作った村だと考えられます。名前から見てコウシロウ(コウ四郎?)はコウ三郎の親戚である可能性が高く、ゾロが言う「村のジジー」とはコウ三郎だった可能性があります。
50年ほど前に作られた随分新しい村なので、和風の村にしてロロノア・ゾロという珍妙な名前を持つゾロが霜月家の遠い子孫という可能性については否定的でしたが、ゾロが霜月牛丸に瓜二つという事実から、
ゾロが霜月家それも大名家の血筋である可能性が急浮上しました。剣の所作が似ているというのは一心道場の門下生なので説明がつきますが、顔が瓜二つなのは偶然ではないはずです。
であれば、
ロロノア・ゾロという名前は、敢えて身分を隠すように付けられた名前だと類推されます。どうしてそんなことをする必要があったのかというのは霜月コウ三郎がワノ国を違法出国した経緯と関連するものだと考えられますが、出国の経緯は明らかになっていません。昼ドラの臭いがしますが。
また、
霜月牛丸は”刀神”リューマの子孫であり(リューマの本名が霜月リューマと判明)、
リューマが隻眼の侍だったことが明かされています。
ゾンビとなったリューマは腐っているために隻眼であるかどうかは分かりませんが、今回描かれた生前のリューマはゾロ(牛丸)に似ており、右頬の縫い傷はゾンビのリューマでも確認できます。そして、
左目にはゾロと同じように縦に切り傷があり、ゾンビのリューマではこの傷が包帯で隠されていたことになります。
そもそもゾロが隻眼になった経緯を我々は知らないわけですが、ゾロはリューマが隻眼の侍だったという話を村のジジー(コウ三郎?)から聞いていたのかもしれません。ゾロは強くなるためにリューマの真似をしたのだとするとあまりに幼稚ですから、”村のジジー”はリューマの隻眼の秘密さえも知っていたのかもしれません。
・急成長
「ジュクジュクの術」で……!! 拙者を”大人”にしてくれ!!!
前回、
しのぶのジュクジュクの実の能力で自身を大人にしてくれと懇願した
モモの助。
モモの助の希望により、予想通りタイムスリップした20年分の歳を取ったようで、容姿は28歳時のモモの助となっています。モモの助の期待通り、龍の獣型もカイドウの龍の様に巨大化しており、これでハートの海賊団も乗せて鬼ヶ島に戻れると思われます。
人型の姿はまだ明らかになっていませんが、しのぶの反応を見る限り、まるで
光月おでんのような姿になっているようです。本話の話タイトル「瓜二つ」はモモの助と おでん にも掛かっているのかもしれません。
モモの助はおでんの愛刀「
天羽々斬(あめのはばきり)」はまだ受け取るには早いと拒否していましたが、その姿なら刀を十分振れそうです。天羽々斬はモモの助が受け取りを拒否したことで、
飛徹がまだ預かっているはずですが、飛徹は花の都にいるため、戦いに間に合いそうにありません。やはり、ここは
1004話に登場した人物が
日和で、彼女が天羽々斬を持っていると期待したいところです。
兄様!あなたの刀よ!
しゅるしゅるしゅる・・・パシッ!ズバッ!的な。
今となって見れば、日和とモモの助が決戦前に再会しなかったのは、タイムスリップによるギャップが しのぶ の能力によって埋められることになるからだったのだなと。一度会ってしまっていると、兄妹の関係が気まずくなりますからね。