ウロタことフィギュア原型師の髙橋晋太郎さんがリツイートされていたのですが、フィギュア原型を複製している方が苦言を呈しています。
フィギュアは市販用に大量生産する場合、原型から作った型に樹脂を流し込んで、真空加熱処理により脱気しつつ樹脂を固めます。また、型を抜くための原型の分割も必要です。
フィギュア原型のレベルが上がり、空間的に複雑な造形や繊細な造形が可能になったわけですが、構造的に脆い原型は真空加熱処理の過程に耐えられず、ひび割れてしまうわけです。
昨今、3Dプリンターの普及によりデジタル造形が増えているわけですが、複製を経験せずにCGから入ってデジタル造形を始めた人は、複製の処理を考慮しないで3Dプリンターで原型を出力するので、そういった原型の複製では樹脂が割れてしまうそうです。また、分割の仕方も合理的ではないようです。
原型制作の進歩に複製の技術が追い付いていないという見方もできるとは思うのですが、ともかく昨今フィギュア業界では原型制作と複製の技術的な乖離から問題が生じているようです。デジタル造形の場合は、物理演算により真空加熱処理をシミュレーションして複製の処理に耐えられる造形かどうか判断できるようにすれば、この問題を解消できそうなものですけどね。